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「堕落する高級ブランド」

ダナ・トーマス著

実川元子訳

講談社 1600円

ヴィトン、シャネル、グッチ......日本人が大好きな高級ブランドは、19世紀ヨーロッパの貴族たちが愛でた芸術品のようなぜいたく品から始まった。職人たちが時間と手間をかけて、見つけうるかぎり最高の素材でつくりあげたラグジュアリーな品々は、所有する人、使用する人のステイタスを証明するものだった。

それが大きく変質したのが、「民主的な時代」となった20世紀半ば。70年代から日本で始まった「ブランド・ブーム」により、ブランド企業は大きく考え方を変えなくてはならなかった。

しかし、決定的に変わったのが、1980年代半ば、フランス人実業家、ベルナール・アルノーがクリスチャン・ディオールを買収し、その後ルイ・ヴィトン モエ・ヘネシーという数多くの高級ブランドを傘下におさめるグループ企業を手に入れたことだった。

そして今、グローバルに展開するブランド企業は、中間マーケットをターゲットにし、有数の大企業へと成長した。しかし、その裏では偽物対策に苦労し、株主のために利益をあげることを第一に考えるために品質をさげ、はては消費者をだますところまで「堕落」してしまった......。ブランドを愛する一ジャーナリストが、これでもか、というほど奥深く分け入った取材により、高級ブランドの実態に迫る衝撃の書!

堕落する高級ブランド
ダナ・トーマス
講談社
2009-05-13