4月は新入生、新入社員が新生活を始める季節。先日は、偶然にも「新」の字がいっぱいのついた人たちばかりの車両に偶然乗り合わせました。 そこで小耳にはさんだ言葉に、おばさんはちょっと引っかかったよ。 ぱっりぱりのスーツを着て、革のにおいがぷんぷんしそうなビジネスバッグを持ったおそらく新入社員(女子)2人の会話。 「○○ちゃん(どうやら高校の同級生らしい)は××証券会社に入って、研修からめっちゃきつくて、この会社では自分らしさを発揮できないからってもうやめたいってLINEでめっちゃぐちってた」 「証券会社ってそもそも○○ちゃんらしくないもんね」 「やっぱりねー、自分らしい業種と会社を選ばなくちゃダメだよね」 おいおいおい、とおばさんは口を出したくなりました。 たかだか20年しか生きていない若者に、「自分らしさ」なんてわかるわけない! それに、そもそも自分で思っている自分らしさなんて、たいてい親や先生や友だち(→これが一番大きい)に思い込まされている「らしさ」だよ。「自分らしい」と思っている、というより思い込まされている枠の中に自分を押し込めているかぎり、一生「自分」はわからないし、「らしさ」も作れないから。 私なんてね、60年も生きてきて、いまだに「実川元子らしさ」なんて全然わからない。もっと言えば、年々わからなくなってきているし、周囲が思っている「実川元子らしい」ことをやりたくなくなっている。「元子さんらしい」とか言われると、顔は笑っているけれど、心の中ではカチーンと来て、「あなたに私らしさの枠をはめてもらいたくない」とか毒づいている。 という説教はもちろんする前に渋谷に到着しちゃったんですけれどね。 「新」のつく方々よ。 新しい学校、新しい会社、新しい環境になじもうという努力をする中で、自分らしさが築かれていくんだと思いますよー。学校も、仕事も、友人も、縁があってこその出会い。 ○○ちゃん、あとちょっとでいいから、頑張ってみようよ。今、そこにい(られ)る自分を大切にしてほしいな。