Glamorous Life

グラマラスライフ 実川元子オフィシャルサイト おもしろい本、どきどきする試合や映画、わくわくする服に出会えたら最高に幸せ

 4年前にニューヨークにいったとき、アッパーウエストサイドのホテルに宿泊したのだけれど、少し歩いたところにベーグル屋さんがあって朝ごはんによく買ってきた。たぶん、私が本格的にベーグルを食べたのはそのときが最初だと思う。並んで買ったベーグルは、もちもちしておなかにどっしりとくるいわば「パンのおもち版」みたいな感じだった。

 それから一気に日本でもベーグルが人気になり、ときどき買って食べてみるのだけれど、日本のベーグルはNYのものと比べるとやや軽くこぶりなような気がする。いや、それがいやだっていうんじゃない。私は日本版ベーグルも結構好きなんだけれど、NYで食べたあのどっしり感がちょっとなつかしいな、と思うこともあり。

 そしたら、近所に評判のいいベーグル屋さんがあると聞いた。調べるとウチから歩いて10分くらいの距離だ。ところがいくら探しても見つからなくて、いったいどこなんだ、と思っていたら、昨年やっと見つけた。私が見つけられないのも当然なほど小さな店で、そうでなくてもさびれた商店街のなかに、ひっそりと隠れるようにある。客が3人入ったらいっぱいになるほどの狭さで、ショーケースも2つだけ。8種類くらいのベーグルがカウンターに無造作に並べられて売られている。ショーケースのなかにはサンドイッチ用のフィリングが何種類か。

 狭いということもあるのだろうが、いついってもお客さんがいて「満員」だ。昼時は行列ができている。いつもせかせか時間がないので、なかなか買える機会がなかったのだが、あるとき並んでやっと買えた。

 お店をやっているのは、女性3人らしい。全員若くて、おしゃれな女の子たちだ。いろいろ種類があるので「全種類1個ずつください」と頼んだら、「おひとり4個にかぎらせていただいてます。申し訳ありません」といかにも申し訳なさそうに、でもおしゃれにいわれた。なので、プレーン(全粒粉)、セサミ、7種グレインミックス、レザン入りを買ってみた。

 でね、これがなんともNYの「パンのおもち版」ベーグルだったのですよ。

 我が家は炭水化物大好き一家なので、パンやごはんの消費量はかなりのものなのだが、それでも1個を1人で食べられないほどどっしりとボリュームがある。日本版のと大きさはあまり変わらないから、たぶん粉とか製法がちがうのだと思う。もぐもぐとあごを動かしていると、粉の味わいがじんわりしみる。そうか、ベーグルってこの歯ごたえと粉感が持ち味なんだとわかる。

 それからちょくちょく購入している。焼きたてを買ってくると、キッチン全体にふんわり粉のにおいが漂って心地よい。こういうベーグル屋さんが近所にあるのは、それだけでちょっと幸せ。

 クリームチーズをはさんだベーグルのスケッチを描いたのだが、まだ完成していないのでのちほど掲載予定。

 ところで、ブログを書いておきながらなんですが、新年早々仕事に圧倒されていて、メールのお返事がたいへんにとどこおっています。連休中に必ず書きます! 私信ですみません。

 友人のリエさんはずっとヨガをやっていて「疲れているときや、ストレスがたまっているときにヨガをやると、身体も心もほぐされて気持ちいい」という。

 それを聞いてやってみたくなり、私もときどき通っては「ドッグポーズ」だの「モンキーポーズ」だのとやっている。夜、眠る前にストレッチをして、3つか4つのポーズをするのもここ数カ月続けているところ。

 たしかに身体が伸びる感じはする。でも、本当に気持ちいいかといわれると、よくわからない。瞑想とかするのかと思っていたら、ぜんぜんちがって、汗がしたたり落ちるほどに身体を動かすスポーツなのだ。だからスポーツ前にやるストレッチとはあきらかにちがう。どちらかといえば筋肉トレーニングなのだろうか。翌日、身体が痛くなることはさすがにないけれど、それでもリエさんがいうように、すっきりして身体が軽くなる感じはまだない。

 それにしてもヨガのブームは長い。それだけ人を惹きつけるものがあるのだろう。それと、ちょっとクセになるところがあるみたいだ。パジャマに着替えてから、ついチャイルドポーズとかやってる自分に苦笑する。

「ゲルマントの方」I II

マルセル・プルースト著

鈴木道彦訳

集英社文庫ヘリテージシリーズ

 

昨年から「失われた時を求めて」を読み返しています。

読み返す、というと昔ちゃんと読んだみたいに聞こえるでしょうが、そうではありません。以前は面倒なところはすっとばして、おもしろそうなところだけを読んでいました。よく引用される有名なシーンとか、恋愛、性愛、愛憎のシーンとか。

で、今回もじっくり一語一語かみしめるようにというのではなく、やはりおもしろいところを拾って集中的に読んでいます。

ところが、10年以上前に読んだときとちがうところにひかれて、読み返すというよりもはじめて読んだ感ありです。

それに、年をとったおかげで、小説そのものだけでなく、登場人物の心理や行動に対する理解も深まった気がします。舞台は100年以上前のヨーロッパですが、いまの私が読んでも「人間ってほんと変わらないんだな」と共通点が見いだせる。とくに男女や親子関係はこれだけ世の中が変わっているというのに同じだし、バカな人間のバカさ加減はまったく変わらない。

いまになって初めて、この小説の読み方が少しわかってきたような気がします。登場人物と自分との距離がぐっと近くなったからかも。

それはまた、鈴木道彦さんの翻訳がすばらしいからで、「読みやすく、わかりやすく訳そう」という「心」が強く感じられます。

スワン、オデット、ジルベルト、ゲルマント公爵夫妻、フランスワーズ、アルベルチーヌ、ヴィルパリジ夫人、シャルリュスといった主要人物に対する語り手の辛辣さと底意地の悪い見方が、以前はなんかいけすかなかったのですが、今度読み返すとその辛辣さの陰にある「人に対する哀しみ」みたいなものが感じられて、妙に共感します。そう、以前は語り手が嫌いでした。いやなヤツだと思っていました。でも、今回は「う、そこ、わかる。鋭すぎる」と思うことが多い。

食べるために働くという意味の「労働」からまぬかれたとき、人は生きていく目的をどこに見出すのか。ただ集まるために集まるパーティ、空気の読み合いに切磋琢磨するサロン、知っているということだけが重要な教養のための教養。あらゆることが自己目的化してしまったことで時間をつぶしていく話を読んでいると、人間ってほんとにおもしろいと思います。

まだこのあと第四編の「ソドムとゴモラ」があるのですが、「ゲルマントの方」がもしかしたらこの長い長い小説の圧巻なのではないか、という感想をもっています。有名なのは「スワン家の方」なのでしょうが、「スノッブ」を描ききったという意味ではこの巻なのかなあ。

 来週、成人式を祝う次女の髪型を決める、という用事があったので、第二試合、藤枝東VS高川学園から観戦。国立に到着したら、ちょうど第一試合の流通経済大柏VS津工業の試合で、流経柏が6点目(!)を入れたところでした。大前くんは乗せるとコワイ選手なんですが(高円宮杯のVS青森山田戦のときで確認済み)、今日はノリにノッてしまったらしい。まあ、実力差は歴然だったそうなので、納得の結果だったのかも。

 当然ながら藤枝東側で応援。実は準々決勝もわざわざ市川臨海競技場まで観戦にいって、すっかり藤枝東サポになっている私です。来週の決勝は藤色グッズをつけて行かなくては。

 試合は前半は藤枝東ペース。前半の15分ころからパスがまわりだして枠内シュートまでいくようになったところで、藤枝のリズムが生まれました。好きだなあ。こまかいパスをスピーディーにつなぎながら、ファンタスティックなプレイでゴールに迫る、という藤枝のサッカーが。5番石神くん→10番河井くん→11番松田くんという中心ラインの3人が、やりたい放題やっていました。

先制点は(藤枝の)左サイド、ゴールライン際で河井くんが高川学園のDF2人に囲まれながらボールをキープ。フォローに入った8番平井くんにいったん預け、すぐにペナルティエリアに走りこみ、平井くんからパスを受けた松田くんがヒールでちょんと戻したボールをダイレクトでシュート。美しいゴールでした。

試合後のコメントで、松田くんが「河井くんといつもアイデアを出し合ってシュートの練習していたのですが、練習通りにできてうれしかったです」と言っているのを読んで、やっぱりねぇ、と納得。あのゴールはカンとかひらめきで生まれたものじゃないと思いましたよ。でもそういうアイデアを練習のときにやっていて、準決勝の場でできるところがこのチームのすごいところ。

ところが、せっかく100点の前半だったというのに、藤枝東というチームは(たった3試合しか見ていないけれど)毎回後半の立ち上がりから20分までぐでぐでになります。

今日も高川学園に攻め込まれまくってました。高川のミスとディフェンス陣の踏ん張りに救われていたからいいようなものの、あれでは流通経済大柏には通用しないだろうな。信じられないパスミスも何回もやらかすし、パスはまったくつなげなくなってしまうし。1週間で5試合という厳しさで、たぶんへろへろだったんじゃないかと思いますが、それにしても前半と後半で豹変するってどうよ。

高川学園は10番齊藤くんというのが光っていました。ボールを持つと速い! 左サイド、右サイド、中央、縦横無尽に走りまくり、藤枝のDFを翻弄していました。ただ、彼にパスを出す人がいない。というか、彼しかパスが出せない。そこがつらいところ。

サッカーの名門(山田とか長谷部とかが出身)藤枝東が決勝に進出するのは34年ぶりだそうです。隣に座ったおじさんたち(藤枝東出身のOBたち)が大興奮。「バカうれしい!」とはしゃぎ、私は「決勝でも一緒に応援しよう!」と熱く握手を求められました(笑)。終了後に挨拶にきた選手たちと、大声で校歌を歌っていました。1番だけで終わったら不満そうでしたが、「そうか、決勝で3番まで歌うために今回は1番だけにしたんだな」と自らを納得させていたところがかわいい。

毎年、大晦日と正月は家族が集まって食事をします。

 ここ数年、大晦日のごちそうメニューの定番となっているのがローストチキンです。

 大きめの阿波地鶏を毎年12月26日のクリスマス用のチキンが終わったころに予約しているのですが、今年は顔を出すと「あ、今年もローストチキンを焼かれるのですね」と肉屋のお姉さんがにこにこ笑って予約用紙を出してきました。

 で、今年は一番デキのいい焼き具合でした。

 ローストチキンはパリっとした皮が命。 中までしっかり火を通しながら、いかに皮をこがさずに焼くかが勝負です。

 私は入江麻木さんの料理本に出ていた方法で焼いています。白ワインでしっかり洗ってしばらく置き、塩とにんにくのすりおろしをすりこみ、香味野菜を並べて蒸し焼き状態にする、という方法です。ときどきひっくり返し、出てきた汁をかけながら焼くので、手間はかかりますが、手間をかけただけのことはあります。

 付け合わせはローズマリー風味のベークドポテト、ブロッコリ、ミニトマト。お好みでレモンを搾るのもよし。

 おせちは簡略化しましたが、一応つくりました。でも黒豆のワイン煮というのを苦労してつくったのにいまいちおいしくなかったので、一気に不機嫌になり「来年はもう(おせちを)つくらない!」という気になってしまっています。

roastchicken(2).jpg

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