W杯準決勝ブラジルVSドイツをLIVE観戦しようと、朝5時起床。コーヒーでも淹れて目を覚まそう、とキッチンに行ったとたんにドイツが先制! ドイツ18番、ポジショニングも走りもすごいいいわー、とか思っているうちに立て続けに彼、クロースが2得点。試合を決めました。 (5点目の後に、仲間のところに駆け寄ったエジルが「俺、まだ点とってない」と言わんばかりの笑顔なしの祝福シーンも印象的でした。でもエジル、終了間際のカウンター、ドフリーのシュート、あれは決めないとね) ドイツが素晴らしかったというべきか、ブラジルが酷かったというべきか。 昨晩、就寝前に娘に言った「ドイツが3−0で勝つよ」という私の「予言」は、大幅に外れました。この予想外のドイツの大勝、もしくはブラジルの大敗を受けて、さて、アルゼンチンとオランダはどう戦うか。明日も5時起きだな。  さて、W杯のことはさておき、北欧で考えたことの続きです。 今回は一人旅でしたが、まーったくストレスがなかったです。これまで旅したどの国、地域よりも、ストレスを感じなかった。 その理由は、フィンランドもスウェーデンも治安がよく、人は親切で、インフラがしっかりしていて、何よりも「どんな人にも英語が通じる!」ことにありました。ウステルスンドのような小さな街でも、市バスの運転手さんから本屋の店員さんまで、スケボーやっている中学生らしき少年たちからバギーを押しているイスラム系移民らしきお母さんまで、ネイティブ並みの発音の英語を話します。超方向音痴の私は、Google mapを頼りにしつつ、それでも人を見かけると「こっちの方向でいいよね?」と一応念を押すのですが、誰に聞いてもきちんと英語で答えがもらえるのは助かった。 th_IMG_1515.jpg (ウステルスンドの本屋さんはスリランカ出身。お孫ちゃん向けの絵本を探している、といったら、次々とスウェーデン作家のすてきな絵本をブリティッシュイングリッシュで紹介してくれました。残念ながら荷物に入らないほど大判で買えなかった。今も悔やんでいます) 言葉が通じないストレスを感じたのは、南オセチアやアブハジア、ナゴルノカラバフといったチームの選手や監督とコミュニケーションをとろうとしたときだけ。通訳がいるときといないときがあり、いるときに聞いた彼らの話がすごくおもしろかったので、続きを聞きたいと思っても通訳がいないとまるっきり話が通じない。みんな気のいい人たちで、話もおもしろかったのに残念。ロシア系の人たちは英語がからきしダメらしい。そこで、帰国後すぐにロシア語学習を開始した私。 th_DSC06748.jpg (唯一英語が話せる、というので本職通訳がいないときに駆り出されていた南オセチアGKのテビエフ。「ぼく、大学生でまだ英語を勉強し始めてから2年目なんだよ」とぼやきながら、へどもど通訳していました。「次に会うときまでに、私がロシア語を勉強してオセチアに訪ねていくわ」と言ったら、「え! いつ来る? 来年? 来年の何月?」とかなり真剣に聞かれ、ああ、社交辞令が通じない素朴な人たちなんだな、本気で行かなくちゃ、と思いました) そしてもう一つストレスがたまらなかった理由が、お金さえだせば食事がおいしい、ということ。お金さえ出せば、ね。念を押した理由は、外食がめちゃめちゃ高いから。テイクアウトまで1500円(100クローネ)以下がない。やむなく10年ぶりにビッグマックを買ったら、これが1200円! しかもまずくて食べられず、半分までかじって捨てました。今も悔やまれます。 では、スウェーデンで食べたおいしいものをご紹介。 第1位 th_IMG_1469.jpg ロースト・トナカイ肉@ウステルスンドのレストラン。これは絶品でした。ローストビーフより脂っぽくなくて、やわらかく、ジューシー。うーん、もう1回食べたかった! でもサイドディッシュのローストポテト(→これもスウェーデンの有名料理。タイムの香りがとっても生きていた)、自家製コーンパンと飲み物にワインが1杯ついて3375円+サービス料と22%の消費税。1回だけの贅沢でした。 第2位 th_IMG_1499.jpg 朝食バイキング。2200円(税込み)もするので最初はつけるのやめようかと思ったのですが、外でテイクアウトできる軽食のバラエティの少なさとまずさと高さを知ってからは、2200円の有り難みを実感。ハムやチーズが10種類近くあるし、名物のニシンも酢漬けから焼いたのまでいろいろ。パンも10種類以上あって充実していました。毎朝、てんこ盛りでとってきては、せっせとサンドイッチをつくり、それを昼も夜も食べていました。朝食のレストランにバッグを持って行って、サンドイッチだけでなく、果物もごっそり詰めていたのは私です。心なしか、ホテルの従業員の目が日に日に冷たくなっていったような。 第3位 th_IMG_1510.jpg ウステルスンドの湖でとれたイワナの一種の炭火焼。これも名物料理です。レストランのチャーミングなお姉さんに「ぜひ食べていただきたいわ」とずっと言われ続け、最後のディナーでついに決断。勧めただけあって、本当においしかった。皮の焼き具合が抜群。熱々のソースを食べる直前のジュっとかけて、下に敷いた野菜とともにいただきました。 第4位 th_IMG_1464.jpg 牛すじ入りお好み焼きコルブッレ@ウステルスンド。オープニングセレモニーのときに出ていた屋台で食べました。4分の1サイズがスウェーデン独特の濃いコーヒーとあわせて450円。私の前に買っていたおばあさんが、丸々1枚をぺろりと平らげているのにびっくり。それ以上に、タミルのチームの選手たちが「こんなうまいものはない!」と屋台にむらがってむさぼり食っているのにびっくり。 移動も、ホテルも、食事も、すべてあまりにストレスがなかったので、ちょっと歯ごたえがなかった......なーんて贅沢な話ですね。でも、外国人にこれだけストレスを与えないところも珍しいのではないかな。住めばまったく別なんでしょうけれどね。 さて、2020年東京オリンピック。お・も・て・な・しの地を謳い文句にするのであれば、まずは外国語が通じるように整備すること、ではないでしょうか? 英語は基本として、中国語とロシア語の通訳が必要なんじゃないか、と思います。 それと治安の強化なんでしょうね。日本は治安がいい、とはこのごろ全然思えないんだなあ。住んでいる私でさえも、東京を歩くほうがストックホルムを歩くより緊張を伴います。ところで、永世中立国として200年自国はもちろん他国でも戦争をしていないことが国民の誇りであるスウェーデンは、実は強力な警察と軍隊を持っているらしい。頭の中に日本の集団的自衛権のことが浮かびました。 あと、街の清潔度もスウェーデン、とくにストックホルムに軍配をあげたい。 少なくとも、軽食グルメに関しては、バラエティも味もスウェーデンをはるかに上回っているので、治安や清潔度以上にそこをもっとアピールしたらいいのに。 最後に、ウステルスンドの街、市民の憩いの場である湖のほとりの風景です。 午後6時。仕事帰りのお母さんたちが保育園に子供を迎えにいったあとお父さんと落ち合って散歩し、学校帰りの子供たちが遊び、少女たちはアイスクリームを食べながらおしゃべりに夢中で、おじさんたちは釣りに、お姉さんやお兄さんたちはジョギング、おじいちゃんおばあちゃんはボードゲームやおしゃべりに興じていました。のんびり、ゆったりとした生活が見えてくる風景でした。 th_DSC06941.jpg