1月22日の土曜日は、京都ワコール本社で開かれた乳房文化研究会定例研究会「身体改造と乳房」に出席しました。今回はコーディネイターをつとめたのですが、内容が非常に私好みであり、講師の先生たちがみなお話がうまくてとても楽しい会でした。

「美容整形の社会学 身体改造に向かう女性の心理」というテーマでお話いただいたのは、社会学者(関西大学准教授)の谷本奈穂さん。医学者としては吉村浩太郎さん(東京大学形成外科講師)から「乳房の美容医療」についてお話いただきました。美容ジャーナリストの立場からは倉田真由美さんが「身体改造――美しくなることの意味と価値」についてお話いただきました。3人の立場がみなちがっていることが、「なぜ人(大半は女性)は身体を改造するのか?」「いまの時代に身体を改造することの意味と意義はどこにあるのか?」「女性と男性では身体改造に関するとらえ方がどうちがうのか?」といった漠然としたテーマをより奥行きあるものにしたと思います。

お話を聞いていて気付いたことは2つ。1つは、「男性は身体改造をモテルためにするとあっさり考えるが、女性は時代によっても地域によっても、また個人によっても理由はちがう」ということです。異性(同性)を引きつけたいから外見をよくするために身体改造をする、というのは実に「男子目線」の発想で、女性が身体改造をする理由にはほんの少しかする程度でしかない、ということが谷本先生のアンケートからも、倉田先生の話からもうかがえました。でも吉村先生は「男性を引き付けたい、という理由の豊胸や顔の整形は厳然とある」とおっしゃいます。もしかすると女性は「男を引き付けたい」と言いにくいのかもしれない......ということもないのかな? 日本人の場合、整形をした(したい)理由の多くが「自己満足」だというのも興味深いです。「自分さえ変わったとわかればいいこと」というくらいで、きれいだと思われなくてもちっともかまわないのだそうです。

私は整形しようとしたことはないけれど、10代のころからつい最近まで「美脚になりたい」とずっと思っていました。脚が太くてかっこ悪いのがほんといやだったんです。でも、50代になったらウソみたいに消えました。そんなことよりたるんだ肉が......シワが......シミが......ってどんどんほかのことが増えちゃってるからね。

それと、異性を意識しなくなったことも大きいかなあ。灰になるまで女、なんて私には無理だわ。

でもやっぱりきれいでいたいと思います。その理由はモテたいではないし、出世したい、でもないし、いったい何なのだろう? 誰か教えてほしい。(自分で考えろよ)

きれいになりたい、と願うその理由はいったいどこにあるのでしょう? 女子目線だけでなく、考えてみたいところです。