Glamorous Life

グラマラスライフ 実川元子オフィシャルサイト おもしろい本、どきどきする試合や映画、わくわくする服に出会えたら最高に幸せ

2008年07月

いまから飛行機に乗ります。

きのうみたいな雷にあったらどうしよう......とすでに不安が。

帰りも飛行機なんだよな。

と、心配してもしかたないので、いってきます!

たぶんメールとかいろいろとどこおっていると思いますが、と毎回同じような言い訳ばかりしていますが、しばしペンディングということでよろしくお願いします。来週にはちょっと人間に戻って復活かな。

 

ではいってまいります。

「「かまやつ女」の時代ー女性格差社会の到来」

三浦展著 牧野出版

 

「ワーキングプア 日本を蝕む病」

NHKスペシャル『ワーキングプア』取材班 編

ポプラ社

 

遅ればせながら2冊を読んだ。拾い読みはしていたのだが、全部通して読んだのは初めてだ。

2冊一気読みして、どーんと暗くなって、しばらく寝つけなかった。

「かまやつ女」は2005年。「ワーキングプア」は番組放映が2006年で、本は2007年発行だ。「格差論争」真っ只中で出された波紋の書。

どちらも日本社会に進行している格差を取り上げている。

「かまやつ女」とは何か一応説明しておくと、中年の男性がかぶるような帽子をかぶり、髪型もぼさぼさしていて、ルーズな服を着ていて、スカートはめったにはかずほとんどだぼだぼのジーンズで、たまに短いパンツとかはいても下に必ずスパッツをはいていて、靴は間違ってもヒールをはかずいつも大きめの草履やスニーカー、という格好の若い女の子。その格好がかまやつひろしに似ている、というので著者が命名した。

口癖は「ラクに、自分らしく生きていたい」。そして「がんばらない」「無理をしない」。あらゆる「らしい」ことをやんわり拒否し、とくに「女らしい」ことをするのをやめるので、その格好になる。

そのどこが問題かというと、(著者の目から見ると)彼女たちが努力をやめてしまって、人生からおりてみたいだからだ。

だから著者はかまやつ女にずいぶんいらだっているみたいだ。たしかにゆるゆるの生き方や考え方には私もむっとするところもある。だが、かといってかまやつ女が「学歴も美貌も経済的にも高い三高女」や「男をつかまえて専業主婦になりたいギャル」という「層」と対極の位置にあるとは思えないのだけれど。マーケティングではそうなるのだろうか。三高女もギャルも、ある意味あきらめて下りているところがあるのですがね。

「ワーキングプア」はもう政治、社会レベルで解決しなければどうしようもない要素が8割以上を占める問題で、安易に「グローバル化の余波」だの「教育の問題」だのと評論家みたいなことは私はいえない。情報をちゃんと分析しているわけじゃないし。

だが、両方を読んで感じたのが「社会を階層化し、それを目に見える形でわかりやすく区分し、しかもその区分に不満があってもあきらめて受け入れさせることはダメなんじゃないか」ということだ。

どんな社会にも、形はちがえども階層というのはあったし、いまでもあるし、これからもありつづけるだろう。

だが、生まれ落ちたときから入れられた階層に、どれだけ不満があっても抜け出せないと思い知らされることは、人間として不幸だ。親から子へとそんな不幸が受け継がれるような社会は即刻変えなくてはならない、ということを歴史から学んで、面倒くさいし、欠陥も多いけれど、とりあえず民主主義ってものを選んだのではなかったか。

いや、これじゃ政治的すぎる。そんな大げさなことが言いたいのではない。

今の日本社会は、現状になんとなく不満があったり、不幸とまではいかないけれどストレスを感じていたり、漠然とではあるけれど底知れぬ不安を感じていることが日常化していて、それをどう表現していいかわからない社会なのではないか、ということだ。昔はデモとか、社会運動とかいろいろあったけれど、いまはそういう仲間で怒りを共有することができなくなっている。格差に対して理解しづらくなっているから。で、不満や不安やストレスの根源にあるのが、固定化されている階層に対するあきらめではないかと。

私が最近本当に耳にするのも目にするのもいやな三大フレーズが

「夢をもつ」

「自分らしく生きる」

「好きなことを仕事にする」

なんだけれど、とくに政治家とか評論家とか実業家とか、若者の将来の夢を見事に打ち砕いている張本人が、あきらめきって肩を落としている若者にむかって追い打ちをかけるような言葉を投げつけると、ほんと私でさえもひきこもりたくなる。

あきらめざるをえない状況でもがいているところに、夢だの自分らしくだの好きなことだのと、カッコイイコーティングをした自助努力を強制するんじゃない、と言いたくなるんですね。は~。

 

訳了しました。

訳了したよ!

訳了したんだ、聞こえてる?(しつこい)

正直、5月はじめに打ち合わせをしたとき「7月末までに仕上げます」とか言っておきながら、心のなかで「ちょっとキツイかもぉ......でも締切延びても許してくださるかもぉ」と仏顔の編集者さんを見上げたのでした。

さすがに6月になるとあせって、日々のページノルマを決めたのですが(スケジュール帳に書き入れていく作業。「えーっと、この日はほかの締切がないから、よし、5ページ......この日は3ページかなあ......あれ?計算が合わない......」なんていう作業をしているヒマに、やれよ!)、突発の仕事が入った上に、別の本の入稿が重なり、7月はじめには「確実に間に合わん!」といったんは腹をくくりました。「いつまでならできるか」「いつのタイミングで間に合わないというか」もんもんと悩むこと(悩んでいる間に、やれよ!)数日。

そしたら、どこかでふっきれたのか、ぐいぐい進み、間に合いました。

いや、毎回同じことの繰り返し。もう間に合わない、どうしよう間に合わない、また今日もノルマ非達成、逃げたい、国外逃亡したい............(2週間後)あれ? 終わった! 最後の3分の1は、いつもノルマの3倍進みます。ってたって最大一日12ページだけれどね。それ以上やると、ミスが多くなるから自重。

今回も締切守ったもんね。

えらい? えらい?(トトロのメイの口調で......気色悪い)

 

今日(じゃなくてもうきのう)の夕飯は、夏野菜と鶏肉のトマト味シチュー、ロメインレタスときゅうりとししとうのピリ辛炒め、ごはん、かぼちゃの漬物。

夏はほんとに嫌いだ。

昔から嫌いだったが、去年からもっと嫌いになった。

理由は、暑すぎるから(単純)

暑いと食欲がなくなるってことはないのだが、食欲が増進する、ということもない。

ある程度意識してたくさん食べないと、たぶん冬場の3分の2くらいしか食べてないことになる。

だからやせるか、というと、そうではないのですがね。(でも夏の短パンは冬はきつくなる)

なので、ちょっと夏向きじゃないなあ、これじゃ食欲わかないかなあと思いつつ、キッシュ、ゆで豚、バーニャカウダをつくってみました。

つくるだけで汗だくで、ぐったり。すでに食欲が消え失せて、しばらく涼んでからようやく食べられました。

2008.7.23dinner.JPG
4人分でつくったキッシュを、なんと夫が半分以上一人で食べたのにびっくり。

2人前で置いておいたゆで豚を全部食べたのにもびっくり。(写真の分量を一人で食べた!)

この人はぜったいに夏バテしないだろう、と思いましたです、はい。いや、60近い人がそれだけ食べられるのは健康だってことで、ほんとありがたいことです。

 

報道されている内容からしか推し量れないのだが、立て続けに起きたいたましい事件の数々で、犯人たちが申し合わせたように、殺人をおかした動機に「親との関係がうまくいっていなかった」ことをあげている。

親との関係がうまくいっていない、というのがどういうことなのか、その言葉からはよくわからない。

親との関係がうまくいっていないことと、人を無差別に殺すことがどう結びつくのかは、もっとわからない。

だが、私はこれを読んで、子どもが自分のことを(親として)どう思っているか、について実はさほど深く考えてこなかったことにふと気づいた。

子どもは、成人したっていろいろ気になることがあるから、気づいたときにはとにかくすぐに命令口調であれこれ言うけれど、それで「うっとおしい」とか「嫌いだ」とか子どもが思うかもしれない、ということは思い及ばなかった。っていうか、そんなことを言ってくれるのは親しかいないんだから、感謝しろ、というくらいの気持ちだった。

で、そこでわいてくるのは、「これをいったら子どもに嫌われるから、やめよう」と小言をやめたら、親子関係はよくなるのだろうか、という疑問だ。

親としては、子どもにうっとおしがられる存在でいい、と思っている。少なくとも私は。

でも、子どもにとってそういう親はどうなんだろう?

いや、どうだっていんだけれどね。子どもがどう思おうが、それに迎合してごきげんとるようになってしまったら親子関係は成り立たない、とまで私は思っているから。

いろいろ注意するのも疲れるのだよ。

注意してぶーたれた顔を見るのは、もっと疲れるんだよ。

仕事している最中にふと時計を見て「早く帰って来い」とメールするのも、たいへんなんだよ。

それじゃ放っておけばいいかっていうと、それじゃダメなんだ。

放っておかないでうるさく言いつづけ、あきもしないで「わかってるよ」とぶーたれ続けて、それでやっと親子の間になにがしかの信頼関係が築かれるのだと思う......ことにしよう。

そろそろ「帰って来い」とメールしよう。

↑このページのトップヘ