年をとったら田舎暮らし、と考えたとき、私の場合、一番ネックになるのが「虫」「娯楽」「人間関係」だ。

とくに、虫に関しては田舎どころか、自然に恵まれたところで暮らすのも無理のような気がする。ゴキブリはまだいい(まだいいのか?)。蚊もなんとか耐えられる。バッタとカマキリは全然OK。無理なのは、なめくじと爬虫類系だ。なめくじとかトカゲがいると、私のほうがじーっと彫像化する。ヤモリもほぼ無理。我が家に棲みついていたヤモリ様には、にらみつけて念を送ることしかできなかった。

でもって、今年はアリに苦しめられた。毎年、家のなかにアリが大挙して押し寄せることが1、2回あるので、今年は侵入口となる窓の桟や通気口にしっかり予防の薬をまいておいた。だから大丈夫だろうと思っていたら、なんとどこと特定できないところから侵入し、何回となくかまれたのだ。1回など、私が見ている前で、マウスを握っている右腕にガブリをきた。許せない。

子どものころは、虫とりとかしょっちゅしていたし、アリを飼っていたこともあるのにね。なんで図体が大きくなったのに、虫がダメなのだろうか。もしかすると、大人になるに従って、虫に関する「科学的、論理的」知識や情報が頭のなかにいっぱい入ってしまうからかもしれない。何をもって害虫とし、益虫とするのか、なんて子どものころは知らなかったもの。大人の勝手な分け方なのにね。

ちなみに、我が家でゴキブリが殺せるのは私だけだ。冷静に、一発でしとめられる。あとの人たちは、逃げる、かたまる、泣く、のどれか。誰がどの行動をとるかは、ご想像にお任せします。