文藝春秋スペシャルという季刊雑誌の冬号「健康への道」という特集に寄稿しました。

送られてきた雑誌に、作家の宮本輝さんが実践した「血糖値を下げる奇跡の食事法」という記事があり、とても興味深かったので紹介しますね。

糖尿病はコントロールできる、炭水化物をとらなければいい、という内容で、食べていいもの、いけないものリストが掲載されています。脂肪はOK。お酒もウィスキーや焼酎など蒸留酒はOK(ビールや日本酒など醸造酒は☓)。野菜や肉類、卵もOK。とってはいけないのが、米、麺類、いも類、果物のなかで糖質のたかいもの(果物が大好きな私はちとつらい)、もちろんお菓子は☓。

実は父方の祖母と伯父が糖尿病を長く患ってなくなっています。それを見ているので、私は「致命的な病気になるとしたら、糖尿病だな」と思っています。幸い今のところは数値は正常で、兆候はないのですが、気をつけないといけない、といつも心しています。

それで、この記事が自分のなかで非常に納得がいったので、実践してみようかとリストをコピーして冷蔵庫の扉に張り付けることにしました。何もかも禁止にするわけではなく、気をつける、くらいにとどめようと思っていますが、でもやはり「これはやってはいけない」ことはやめました。たとえばポテトチップスをつまみながらビールなんて最悪なことはやめています。

そのなかで一つ、糖尿病のことを意識したわけでなく私がやっていることがあります。

それは「夕食に炭水化物をとらない」こと。いや、食べることはありますよ。うどんすきを食べることもあるし、中華焼きそばを出すこともあります。でも、できるかぎりとらない。もし食べたら、そのあとジムに行って運動することにしています。糖尿病にいけなから、というわけではなく、ごはんや麺類を夜に食べると胃もたれするような気がするからです。

もう一つ。これも糖尿病にいけないとは知らずにやっていたことですが、昨年9月からそれまで毎晩飲んでいたビールをやめました。完全にやめたわけでなく、たまに飲みに行ったりすると飲んだりすることもありましたが、ふだんは飲まないことにしたのです。12月まではお酒もあまり飲みませんでした。(いまは適当に飲んでいます)

江部康二さんというお医者さんが勧められている食事法なのですが、この先生はご自身も糖尿病で、それをこの食事法で治されたというので説得力があります。記事のなかで私が納得したところを引用しておきます。

「人類の約400万年の歴史を振り返ってみれば、約399万年は狩猟採集の生活であり、この時期の食事は糖質制限食である。糖質を多く摂取するようになったのは、農耕の開始以降、この1万年にすぎない。現代のように精製された炭水化物で急激な血糖値の上昇を繰り返している状況は、人類の歴史全体からみればむしろ異常事態だ。糖質制限食によって、人体は本来の生理的状態に戻るのだと私は考えている」

ちなみに「脳が甘いものを欲しがっている」という説は、まったく根拠がないそうです。そもそも脳が疲れてばてるってこともないそうで(疲れるのは目とかほかの器官)、脳の疲れをとるために糖質が必要なんてことはまったくないそうなので、ご用心。

(文藝春秋スペシャル2010年冬号で、私は「つまずかない生き方──からだが変わる体操教室」というルポを書いています。教えてもらった体操を続けてやっているのと、上記の炭水化物とお酒を減らしたこともあり、1か月1キロ減で、現在4キロ減りました。からだが軽くなって快適です)