連休はちょっと仕事して、ちょっと遊びにいってを繰り返して終わりました。はい、楽しかったです。

最終日の昨日、高円宮杯ユース大会第3日、グループリーグ最終戦を見てきた。

ガンバ大阪ユースVSサンフレッチェ広島ユース

ジュビロ磐田ユースVS東京ヴェルディユース

どちらの試合も選手の父兄やサッカーをやっている少年たちや指導者、ジャーナリストが大半で、ただのファンという私はずいぶん浮いた存在だったけれど、それでも熱くて楽しい試合観戦だった。

で、私はもちろんガンバ大阪ユースを応援したのだが、何年も見てきて、はじめて「この選手は別格」という選手のプレイを目の当たりにした。

宇佐美貴史は15歳高校1年生。ユースで優秀な選手をそだてることで定評のあるガンバ大阪下部組織の最高傑作といわれている。で、私は彼が中学生のときから何回も見ているのだが、正直「どこが?」と思っていた。一緒に見にいったことがある人に「ねえねえ、どこがすごいの?」と聞かれて返答につまったことさえある。

だが、昨日の試合はすごかった。まだプロではないが、お金を払ってみるのに値するプレイっぷりだった。

彼がすごい選手であることはフィールドにいる全員が知っていて、とくに対戦相手はなんとしてでもボールをもたせたくないし、ましてやペナルティエリアのなかに入れることさえ防ぎたい選手だ。

だからつねに2人、3人のマークがつく。ペナ近くでボールをもたせたくないので、ハーフウェイライン近くまで下がったときにもマンマークがついたりする。ところが、ふと気付くと(と言いたいのは、観客はもちろん、対戦相手だ)宇佐美はペナ近くでボールをもっている。マークが何人つこうが関係なく、ドリブルして相手を何人も抜き去り、決定的なパスをだす。それよりもすごいのは、味方がボールをもってチャンスになりそうだとわかると、どこからともなくあらわれて、ワンタッチであっさりゴールを決めることだ。おおげさにいえば、宇佐美がいれば、宇佐美がさわるより5本前からゴールの予感がする。

ペナ横で彼がたくみなステップで相手を転ばせて、あっさり抜き去るシーンを昨日は何回も拝ませてもらった。クリスチャン・ロナウドがやっているのを見たことはあるが、日本人選手が試合でやって成功しているのを1回も見たことがない。あんなステップは教えられてもふつうはできないのではないだろうか。

1人では抜かれるとわかっているから、2人目、3人目がつくのに、気がつくとキーパーと1対1で、まったく動じることなくゴールに流しいれる。その落着きっぷりもすごすぎる。ユニを引っ張られても、タックルをかけられても、あっさり抜く。相手にするとそれだけでへこむだろうなあ。

もちろんボールをもったときだけが彼のすごさではない。ポジショニングがいい。そこにくるだろうというところにちゃんといる。パススピードもふくめて、自分にボールが渡る何本か前からきちっと計算できているようだ。でも、たぶん計算はしていないのだろう。動物的カンというか、考えて練習してできるものじゃない。

フィジカルが弱い(といっても176センチあるし、国際試合でも見劣りしなくなってきたが)、守備をしない(きのうはときどきしていたが)、王様プレイが目立つ、とかいろいろ言われている。でも、少なくとも昨日の試合を見る限り、十分プロとしてやっていける資質のすべてを兼ね備え、かつ人を魅了するプレイができる選手だと感じた。サッカーが11人でやるチームスポーツだ、ということを、昨日見たなかではもっとも理解しているようであったし。

その後観戦したジュビロとヴェルディのユースにもおもしろい選手、すぐれた選手、うまい選手はいたが、そういう形容詞とは別のレベルに宇佐美はいることをあらためて感じた。別格、とはああいうことを言うんだ。

極端な話、来年のガンバは宇佐美を中心に(とまでは言わずとも、主力の1人として)組んでもいいくらいかもしれない。でないと、宇佐美くんはガンバの至宝で終わってしまう。日本の至宝、世界の至宝にするためには、一刻も早くプロの高いレベルでプレイさせてあげるべきじゃないのかなあ。

 

そういうわけで、連休最終日はとっても楽しい有意義な一日でした。エエモンみたわー!