los.jpgロサンゼルスの魔力--伝説のホテルから始まるミステリアス・ツアー
A.M.ホームズ著
早川書房
訳:実川元子

 NY在住の作家(女性)が、ナショナル・ジオグラフィックから「どこでもいいから好きなところに行っていいよ。旅費、滞在費全部持つから。条件はそこについての本を書くこと」という信じられないほどおいしい話をもらい、選んだところがロサンゼルス。
 同じアメリカでも、NYとロスじゃ異国のようにちがう。旅行客だって歩いて回れば気分はニューヨーカーになれるNYとは対照的に、ロスは車でなければ移 動不可能だし、だだっぴろくて住民でさえも街の全貌がつかみきれない。何を見て、どこに行けば、「私はロスに行ってきた」と言えるのか。そんな茫漠とした ロサンゼルスにやってきた著者が、名門ホテル、シャトー・マーモントに滞在し、地震について、ロスのユダヤ人について、ロスの老人について取材し、考えま す。ある意味不思議なロス体験。
 巻末の海野弘さんのエッセイがとてもおもしろいです。というか、これはアメリカの一面を知る上で必読!