左側のコラムでもご紹介しておりますが、新刊が出ます。(12月10日発刊)

「サッカーと独裁者――アフリカ13か国の「紛争地帯」を行く」

スティーヴン・ブルームフィルド著

実川元子訳

白水社

 

チュニジアのチューリップ革命に始まった民主化運動で今注目のアフリカを、サッカーを通して読み解こうとするルポルタージュです。サッカーのことよりも、政治と紛争に軸足を置いた内容。アフリカの「いま」がわかるだけでなく、揺れ動く世界の一端がつかめる一冊です。

悲惨なエピソードも紹介されているのですが、サッカーの現場から眺めた世界なので、どこか面白味があります。著者の性格にもよるのでしょう。いまだに「暗黒大陸」とされているアフリカを、こういう視点から見ることも重要なのではないか、と訳しながら思いました。