logo.jpg というサッカーの国際大会に今週末から行ってきます。World Cupではないですよ、間にFootballが入ってます。 主催はConfederation of Independent Football Association 略してConIFA(コンイファ)。FIFAに加盟していない(できない)国や地域や団体を傘下に置く組織で、「サッカーで世界に橋を架ける」ことを目的にしています。 FIFAに加盟できるのは、サッカークラブを組織する協会がある国や地域であり、FIFAに承認されるサッカー協会となるためには、たとえば国連に加盟している国であるとか、国として領土を持っているとか、いろいろと条件があるのですが、その条件を充たしていない協会で加盟しているところも29あり、反対に条件を充たしているのに加盟できない国もあります。簡単に言ってしまえば、加盟できるかできないか、つまりFIFAの理事たちに承認されるかしないか、はかなり政治的な恣意が働く、ということです。 加盟すると、ワールドカップをはじめとして「代表チーム」がFIFAが主催する国際試合に参加できて、強化費や育成費等さまざまな資金や人材を含む支援が受けられます。でも、たまにその支援金をちゃっかり協会のボスが懐に入れて、選手やコーチには回らないこともあるわけです。加盟したはいいけれど、サッカーは別にどうでもいいし〜みたいな地域もあるわけです。 その一方で、FIFAが定義している「国」にはあたらないけれど、独自に文化(言語を含む)を持ち、サッカーで自分たちのアイデンティティを表現したい、「国際」試合を通して自分たちの一体感を高めたい、という、言ってみれば「共同体」も世界には数多くあります。ConIFAは、そういう人たちがサッカーを通して交流を図り、世界に向けて自分たちの存在をアピールする場を提供しようとしています。 5月30日から6月8日まで、スウェーデン中部にあるウステルスンドという街で開催されるワールドフットボールカップ2014に参加するのは12チーム。 ホストとなる地域Sapmi(英語でラップランド)の代表サープミ、イラク北部のクルド人によるイラキ・クルディスタン代表、インド南部やスリランカにいるタミル人(インドやスリランド国内の独立紛争で国を追われ、アメリカやカナダ、英国に移住したディアスボラも含む)たちのタミル・イーラム代表、スウェーデン在住のアルメニアのディアスボラによるアルメニアン・スルヨイェ、グルジアの最西端に暮らすアブハジア人による国アブハジア代表、フランス南部のオクシタン語を話す人々によるオクシタニア代表、現在も紛争中のスーダン西部ダルフールからチャドに逃げた難民たちが結成したダルフール・ユナイテッド、北部イタリアのパダーニア代表、グルジア北部イラン系民族オセット人による国、南オセチア代表、アイルランド海の小さなマン島の代表であるエラン・ヴァニン(マン語でマン島という意味)、イラン南部とアルメニア北部にあるアルメニア人の国ナゴルノ・カラバフ代表、南仏ニースのカウンテア・デ・ニッサ。 「国」として独立運動を繰り広げているところもあれば、地域や言語、文化があることを共通項にした共同体もあって、ConIFAが掲げる「ボーダー(境界)のないサッカー大会」なのです。(ということは国と国のボーダーもないから、これは国際大会ではないってことになりますね) グローバル化で人とモノ、特に情報が大量に行き交う中、人種間、民族間、宗教間の対立がより鮮烈になり、物理的に近づいている距離は心理的に離れていってしまっているような感じがしています。人と人とを隔てるボーダーを意識的に設けないことで、どれだけ人と人との距離が心理的にも狭まるか? そもそも「国」って何だろうか? そんなことを考える手がかりも得てきたいと思っています。 途中でフィンランドの友人たちのところに寄っていくつもり。夏のフィンランドは初めてなので、それも楽しみです。 では、行ってきます!!