五十肩になりました。 いや、別に医者に診断されたわけではありませんが、どう考えてもこれは五十肩です。右肩を後ろに引くときと、腕を上げたとき、痛みがあります。同年代の人たちに聞くと「ああ、私もなった。それは五十肩だよ」とほとんどの人から言われたのでまちがいありません。 五十肩と知って私が一番に思ったこと。 「おお! 順調に年をとってるやん」 耐えられないほどの痛みではないし、日々薄れていく痛みで気にならないから言えることかもしれませんが、年齢のせいだと知ると、なんというか、ほっとします。負け惜しみじゃなく、加齢が原因ならば、痛みも納得だし、受け入れられます。むしろ、安堵さえします。ちゃんと年をとっているじゃないの、私も、という心境。 振り返れば、40代から50代前半にかけては「若く見られること」「若さを保つこと」に四苦八苦していたような気がします。若さを演出できるファッションを選び、無理して10センチヒールをはき、もちろん化粧品も「若さを保つ」という広告に踊って飛びついていました。鏡を見ればしわやシミが気になるし、少し前まで無理ができたのにできなくなることも、ものすごく気になった。つまり、加齢とか老化というものが、自分にもやってきていることが許せなかったのだと思います。 いつからでしょうか。気がつくと「ま、いっかー。実際、年齢が年齢なんだし、無理することはないかー」という心境になってしまった。 そういう私には、今回のカネボウの美白化粧品の被害にあわれた方々の気持ちがよくよくわかります。7、8年前だったら私もきっと「美白」に飛びついていたにちがいありません。はやりものに踊ることこそ、いつまでも若くいるために必要なんだ、と思っていたのですから。 今の私は、はやりものに飛びつく気持ちが以前よりずっと薄れてしまっていて、それが少しさびしい。 同時に、加齢による老化をこうやって少しずつ受け入れていくことで、年をとっても穏やかな気持ちで過ごせるのだろうなあ、とちょっとほっとしています。 だからね、加齢とか老化による症状が、努力によって防止すべき「病気」みたいに言うのをやめてくれないかなあ>世間様。