audreyhepburn.jpg母、オードリーのこと
ショーン・ヘップバーン・フェラー著
竹書房
訳:実川元子

  息子ショーンが、最愛の母、オードリー・ヘップバーンについて書いたエッセイ&写真集である。これまで非公開だった家族写真なども数多く掲載されており、 オードリーのファンにはこたえられないはず。彼女はついに自伝を書かなかったし、伝記もキワモノでないのはバリー・パリスが書いた「オードリー・ヘップ バーン物語」(集英社)のみ。それもオードリー自身を取材して書かれたわけではない。それを考えると、本書は肉親の、しかも息子の手によるものだというバ イアスを差し引いても、たぶんオードリー・ヘップバーンの実像にきわめて近いところを伝えている。戦時中の飢餓体験、父親との別離と葛藤、2度の離婚、ユ ニセフの活動、そして死を迎えたときの話など、彼女の強くたくましい意外な姿に驚かされる読者も多いはずだ。写真がどれも美しい。表面的にだけではなく、 深いところで感動させる美しさである。オードリー・ヘップバーンはスクリーン上だけでなく、真に美しい人だった。。