読む快楽

活字中毒患者です。朝15分読まないと起き上がれない。最低1時間読まないと眠れない。夢中になって読んだ本を教えずにいられない。おもしろい本、 常時募集中!

 今日、大学に行ったあと、書評用の本を探しに本屋に出かけました。

 海外小説の人気のないコーナーで本を立ち読みしていたら、いきなりら声をかけられました。

 「いま、なんじですか?」

 ふと見たら、小柄な外国人がおずおずとこちらを見ています。以前、パリで何時か? と訊かれてサイフをすられた経験から、さっと身がまえました。はっきり言えば、飛び退りました。棚一個分くらい。

 でも、ちょっと悪いかなと思って、「5時です!」と教えてあげました。

 わかんない顔をしていたので「IIt's five o'clock now」と英会話の基本みたいな返事をしてしまったのがまちがいでした。

 「ああ、英語しゃべるんだね。ぼくの名前は××○○。インドから来ました。きみはなんて名前? よかったら教えてくれないかな。ぼくはビジネスマンなんだ。東京ははじめてなんだけれど、いろいろ教えてくれない? 時間があればコーヒーを飲もうよ。ね、コーヒー、コーヒーを飲もう」と立て続け。

 私、しばらく無視。

 でも私は甘いのか、ふと「時間はないし、すぐに家に帰らなくちゃいけないし、あなたと友達になれないし、コーヒーも飲まない」と立て続けに返事をしてしまいました。だって、本を見たいのにうるさいんだもん。

 でも、インド人はインド人なのでめげません。だんだんすりよってきて(私はだんだん逃げる)「ぼく、おいしいレストランを知っているんだ。インド料理好き? インド料理はカレーだけじゃないよ。きみみたいな×××なガールと(読んでいるキミ、ガールと聞いて吹き出さないように)友達になれたらものすごくうれしい。どう? ぼく××○○っていうんだけれど、せめて名前は教えてよ。ねえ、きみ学生?」

 もうアカンと思った私は、にぎっていた本をパタンと閉じて「いいえ、私は先生です。それじゃ幸運を祈るわ。さよなら」と立ち去ったのでした。

 ところが、話はここで終わらなかったのです。

 本屋を出て、駅のほうに歩いていたら、なんと今度は日本人(たぶん)のおじさんにナンパされたのです。今日は1年1回のナンパあたり日なのか?

 小走りで追いかけてきたおじさん。私の前に立ちふさがると「さっき、そこの本屋で歴史の本を見てらっしゃいましたよね。歴史がお好きなんですか?」

 (ポカン!。歴史が好きかってなんだよ! 歴史って好きとかきらいとかいうものなのか? それがナンパの声かけか? もちょっとマシな誘い方がないのか?)

 無視して前進したんだけれど、なおも横に並んで「ぼくも歴史が好きなんです。よかったら、お茶でも飲みながら、歴史の話をしませんか?」

 ああ、これ宗教の勧誘。歴史の話がそのうち宗教の話に変わるのは確実。

 幸いなことに、日本の古代史について語りだしたおじさんがヤマタイ国(?)に踏み入れる前に改札をくぐりぬけることができました。

 やれやれ。インド人に古代史。

 結局、書評の本は見つけられませんでした。

 

コメント(3)

Tequila :

お久しぶりです。「東京は初めて」なのに「おいしいレストランを知っている」というのが笑えますね。本屋さんでのナンパは成功の確率が高いと聞いたことがあります。ナンパするほうも、されるほうも、本屋=「知的空間」ということで自己正当化するのでしょうか? 渋谷のセンター街でナンパした(された)というより、新宿紀伊国屋のほうが、かっこいい!?

motoko :

お、本屋はナンパスポットだったんですか? 日本語の本が読めない、と堂々と言い放つインド人がなぜ本屋にいるのか、がわかりました(苦笑)
センター街ではナンパというよりも、キャッチですね。

Tequila :

(追加情報)日本人同士のナンパでは、洋書店が良いそうです。読めなくてもカンケイナイ!? 役に立たない「情報」ですみません。

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motoko
 人生でたいせつなものは本とサッカーと料理とファッションに教えてもらった、などと言ってみたいモノカキの日常

PROFILE

 職業はモノカキ/翻訳業。書いていきたいテーマは「女」「子ども」「衣食住」。得意技はなんでも一晩寝ると忘れること。
since2000.5.19.
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