記録もかねて、最近行った美術展やイベントなど。

ボストン美術展

平日の午後なら少しはすいているかと期待したけれど、甘かった。会場はU65であふれていました↘ 会場に入ったとたん、わんわんわんわんとうるさい。なんで美術展で嫁姑問題とか友だちの闘病記を語らなあかんねん(怒)しかも予想外の動きをする方々が多いので、気をつけないとぶつかって押し倒して責任を追及されるかも、と恐怖をおぼえつつまわりました。

とはいっても、私のお目当ては長谷川等伯(日経新聞の連載を毎朝楽しみにしていました)の「龍虎図」と、曽我蕭白の「雲龍図」。ほかのところはさささーっと見て、この2点の前まで行きつくと、あれ不思議。人がいません。人気ないんかなー?

両方を見比べたくて、2点を何回か行き来しながら存分に観賞した私の結論は「等伯のほうが好み。というか、蕭白はどこか下品なんだけれど~」でした。

あと、予想外に「ををを!」だったのが、「普賢延命菩薩像」。平安時代の作品なのですが、今の漫画で見るようなモダンな描きっぷり。これもあまり人気がないのか放っておかれたので、じっくりなめるように観賞できました。

高橋由一展@東京芸術大学美術館

書評をする関係で、足を伸ばしてこちらへも。で、結果的に(人がいなくてじっくり静かに観賞できたためか?)こちらの美術展のほうがおもしろかったです。

高橋由一は江戸時代から明治前半まで生きた画家で、「日本洋画の父」とされています。武士の生れだったのですが、家業をつかずに画家になろうと決意。初めて見た洋画の写実性と美しさに魅せられ、まだ居留地だった横浜で西洋人の先生を必死に見つけて基礎を習い、絵具やキャンバスをつくるところから学んで絵を描きます。ほとんど独学。

ところが、明治政府は鹿鳴館時代を経て国粋主義となり、洋画の需要がなくなってやむなく東北地方に流れていかざるを得なくなります。そこで描いたのが有名な鮭の絵。その写実性には圧倒されましたよ。

興味をひかれたのは、東北を旅してスケッチした何十枚もの絵に描かれているなかで、トンネルと橋がものすごく多いこと。彼の中では「近代化」の象徴だったのでしょうか。また美術館をつくりたいと構想を練り、設計図まで書いたり(結局日の目を見ず)、美術学校の設立に奔走したり、と教育やインフラ面でも功績があった人でした。徒弟制度でしか絵師が成り立たなかった日本に、美術の「近代的」な制度と教育と観賞法を導入しようしたのですね。

ボストン美術展では「流出した日本の作品(もしくは外国人によって発見された日本美術)」を、高橋由一展では「日本に西洋美術を導入しようとした人」を観ながら、あらためて明治維新と近代化について考えましたよ。

文楽

そして昨日は文楽観賞へ。文楽が、大夫、三味線、人形遣いの三業で成り立っていて、大夫が一番エラクて、この人によって作品は決まる、とか、上方芸能なので「愚痴」の芸(!)だ、とか教えてもらってほんとおもしろかった。

かしこまって観るよりも、せりふや音楽を楽しむ(ときどき笑えて、ときどきじんとくる)大衆芸能なんですね。半日がかりでしたが、とても充実して楽しめました。