今日午前中は、中国語と太極拳のレッスン2本立て。頭も体もすっきりして、その後の仕事もはかどります。
中国語を勉強し始めてそろそろ2年が経ちます。1週間に1回のレッスンはとても楽しみ。でも、まだ初級の上くらいで、1500語の単語集の例文丸暗記が現在2巡目。短いエッセイの聴き取りと丸暗記に挑戦中。そんな程度。だからたまに中国語のニュースを聞いてもさっぱりで、録音して20回くらい聞いてやっとなんとか意味がつかめる、といったところ。街で中国人らしき人が何かしゃべっていると、そばまで言って耳をそばだてて、何を言っているかわかるとうれしくなったりして。
私の語学学習は仕事よりもまったく趣味なのですが、趣味だからこそのメリットが多々ある、と思っています。
まず、テスト合格とか、仕事で中国に行かねばならないから、などの目的があるわけではなく、よって期限が定められていないので、ゆっくりじっくり学習できます。これは大きい。語学学習は短期間でどうにかなるものではまったくありません。これまで英語、フランス語、イタリア語、スペイン語、中国語を学習してきた(している)私の経験によれば、「100時間で身につく」はもちろん、「1週間で話せる」なんてことはあ・り・え・な・い!!!! そういう謳い文句の学習書には、ぜったいに手を出さないことにしています。
ただ、ある期間、集中して学習すれば、ぐーんと伸びる、ということはあります。きのうまで聴き取れなかったものが、耳の詰め物がとれたみたいに聴いたらすっと頭に入ってくる、とか、とっさの反応でぱっと言葉が出てくる、とか、そんな感じ。これにも段階があって、第一次急成長期は基本的な文法を理解し、単語が800語くらいまで覚えられたところでやってくるように思います。人によって違うでしょうが、1日最低1時間、週2回くらいレッスンを受けることをやっていると3~4カ月でやってくるのではないか、と。そこから停滞期がずるずる続く間は週1回レッスン、一日30分ずつの学習を続けていれば、2年後くらいに第二次急成長期がやってくる、のではないかと私は見ています。単語2000語、簡単な新聞記事が読めるくらいかなあ。(中国語もそろそろ第二次急成長期がこないかなー)
第二次急成長期にまた集中してがががーっと学習しておくと、その後ペースを落としても忘れることがない、というのが私の経験からくる感想。たぶんこの段階で「(ある程度)身につく」って言えるんでしょうね。でも、2年も学習を続けていられるのは、「趣味」だからですよ。これが「勉強」や「仕事」だったら、たとえばテストに受かったり、出張などから帰ってきたらやめちゃうでしょ。語学学習は楽しいと思っていなくては、また意欲を燃やし続けなければとん挫してしまいます。時間はもちろん、エネルギーも(ある程度のお金も)必要です。
つぎに趣味なので、好きなことができるっていうのがあります。スペイン語やイタリア語をやっていたときは、サッカーの記事を読んだり、実況を聞くのに必死でした。学習書だけではやっぱり飽き足りないし、これが聴きたい、読みたい、話したい、知りたいということに、身の程知らずに挑戦できるのは趣味だからこそです。中国語も、書道で書きたいと思う漢詩を書き出しては簡体字で書いて音で確かめるとか(読むほうに一生懸命になって探していることを忘れたりする)、好きな歌手が歌う歌詞を聴きとって書いて覚えてみる、とか、そういうことが楽しい。
あ、そうそう。私は性格的に、功利主義で外国語を学ぶということがなかなかできません。仕事で役立つ、とか、旅行に行ったときに便利、とか、そういう目的で学んだ外国語は学習を始めても、なかなか身が入らず、身につく前に終わっています。やはり、その言葉に興味があって、学ぶこと自体がおもしろい、楽しいとならないと続かない。つまり趣味と割り切らないと、続かないんです。そして続かない語学学習はただの時間の無駄です。(時間の無駄が悪いこととはちっとも思っていませんけれど)それと、旅行会話なんて、第一次急成長期前の語学力で十分だ、と思います。旅行で使う言葉は限られるから、それさえたたきこんでいけば、レストランでもホテルでもたいていの用は足ります。旅行に不便しない程度では、語学力とは言えない。
語学学習は世界の見方を変えてくれます。思考を形作り、表現するのは言葉。そして感性も言葉によって作られ、表現されます。つまり自分が母語としている言語とちがう言語を話す人たちの考え方や感じ方を知るのは、やはりその人たちが使っている言葉を学んでみるしかない......ってこんなことは今さら言うことではないですね。
そして趣味だからこそ、いろいろな言語に挑戦できて、世界を見る視点が増え、自分のなかにある世界が広くなる、と私は思っています。
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