今年はしょっぱなからギックリ腰をやって整形外科と整体に通い、3月には花粉症がひどい上に節電で暖房を切ったら風邪をひいてますます悪化して内科と耳鼻科に通い、おまけに歯の状態がまた悪化して歯医者に通い、医療費ばかりがかさんでしまったうつうつと送った4カ月でした。

 この体調の悪さに加えて震災で前向きな気持ちが少し切れてしまったこともあり(もしかすると、震災が原因の不安やストレスが体調の悪さを呼び込んだような気もしないではない)、仕事も家事もペースがいささか落ち気味だったのですが、連休を前にやっと「やる気」が戻り、つぎにやってみたいことの計画を具体的に練っています。

 でも、計画もじっくり立てよう、というつもりでいます。以前は思い立ったらすぐに行動に移し「スピードが命」なんて広言していたのですが、それはさすがに押さえています。というか、仕事や家のことにかける「意欲」みたいなものがここ数年でやや変わってきていたのが、震災をきっかけにはっきり転換した感があります。

 少し前までは、一分の時間も惜しんで仕事も家事も趣味も全方位で全力投球し、定量的にはかれるもので結果を出すこと(はっきり言えば形にすること、そしてお金を稼ぐこと)を目標にしていたのですが、それはなんかちがうかなあ、そればっかりじゃむなしくてがんばれないなあ、と思えてきました。

 そんなにあわてて結果を求めなくてもいいんじゃないか。求める「結果」は今すぐ目に見えるものでなくてもいいんじゃないか。今は目に見える結果が出なくても、あせらず、あきらめず続けていくことで、何かしら得るものがあるのじゃないか。そんな風に考えるようになってきました。

 しかも「今すぐ結果が出なくても」という点についても「私が生きている間じゃなくてもいいか」とまで思えてくるのがおそろしいところ。これが「老いる」ってことでしょうか(苦笑)

 ギックリ腰になったとき、月並みな言い方で言えば「ああ、もう無理はできないのだな」と悲しかったのですが、それから2カ月たった今となっては「方向転換しなさいっていう身体からのメッセージだったんだ」と思えるようになりました。「あれもやらなくちゃ、これもやりたい」と駆けずり回るのではなく、「何もかも自分が無理してやらなくてもいいし、やったことの結果がすぐに出なくても気にしない」と自分に言い聞かせています。

 22年前、会社をやめてフリーになるときに高瀬毅さんというジャーナリストから「あわてず、あせらず、あきらめず。それがフリーで働くときに心することですよ」という励ましのメッセージを送られて、以来、私は勝手に座右の銘にしているのですが、今こそそれを本気で実践する時期なのだな、と思います。