Glamorous Life

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2008年12月

あと2時間半で2008年が終わります。

世界的にも、個人的にも、けっして順風満帆とは言い難かった一年でしたが、それでも個人的には(歯だの首だの故障はあったけれど)健康で、家族も元気に過ごせたことはとても感謝しています。

で、来年は(ていうか今年からもう始めてるんだけれど)新しいことに挑戦していく一年にしたいと思っています。

こういう時期だからこそ、前に出ていく気持ちを忘れないでいきたい!

 

3回かと思えば、2週間あいてしまうという不定期にもほどがある当ブログを見捨てずお越しいただきありがとうございました。

2009年がみなさまにとって、充実した1年となりますよう、心よりお祈り申し上げます。

来年はもう少し更新頻度をあげていきたいと思いますので、またお待ちしております。

 

 

天皇杯準決勝

ガンバ大阪 1-0 横浜Fマリノス

延長後半117分に山崎さんのGOALが決まった瞬間、感極まりました。

今年はいったい何回ガンバの試合で感極まり、しかもそれを演出したのがザキさんのGOALだったでしょうか。

山崎雅人くん、移籍してきてくれてほんとにありがとう! そして結婚おめでとう!

 

明日はいよいよ決勝です。

天皇杯を大阪に!

もちろん応援に行きます。

2009年、ガンバにとってどんな一年になるか。それを決めるたいせつな試合です。

それはともかく、元旦を国立でガンバを応援できるのは、ほんとしあわせです。

tennouhai.gif

 

昨日、銀行のATMにお金をおろしに行きました。

 やや込んでいるなか、ATM機の前にたどりつき、荷物をおいて、さあ、操作しようとしたところケータイが鳴りました。

 たまたま手にケータイを持っていたので即、出たら仕事関連の連絡。急ぎの仕事をやってもらえないか、できれば今日仕事納めなので、今日中に原稿をもらいたい、すみませんが、至急で、という内容。ケータイを握ったままATMを操作し「わかりました。急ぎ送ります」とか言いました。ええ、私が送るのは原稿ですがね。

 すると、警備員がすっ飛んできたのです。

 はい、ケータイでまだ私が話をしているうちに。

警備員「お客様、お振込みでございますか?」

私(ケータイを押さえて)「はい? あ、いえ、引出しです」

警備員「お引き出されたあとにお振込みですか?」

私(ケータイの人に向かって)「あ、ちょっと待ってください」

そこから警備員さんにあれこれ言われたのだと思うのですがたしかではありません。私はケータイからもワーワー言われてあせっていたので、なんかしどろもどろな返答をしてしまった気がします。あせっている私を見て、警備員さんはもっとあせった様子でした。

 私はとりあえずケータイのほうに「わかりました。すぐに送ります。はい、大丈夫です」とか言ってケータイを切りました。

警備員「お客様、テレビや新聞でご存じだと思いますが、ただいま振込み詐欺が横行しておりまして......」

 そして私はやっと、振り込め詐欺にひっかかっているおばさんとまちがわれている自分に気づいたのでした。

 銀行内にいる人みんなに注目されて、顔を真っ赤にしながらごく少額のおカネを引き出してこそこそ銀行を去ったのでした。一応、警備員さんに謝られたけれど。

 そうか、私も「振込め詐欺要注意年齢」なんだわ。っていうか、ATMの前でケータイでしゃべっていた時点で「警戒警報」だったんだわね。

先週から風邪をひいて、ちょっとよくなったと思ったらまた悪化させるという連続で、なかなかよくなりません。40代までは風邪なんかひいたことがなかったのに、ここ数年はどうもいけません。

そんなところで、今年読んだ本のなかで印象に残ったものをいくつかあげていきます。

『日本語が亡びるとき―英語の世紀の中で』

水村美苗著 河出書房新社

翻訳をやっている立場から、ここ数年ずっと「日本語とはなんだろうか?」と考え続けています。翻訳はほとんどを英語から日本語にするものです。以前は、同じ英語と呼ばれている言葉であっても、何系かもふくめてアメリカ人、イギリス人、アイルランド人それぞれの「英語」があることを意識していました。ユダヤ系アメリカ人の使う英語と、大英帝国支配下にあったアイルランドの英語とは、はっきりちがう言語だ、というくらいは私にもわかり、英語の歴史についてはちょっとは勉強してきたつもりでした。

最近、それではその英語をどんな日本語にするのがいいのか、という疑問から、そもそも私が選んでいる日本語はどういう歴史を経てこうなったのか、などと考えるようになりました。昨年、「言海」を編んだ大槻文彦氏の伝記『言葉の海へ』(高田宏著)を読んで、日本語が国語になるまでの過程を知り、『日本語の歴史』(山口仲美著)で文字ができあがった歴史を垣間見て、あらためて日本語とは何かを考える視点を得ました。

そしてこの本でした。衝撃でした。英語が公用語として使われているいま、世界のなかで日本語が置かれている立ち位置。日本語でしか表現できないもの(とくに文学)を「保護」していくことが緊急課題であること。うっすらともっていた危機感が、どんな形のものなのかを非常に明確に示された、と思いました。この本はたぶん、しばらく何回も読み返すものになると思います。

『わたしを離さないで』

カズオ・イシグロ著 土屋政雄訳

早川書房

読みながら、せつなくて、哀しくて、でもその哀しさにいつまでもひたっていたい、という気持ちにさせられ、読み終わるのがおしくてたまらない小説でした。エンタテインメントとしても秀作。まちがいなく、カズオ・イシグロの作品のなかでは、『日の名残り』につぐベストワンでしょう。

『漢字』

白川静著 岩波新書

平凡社新書『白川静』(松岡正剛著)を書評で取り上げたのがきっかけで、白川静氏がすっかりマイブームになり何冊か読みました。そのなかで、白川氏が1970年代にはじめて一般人向けに書いた本がこれ。

漢字が成り立ちを、古代中国の人たちの生活や思想に即してわかりやすく解説しています。自然観、死生観、信仰、国と王のありかたなどを漢字から読み解いていて、あらためて表意文字としての漢字のすごさを認識しました。本当におもしろい本で、あまりにもおもしろかったので言葉大好きな次女に勧めたら、めずらしく興奮して読んでました。で、いま『常用字界』(白川静著 平凡社)を居間に置いてあって、次女は何か気になる漢字があるとそれをひいて「ほっほー!」と読んでます。

『フロスト気質』

R.D.ウィングフィールド著 芹沢恵訳

創元推理文庫

上下巻にもかかわらず、ほぼ徹夜で一気読み。推理小説を読む楽しさを満喫させてくれたのはさすがフロスト警部。あまりに楽しかったので、またまたフロストシリーズを読み返しました。

そのほか、マリコさんに大量に貸していただいた東直巳のなかで『残光』がおもしろかったし、クニコさんに貸していただいたマンガのなかで小玉ユキが衝撃のおもしろさだったし、エンターテインメント系についてはまた機会があれば。

あああ、早く風邪を治さないと。

ガンバ大阪 1-0 パチューカ

得点者:山崎雅人(ガンバ)

 

準決勝の対マンチェスターユナイテッド戦後の肉体的精神的疲労が心配だったのですが、少なくとも前半はそれを感じさせない集中力のあるゲームをやっていました、ガンバは。ただし、後半はぐでぐで。足が重そうだった。

何度も決定的なチャンスをつくるなかで、ついに生まれた山崎くんのGOAL! これが最終的に決勝点になりました。

山崎くん、すごいな。移籍してきてくれて、ほんとにほんとにありがとう。どうしても得点がほしいときに、必ず点をとってくれました。

今年8点(!)とった外国チーム相手の山崎君の得点のなかで、忘れられないのは、アウェイ、チョンブリ戦で交替してファーストタッチでとったヘディングゴール。

シリアまで遠征して、アル・カラマ戦で決めたGOAL!

そして、「赤い悪魔」のお怒りをかきたてた1点目の見事なGOAL!

たぶん、どれも全部一生忘れられないと思います。おおげさでなく。

試合は、パチューカもばてばてだったおかげでその1点を守りきってなんとか勝利。終わった瞬間、みんな喜んではいたけれど、どちらかといえば「疲れ果てました」という表情でした。

まだ天皇杯で優勝して来年もACLに出場する望みが残っていますが、どうかなー。たぶんヤットと監督は「優勝するのは義務」とか思っているのだろうけれど、あとのメンツがそれについていけるかどうかが問題です。とくにケガを抱えながらがんばってきた明神先生と二川大先生はもしかすると天皇杯に出場することさえ無理かも。

今年、ACLに再挑戦し、運も味方につけて優勝し、CWCに出場して世界一のチームとも対戦して3位になり、いま思うことは2つ。

ひとつ。よくぞ、選手層の薄いなかでここまでできた! 

今年は開幕時から厳しかった。代表に5人もとられ、チーム作りがまったくできない状態でJリーグ開幕。開幕時から加地を怪我で欠き、ACLの初戦もまさかの引き分け。へたれ水本とストライカーのバレーがシーズン中に移籍。バンちゃんとヤットが病気で長期離脱。その期間の頼みの二川もケガ。オリンピックにいった安田もケガ。悪夢の10試合勝ちなし。

でも、そのなかでこれまでのガンバにはなかった「ゼロトップ」(勝手に名付けた)のスタイルが編み出され発動。中盤の構成力は随一なんだから、中盤で点をとっちゃおう、という考え方みたいで(勝手に考えた)、ヤットがすごく点にからむようになって息を吹き返した。

あと、佐々木と山崎と、なんといってもルーカスという移籍してきた選手が活躍してくれました。3人とも迷いはいろいろあったようですが、最終的に持ち味を存分に生かしてこれまでのガンバにはない味を出してくれました。

とはいってもです。はっきり言うと、選手層はおそろしいほどに薄かったです。期待していた若手の台頭もついに見られず、監督もつらかったのではないかと。

だからこそ、今年のガンバのACL優勝には価値がある、と思いました。能力が抜きんでた選手が大勢いたチームがとった優勝ではわけはない。日本人が大半のチームで、チームとしてとった優勝です。ヤットがインタビューのたびに「サッカーは11人プラスサブや監督やスタッフ全員でやるもの。誰かがいるから勝てる、というものではない」という意味が、ようやく実感としてわかりました。

ふたつ。チームがめざすべきものがはっきりした、ということ。

それはもちろんリーグ優勝だったり、ACL優勝だったり、CWC優勝だったりというタイトル獲得ではあるのですが、それ以上に、ガンバがめざしているのは「ガンバ・スタイル」だというのを、内外ともにはっきり示せたのが今年だったのではないか、と思います。

簡単に言ってしまうと、パスをつないでGOALを奪う、というのがガンバスタイル。

必ずしもそうでないスタイルも多いし(がちがちに守ってカウンターとか、ロングボールを放り込んで強力ストライカーに一発たたきこませるとか)、相手によって戦い方を変える、というチームも多いなかで、世界一のチームに対しても、J2に対しても、はては高校生に対しても同じスタイルで戦うのがガンバ。

監督以下、全員が「相手がどこであれ、ガンバのスタイルで試合をします」と言い続け、そのとおりにやってのけ、通用するところがあると思わせた。それが、今年のACLであり、CWC3位でした。

他チームのサポの方に「ACLは本当に楽しいです。自分が応援しているチームが、スタイルをどんどん洗練させていって、自分たちはこういうサッカーをする、という意図を明確にしていく過程が見えます。それはもう本当に楽しい!」と言ってます。Jリーグでももちろんそれは見えることもあるのですが、まったく知らないチームと試合をすることにより、よりはっきりスタイルがつくられていくのではないか、と思うのですね。

来年、ガンバがまたACLに出場できるかどうかは5分5分だけど、でも、出場できたらきっともっとガンバスタイルは磨かれていくだろう、と期待です。

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