写真を撮るのがおそろしくヘタな私も、デジカメで適当に数を撮って、あとで加工とかしてごまかしてここにアップしたりしています。でも基本的に写真を撮るのは嫌いです。撮られるのも好きではないけれど、いやだいやだと逃げ回るほどではありません。

デジカメつきケータイが当然の仕様になり、高性能高機能のデジカメが比較的お手頃価格で手に入るようになり、それこそ誰も彼もが何かと写真に撮ったり撮られたりするようになり、私もご多分にもれずデジカメを持ち歩くようになり......はっきりわかったのは、写真つきケータイとかデジカメとかは、私から「見る力」をうばってしまった、ということです。見ることだけでなく、五感のすべてが安直カメラのせいで感度が落ちています。そうでない人もいるのでしょうが、私はダメだなあ。

それにまた、よほどのことがないかぎり私は撮影した画像をほとんど見返しません。先日、ケータイを機種変更したのですが、カメラ機能がこわれて1年近く使えなくなっていても何の不自由もありませんでした。

五感を働かせること。意識的に働かせること。カメラのレンズではなく、自分の目で見ること。

所詮、デジカメばかりでなく、カメラには写せない、残せないものを私は見たり、聞いたり、かいだり、感じたり、考えたりしたいはずなのだから。

記録より、記憶に残さないと、経験なんつーのは何の意味もないだろうなあ。