ええ、ええ、勝ちましたよ。ガンバ側の3点も、福岡側の2点も、どれもビューティフルなゴラッソでした。 しかーし、なんですか? 70分過ぎにパタッと足が止まって(なのかどうかはわからないが)、ライン下がり過ぎ。 この試合のポイント(勝因、とは言わない)は3つあったと思います。 ①福岡が攻守のバランスがとれた普通のいいサッカーをした。 ②健太監督の温情采配が裏目に出た。 ③キャプテン(ヤット)&副キャプテン(倉田)が意地のがんばりを見せた。 J1でもガンバと対戦したことがある福岡は、さすがにホームで14000人以上の観客を集めた手前、ドン引きサッカーはしませんでした。スロベニアのプシュニク監督だって、プライドがあるからそんな作戦はとらない。だから、前半はヤットがかなり高い位置で前を向いてボールを持てたし、藤春が上がれました。 後半は、3点とった気のゆるみと、照りつける日差しのハンパない強さにやられてガンバの足が止まって球際に強くいけなくなったせいで(だって、私も時計のバンドのあとがくっきりつくくらい日に焼けたもん)、福岡の攻撃が活性化。石津大介という選手に見事なゴラッソを決められました。 この試合に向けて、私が着目していた「内田をまたボランチで使うのか?」「家長は遠征に帯同するか(スタメンを外れることはわかっていた)」という2点は、両方ともYESでした。しかも、家長くんったらガンバがヒヤヒヤもんのときにフタに替えて投入。Gマガジンの加地×阿部対談で、加地が「長谷川監督は思っていた以上に選手の気持ちに繊細に対応する」という一言が、本当なんだ、と納得しました。それがいいか悪いかはわかりませんが、西野前監督とは真逆といってもいい采配。練習試合で活躍したら、必ずベンチ入りさせるし、ミスを繰り返しても経験を積ませようとする、というのもスタメンとサブを完璧に切り離していた西野前監督とは大違いです。西野前監督にとって選手は自分がやりたいサッカーをやるための「駒」だったけれど、健太監督にとっては、「会社から預かった将来あるたいせつな若手社員」。独裁君主にしのんVS温情部長けんたのどちらがいいか、サポは究極の選択を突きつけられています。どちらのいいとこもとるってできないの? たぶん、健太監督には「ガンバの若返り」という使命が課せられているのだ、と思います。もちろんそれはJ2にいる今こそやらなくちゃいけないし、肝を据えて取り組まねばならない課題だと思っています。思っているんだけれどね〜〜〜〜でも〜〜〜〜家長くんと内田くん、とくに家長くんには愛の説教部屋やスタメン外しくらいではない、何らかの鞭が必要だと思うなあ。内田のメンタルの弱さは、ちょっとプロじゃないしね。 だからどうしても、昨日(だけでなくここのところの)健太監督の采配には「温情」というプロらしからぬ2文字がついてしまうんだなあ。明神さん投入は、1点目とられたあとに内田に替えたらよかったと思うし、家長はあと2試合くらい愛の監禁部屋じゃなかった、説教部屋でいいような気がする。プシュニク監督がどんな監督なのかわからないけれど、少なくとも交代で出た石津はすばらしかった。この辺が監督の経験の違いかな。 最後に、今年のヤットはまた進化しているし、倉田にいたってはもう去年までのあまちゃん(甘え体質のほうね)の影はなし。2点奪われてからの、2人の必死のチェイシングと走りには、本当に頭が下がりました。ロスタイムにガンバ側でまだ走るシュウ倉田に、昨日購入した倉田マフを握りしめながらおばさんは涙が出そうでしたよ。 ま、そういうわけで2点取ったレアンドロもすばらしかったが、やはりここは「この1点がなければ泣きながら福岡から帰るところだった」という意味で、MOMは倉田秋!