ヴィッセル神戸 0-4 ガンバ大阪

得点者:武井、キム・スンヨン、イ・グノ、二川(全員ガンバ)

(今回もすべて敬称略です)

 個人的に一番盛り上がって、西野監督を「すごい!」と思ったのは、後半30分過ぎにヤットをフタと交代させた采配。内転筋を傷めているというフタはベンチからスタート。イグノの3点目が決まったところで、今夏出ずっぱりのヤットに、代表に備えて休みをとらせることもあってかフタと交代させました。

 その前にアフォンソを出していたこともあって、もしかすると大塚? と思っていたのだけれど、そこにフタを出したところに西野さんの意図があったような。つまり、交代は若手のお試しだけじゃないんだよ、ベテランに試合をうまくクローズさせるのだよ、そしてヤットに代わってそれができるのは、フタなんだ、ってことですね。そうですよね?>西野監督。

 そしてそのフタが、守備にもがんばっていたけれど、カウンターの組み立てに何回となくからんで(アフォンソ、ドフリーで撃ったあのシュートはもう少し上のほうをねらって決めなくちゃ。ま、北本が神セーブだったんだけれど)、最後は自分でダメ押しゴール。そのあとアフォンソに高い高いをされて、ものすごくうれしそうでした。19歳少年に抱きあげられる31歳のおじさん、もとい、ベテラン選手。いい構図です。

http://www.jsgoal.jp/photo/00081800/00081855.html

 スンヨンと武井を2列目に並べ、その2人が得点したことも「攻撃のオプションがまた増えた」ということでうれしい。武井、がんばっていました。でも、あらためて思ったのは、SBの選手じゃないなあってこと。前節の右SBもがんばってはいたけれど、やはりボランチかせいぜい2列目の選手じゃないのかな。しっかし、今日も改めて思ったけれど、1年前に比べると、驚くほど成長しましたよね。同じく成長した下平が怪我ってことで、ほんと残念です。

 その下平に代わって今季2度目の先発となった藤春。技術、ポジショニング、走り、どれもまだまだではありますが、試合を重ねるごとに成長していく可能性はあるな、と好感触でした。初出場となった福岡戦よりはるかによかったから。シュートも2本撃ったよね。で、昨日一番の「藤春効果」は、DF陣全員の緊張が途切れなかったことです。(後半に途切れた人がまあいないでもなかったけれど......)若手の新人を出すと、そういう効果があるんですね。2点取るとたちまち緩んでしまうガンバ戦士たちには、活性剤として新人投入が効き目あります。

 神戸がなんというか、アレな出来だったこともありますが、2戦連続の完封勝利。しばらくゆっくり休んで、9月10日からまた熱い戦いを期待しています。

 最後に。「7、8月の厳しい13試合連戦を8勝4分1敗で乗り切ったことはどう思いますか?」という記者の質問に対して西野監督。「そりゃもう想定外で」。あの、語尾が途切れましたが、そこは当然ながら「想定外の善戦」もしくは「想定外の喜び」と続くんですよね? しかし、監督が予想もしていなかったのだから、サポだって予想だにしていませんでしたよ。でも、ここで緩んではだめです。5文字は禁句禁句。