観る極楽

映画はぴんときた作品だけ見ます。傑作でも大作でもなく、佳品と思える作品だけ。だからか、いつも人がまばらな映画館で、作品の世界にすっぽり包まれて過ごします。

土曜日に乳房文化研究会定例会「女の服を着る男たち、男の服を着る女たち」があり、京都に行ってきました。

中国とフランスの異性装について、それぞれの文学者の先生に語っていただいたのですが、非常に興味深い話がいっぱい聞けてとてもおもしろかったです。異性の服を着る、というのは、セクシャルな動機もおおいにあるのだけれど、とくに女性の場合には「生き延びるために男の服を着るしかなかった」ということも歴史的によくあり、つぎつぎ実例をひいて話されると、そのエネルギーに力がわいてきたりしました。

日曜日はあまりにもいい天気のなかを、京都国立近代美術館で開催中の「生活と芸術―アーツ&クラフツ展」を見に行ってきました。

サブタイトルが「ウィリアム・モリスから民芸まで」。実はひそかなモリス・ファン。家の壁紙、カーテン、クッションにはモリスがデザインしたものをたくさん使っています。会場にあった壁紙に我が家と同じものを発見して興奮。大事にしよう。

イギリス→ウィーン→ドイツ→日本とつづく、生活のなかで使われるものを美しく、機能性にとんだものにしようという「運動」は、いまの日本にも根付いている、と私は思っています。これから先はどうかわからないけれど。ただ、いつの時代でも、ある程度社会全体に経済的安定がなければ、生活は美しくならない、というのはあるな。「役に立たないもの、美しくないものを身の回りにおかない」なんて言えるのは、やはり物質的に豊かであるからこそ出てくるぜいたくな発想なのかもしれません。

京都はほんのり紅葉が始まっていました。人気があまりない疎水べりの道をぶらぶら歩いていて、たまにネコに出会ったり、行燈屋さんをのぞいたり、お茶を飲んだりして、ほんと充実した週末でした。

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新刊&セミナーのお知らせ

新刊 「サッカーと独裁者」

アフリカ13か国の
「紛争地帯」を行く
スティーヴ・ブルー
ムフィールド著
実川元子訳
白水社
英国人の著者は
2006年より特派員と
してケニアに在住。ア
フリカ25カ国を取材し
た。多くの宗教、部族
が共存する複雑なア
フリカ事情を理解する
手段として、著者はサ
ッカーを通して取材し、
有力者や市民たちから
多様な本音を聞き出す
ことに成功した。グロー
バル化と民主化運動に
よって生まれ変わろうと
する新生アフリカの深部
に分け入ったルポ。

新刊 「MESH」

「メッシュ
すべてのビジネスは
<シェア>になる」
リサ・ガンスキー著
実川元子訳
モノがあふれて片づけら
れず、使いたいときにす
ぐに出てこない。
最近モノよりコトのほう
が重要になった。
ソーシャル・ネットワー
クもふくめコミュニティ
のつきあいをたいせつ
にしたいと思う。
そういう人にはぜひ読
んでいただきたいのが
この本。
「モノ」より「つながり」、
「使い捨て」より「借りて
まかなう」それが私たち
の生活だけでなく、地球
だって救う。
人間関係から環境問題ま
で、今問題になっているこ
との解決の糸口が見つけ
られ、未来に少しだけでも
希望が持てます。

新刊 「菊とポケモン」

アン・アリスン著
実川元子訳
世界中で人気を集める日本
のアニメやマンガなどのポッ
ップカルチャー。その人気は
どうやってつくられたのか?
米国民族学者が戦後から
現代にいたるまで、子ども
の想像世界を形づくるキャ
ラクターや玩具を歴史的に
追いかけ、グローバルな
人気を獲得した謎に迫る。
米国の大衆文化との比較
が興味深い。

新刊 「サッカーが勝ち取った自由」

チャック・コール著
マービン・クローズ著
実川元子訳
2010年サッカー・ワール
ドカップが開催される南アフ
リカ共和国は長く人種差別
政策、アパルトヘイトが敷か
れていた。圧政と闘い、投獄
された男たちは、生きるため
未来への希望をつなぐため
にサッカーリーグを結成する。
スポーツで自由を勝ち取った
男たちの知られざるノンフィク
ション。W杯のもう一つの真
実が見えてくる。

新刊 人はなぜSEXをするのか?

人はなぜSEXをするのか(小).jpg
「人はなぜSEXをするのか?」
シャロン・モアレム著
実川元子訳
アスペクト
なぜ浮気をしてしまうのか?
絶対不可欠のモテ要素とは?
「生涯の伴侶」を見つけるた
めに必要な感覚は?
私たちの何気ない選択に実
は自然の力が働いている。
気鋭の進化生理学者が遺
伝子、脳、身体、心理のあ
らゆる面から性の謎を解
き明かす。

新刊 英国のダービーマッチ

英国のダービーマッチ(mini).jpg

「英国のダービーマッチ」
ダグラス・ビーティ著
サイモン・クーパー序文
実川元子訳
白水社
英国8都市のライバル関係に
あるサッカークラブ同士で行
なわれるダービーの歴史を背
景に、クラブや市の関係者、
サポーター、ファンから一
般市民のダービーに寄せる
思いを描きだす。ナショナル
ではかれない「ローカル」
の発想を知るうえでも
好著。
motoko
 人生でたいせつなものは本とサッカーと料理とファッションに教えてもらった、などと言ってみたいモノカキの日常

PROFILE

 職業はモノカキ/翻訳業。書いていきたいテーマは「女」「子ども」「衣食住」。得意技はなんでも一晩寝ると忘れること。
since2000.5.19.
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