これを最後に、きっぱり今季はガンバのことを書くのをやめます。こないだは「それでも勝ったら......調子を取り戻したら......書いちゃうんだろうな」と思っていたので、「しばらくは書きません」とか言っていたのですが、もう昨日の試合である程度今季は残留争いどころか、残留がほぼ不可能になってきたのがわかりましたから、とにかく今季は書かない。今後、仮に奇跡的に残留できたとしても、もう書きません。(でも試合は見に行きますよ)

 実はヘタレなんで、名古屋戦では2点あまりにも情けない失点をしたあとテレビを消して外出し、柏戦では最初からもうLIVEで試合を見ないことにしました。でも、これではいけないと思いなおし、先ほど録画を早回しで見ました。

誰かが悪い、とか、采配に疑問が、とか、そういう段階をもうとっくに過ぎてしまい、転がるように悪い方向へと全員で走っているとしか思えませんでした。助っ人が来ても、監督を変えても、これは厳しいですね。たぶん、わりに早い段階で来季戦うところが決まってしまいそうです。夏は乗り切れないな、このチームでは。前は「早く手を打ってくれ」と思っていましたが、今はもう「3年くらいで戻ってこれたらいいね」という心境になっています。

思えばその兆しは西野さんの時代からありました。個人技に頼って得点し、失点には目をつぶる、3点とられたら5点取る、というスタイルの是非をうんぬんする資格はありませんが、クラブもチームもサポもそれをよしとしてはしゃいでいました。ストライカーがいなくなったら、どっか(Jリーグの助っ人ガイジン)から補強して、自前で育てるということをしてこなかった。それがうまくいかなくなったのが2010年ごろから。それでも平井が覚醒したり、宇佐美が活躍したりして、なんとか持ち直していたけれど、ベテランたちが軒並み怪我がちになってしまったころから、ガイジン助っ人個人技頼みはますます加速しました。それでもなんとか上位につけていられたのは、西野さんの采配もあるでしょうが、ベテランたちの矜持、みたいなものがあったからです。でもベテランたちが怪我がちになったころから、こうなるのは目に見えていました。ガンバの攻撃サッカーというかっこいい売り文句でごまかして、組織で守って組織で攻める、という基本をやってこなかった。そのツケが今まわっているのだな、と思います。

今EUROを見ていて思うのですが、組織としてディフェンスができないチームは、どれだけすごいストライカーがいてもやっぱり「弱い」ですよ。チーム全員でディフェンスとオフェンスの決めごとができているチームが、やはり勝ち残っていきます。そんなことは今さら言う必要がない「常識」。美しい攻撃は美しい守備なしにはありえないし、その逆もまたしかりです。組織で戦う、というサッカーの基本に立ち返らないことには、ガンバがJ1でそこそこのサッカーができるチームになるまでにずいぶん先のことになりそうです。

もうひとつ。私はクラブの姿勢に疑問を持たざるを得ない。ガンバというクラブは、スタジアムを建てることが最優先事項であり、チームの強化は二の次だと考えているのでしょうか? 正直、私はもうスタジアムなんてどうでもいい、とさえ思っています。こんなチーム状態で新スタジアム建設なんて笑止千万、と思っているサポは私だけではないはず。「せっかくここまで計画が進んだのだから」「今さら後戻りはできない」とクラブ側が考えているとしたら、私は言いたい。まずは、チームを立て直してからです。またみんなで笑い合えるようなチーム状態になるまで、新スタジアムの話なんて聞きたくもない。スタジアム建設があと10年先になっても、私はちっともかまわないですよ。そもそもガンバがまたACLに出場できるようになるまで、あと10年ですむとは思えないし。

思えば、西野さんを切るときのクラブの酷い対応も、今のチーム状態につながっている、と思います。すべてが行き当たりばったり、優先順位の付け方がまちがっている(というか、そもそも優先順位をつけていないのかもしれない)、クラブに先を見通した計画性がないから、チームの方針も定まらないし、ピッチの上でもみんながばらばらで戦略も戦術もなし。その結果が現状です。

私は松波監督を応援しているけれど、監督未経験者に今のチームを任せるのはあまりにも酷、というかリスクが高すぎる、というのはドシロウトが見てもあきらかではないでしょうか? 同時に、このような状況を好転できるだけの力を持った人がクラブ内にいないのではないか、とそこにも大きなリスクを感じます。

どんなクラブにも浮き沈みはあるし、暗黒時代が長いクラブのほうが多い、ということもわかっています。でも、弱くても、負けても、ガンバが好きで応援している、というサポさえも離れていくようなことをやっていたら、降格するどころではなくなってしまう。

愛するクラブがある幸せを、もう一度味わいたい、と心から願っています。