山口智選手の「ホーム凱旋」試合は、1−1のドローに終わりました。 凡戦、攻撃に迫力がない、パス回しができていない、サイドが死んでいる......等々、ガンバサポさんのサイトを回ってみると散々な評価です。 しかし、私はこれまでの5戦で一番「まとも」な試合だったと思います(加地選手の意見に同感)。正直、開幕の京都戦を観たときには「ああああああああ、なーんも変わっとらん」と100回くらいため息をついたのだけれど、5試合目に生で観戦してみると「あれ? 変わってきた?」と思うシーンがいくつかありました。 1)最終ラインのコントロール。相手チームとの関係もあるのでしょうが、岩下選手がこまかい(そしてたぶんどつくような言い方で)指示を出しているのか、上げ下げが非常に細かかったし、いつものように後半になるとGW前2メートルで蒼がひしめきあう、ということがありませんでした。オフサイドもとれるようになった。(1回、取りそびれて岩下が線審に詰め寄るシーンがあったけれど)あと、西野が急成長しているように見えるのは、たぶん岩下の舎弟(笑)になって指示を素直に聞いて、ラインを下げないでいるからだ、と思われます。これが今野さんだとそう簡単ではない。後半になって、最終ラインにいっぱい人がいるのに(相手にとっての)バイタルエリアが無人空間、という非常に危険な守備が減りました。 2)FWの(そこそこ)連動したチェイシング。阿部と倉田はもちろん、レアンドロも必死のチェイシング。GKにもかけるプレスっていうのは京都戦では見られませんでした。まだボールがとれるところまではいっていないけれど、前半に1回だけこのチェイシングが功を奏した場面があり、あれが決まっていればもっとがんばってうまくプレスがかけられるようになるのにな、と思いました。 3)シュートで終わろうという意識が高くなった。これは熊本戦の反省かもしれませんし、相手が千葉だったからかもしれませんが、相手チームよりシュート数が上回り、しかも枠内シュート数が増えました。それと、「とにかく前を向こう」という意識も高かった。とくに武井選手。シュウの同点ゴールだって、4人くらい撃ってようやく入ったわけでしょ。とにかく撃たなくては入りません。今はまだ攻撃の形がないのだから、撃たなくちゃ。たぶん、そこのところに喝が入ったのかも。  圧倒的戦力とかおだてられてその気になっていた(私を含めて)ガンバさんですが、開幕戦の前半を終わった時点で、私は「これは......長い道のり」と覚悟しましたよ。  前に同志から言われたのですが、西野前監督のサッカーは「異常」でした。セオリー、定石、すべて無視した異常サッカー。異常に高い最終ライン。異常な前がかり(攻撃しか考えない)。異常なほどの得点と失点。異常は異常なりの楽しさがあったのだけれど、その楽しさの裏には「勝敗がどちらに転ぶかわからない」という危うさがつきまとっていました。異常にこだわったあまり、メンツがそろっていないのにそのサッカーを続けてしまった挙げ句に今があります。そもそもJ1でダントツの得点数と失点数で17位で降格って、異常サッカーをしたから、以外に説明できるどんな言葉があります? 長谷川監督がやろうとしているのは、たぶん「(最低限の定石にのっとった)普通のサッカーをしよう」ということだと思います。、普通のサッカー、つまり全員守備(全員攻撃だけでなく)の意識を持つこと、チャレンジもいいけれどできるかぎりミスを減らすこと、とくに自陣バイタルエリアではセイフティファーストなプレイを心がけること、そんなことではないか、と。そして、コンディションのいい選手を起用すること、TMも含めていいプレイをすれば新人、ベテランを問わず出場時間をとること、そんな試行錯誤を重ねながら我慢してチームをつくっていくことを自分に課しているように思います。 長谷川監督がやろうとしていることは、チームの「再建」でも「復活」でもない。たぶんこれまでのガンバとは違う、「生まれ変わり」(倉田選手の言葉)の途上にあるのではないか。違う親から生まれ直して、違う親に育てられ直すわけですから、これまでのサッカーを「あれは別物」と認識しなくては、新生ガンバくんがかわいそうです。 誰が何と言おうと、私はあせらずじっくり生まれ直し、育て直しに期待して応援していきますよ。 というところで、この問題に触れないわけにはいきません。 ロアッソくんに「暴行」を働いたガンバサポの問題です。最終戦後の居座り問題も含めて、ガンバサポには長年他サポやサッカーファンから眉をひそめられてもしかたない恥ずかしい行為がいっぱいあります。恥の歴史といっても言い過ぎではない。 私は現場にいなかったから、とか、私はコアサポじゃないから、とかそういう言い訳はできない。ガンバを応援する一人として、迷惑をかけている他チームには心から謝罪したいです。謝罪と反省の気持ちをどう表したらいいのかわからないのけれど、少なくともガンバのことを延々と書き続けているこのブログでは謝罪すべきだと思いました。 ロアッソ熊本の皆様、このたびは不快な思いをさせて本当に申し訳ありませんでした。 サポの態度も含めて、普通のチーム、普通のクラブにならなくてはいけませんね。