ガンバ 2-0 柏

得点者:大塚翔平、平井将生(ともにガンバ......ガンバユース出身です)

(今日はすべて敬称略です)

 せっかくの首位対決だというのに、両チームともミスが多く、決定的なシュートもあまり打たないままに前半終了。とくにDFの約一名に「ひー、やめてよー」というミス散見。「万博に呼ばれている」とビョーキを主張して現地観戦していた同志からは「肝が冷えました」と報告あり。テレビで見ていたら、心臓を冷たい手でつかまれたような気分でしたよ。

後半開始から「気持ちは入っているらしいけれど、どうも前にいけません」というグノに交代してショーキ。そして、そして、そして、スンヨンに交代して、今季初出場の大塚が入りました。

私の心臓の拍動、一気にUP↑。でもショーヘイは緊張感からか、ミス連発。そのたびにヤットと明神さんが若い後輩に声をかけていたのが印象的でした。2人ともやさしいなあ。ヤットからのパスをうけ損なったショーヘイに向かって、ヤットが何か言っている。口の動きを勝手に「ドンマイ。思い切ってやれ」と読みましたよ。いや、私が心の中で思っていただけですが。ドンマイなんて死語だよね。

そして80分には同じく初出場のアフォンソ登場。私も初めて見ました。19歳ですってよ。印象としては「もっさり、ぬるぬる」。ストライカーらしいキレはあまり感じなかったけれど、中盤の右サイド全体に膜がかかったみたいな動きで、柏の選手がなぜか彼のいる半径3メートルを避けるように動いていたのが印象的。

で、この2人が入ってからというもの、というより、大塚が明神さんに何かささやかれてミドルシュートを撃ってからというもの、ガンバに攻めのスイッチが入ります。いつ決まってもおかしくない「爆発数秒前」状態になったところで、大塚がクロスのつもりであげたボール(でも低めの弾道だった)が相手選手のワグネルにあたってGOAL

その1分後、今度はアフォンソがゴールライン際で粘って、柏のDF近藤からボールを奪い、マイナスに入れたところに平井! それまでさんざんやさしいシュートを外しまくっていたのに、あの場面では落ち着いて強いボールを蹴ってGOAL!

あとは高木と明神さんを中心に危ない場面をさほどつくられることなくクローズド。なんと、柏相手に無失点、完封ですよ。

実を言うと、大塚がピッチに立ったとたんに涙線が緩み始め、ゴールが決まって西野さんのところに駆け寄って抱きついたときについに決壊。同期だけれど年下の宇佐美ばかりがクローズアップされるところで、彼は相当に悩んでいたと思うんです。サブにも入れない日が続いていたから。その秘めた熱い思いをぶつけたゴールでした。

さて、今日の勝因をあげておきます。

1)夏場の連戦は総力戦でいかねばならない、ということを就任10年目にして悟った指揮官。今節の試合で疲れが見えたグノとスンヨンを途中交代させたこともですが、前節に明神さんとフタを後半の途中まで休ませたことも大きかった。あとはヤットと智をいつ休ませるか、ですね。

2)途中交代の選手、それも「出たら必ず結果を出そう」と必死だった選手に時間を与えた、という采配もとってもよかった。大塚選手のGOALが決まった瞬間、大塚選手よりも大喜びで大ジャンプした西野さん、ステキです!

3)武井が成長した。下平も成長した。試合に出続けることで得ることはほんとに大きい。この2人がいることを「ありがたや」と思う日がくることは、実は1年前に考えもしませんでした。

4)そうはいってもヤットと明神さんとフタは偉大。この3人を見ていると「サッカーを知っている」という言葉の意味が身にしみてわかります。

 大塚? アフォンソ? 誰それ?っていう選手が活躍すること。それはチームの底上げ(西野さんの言葉を借りるとスケールアップ)になります。そういう選手が活躍してくれるのは、チームに大きなエネルギーを与えるし、サポーターにとってもほんとにうれしいですね。とくに大塚はユースのころから見てきたから、喜びもひとしおです(ひそかにフタの後継者って思っていたんだけれど、考えてみると誰もフタの代わりにはならないなあ。フタはフタだ。万博のピッチが生んだ特別天然記念人)

 つぎは天敵、神戸です。締めていきましょう!(→同志の言葉)