Glamorous Life

グラマラスライフ 実川元子オフィシャルサイト おもしろい本、どきどきする試合や映画、わくわくする服に出会えたら最高に幸せ

2011年10月

9月末から11月初めまで、一年中で一番好きな季節です。苦手な暑い夏が終わり、家事全般も楽しくなってきますよね。(注:「よね」と同意を求めている対象は、たぶん我が家にいるほかの家族たちです)キッチンに立つのも楽しいし、きれいに晴れるからどんどん洗濯したくなるし、汗をあまりかかないから掃除も気分よくできる。でしょ?(とあらためて同意を求める)

洗濯物を干しながら、庭(というか雑草生い茂る猫の遊び場)の金木犀の香りを楽しんだり、青空と雲を眺めたり、虫の声を聞いたりするひとときまでもが楽しい。日焼け止めクリームを塗って、帽子かぶってそそくさと干していた夏が遠く感じられます。一年中こういう季節だったらいいんだけれど。世界のどこかに「一年中日本の10月」っていう場所はないものだろうか? 移住したいです。

季節がよくなったせいか、いろんなことに対する意欲が少しずつ戻ってきている気がします。この七ヵ月間、現実から逃げていたところがあったのですが、また立ち向かわなくちゃと重い腰を上げています。

さて、明日は埼玉スタジアムでナビスコカップの準決勝、対浦和レッズ戦です。1週間前に戦ったばかりの相手ですが、今度は1週間前のようにはいかないでしょう。覚悟をして臨まねば。(ナビスコカップ準々決勝はTV観戦だったのですが、大雨で画像が今一つだったので「フタがすごすぎる!」というのと「ハッシー、おかえり!」という感想だけを記しておきます。

 

ガンバ大阪 1-0 浦和レッズ

得点者:イグノ(ガンバ)

 

 この試合はぜったいに現地で観戦する、と決めていたので、早々と3ヵ月以上前から予定を組んでいました。ですが、その時点でまさかガンバが首位に立ち、レッズが降格圏内に接近しているとは夢にも思いませんでしたよ。

 試合前には20年間のガンバ・ベストゴールとベスト11を発表。去年の浦和戦でのヤットのロスタイム決勝弾が1位とは! やりますなー>演出。ちなみにその中で私がナマで見たのは、もちろん1位のこのゴール以外では、フタのVS鹿島戦、VS柏戦、宇佐美のVS大宮戦、マグノアウベスの2006年VS京都戦、アラウージョのVS横浜Fマリノス戦、VS川崎戦、ツネさんのVS川崎戦、ヤットのVS川崎戦と、2007年のVSジェフ千葉戦のFK、安田のVSセレッソ戦、えーっとあとが思い出せない。もう少し見たような気がします。同志ざぶろうさんはほとんど見ているはず。リーグ戦だけに限られているので、ほかにも印象的なGOALはいっぱいありますよね。昔を振り返ってとってもなつかしかったです。

 そのあとのヘリコプターからボールを落とすのに失敗する、という以外は、全部「盛り上げまっせー」という演出に素直に乗れて楽しかった。

 しかしその一方で「こんだけ盛り上げて、試合に負けたらどないすんねん!」という不安がどんどんつのり、胃が痛くなり、のどがやたらとかわき、隣を見たらざぶろうさん親子が蒼い顔で黙りこくっていて、ますます緊張が高まり......ラフィーニャが外しまくったおかげでハーフタイムもふくめて2時間、しんどかったです。

 勝敗はともかく、神戸移籍が報じられたためか、それとも20年のベストイレブンに選ばれたためか、結婚が間近なのか、フタさんが「ファンタースティック!」と叫びたくなる魅惑のプレイを45分間は魅せてくれて、20周年記念試合に色を添えてくれたのがうれしかったです。フタさん、ガンバに骨をうずめてください。お願いします。

 そしてハッシーが戻ってきたこともうれしかったな。っていうか、イグノのGOAL以上にハッシー登場で盛り上がるゴール裏ってどうよw

 万博で私が観戦すると引き分けや敗戦だったので、久しぶりのワニナレナニワでした。ほっとしましたよ。

 さて、リーグも残り6戦。一つずつ、大事に大事に戦っていってほしいです。

(対戦した浦和さんのことについてはあえてふれません。試合前後にずっと頭のあかにあったのが、2007年の真夏の万博で0-1で敗れた試合のことでした。スコアは同じ1-0でしたが、内容の差はほんとに大きかった。4年間、いろいろあったよね、お互いに、と思いました)

サッカー日本代表監督、アルベルト・ザッケローニ氏を取材した記事がWebでアップされました。

http://dignio.nikkeibp.co.jp/interview/

ザッケローニさんは紳士で折り目正しいすてきな方でした。好感度アップです。

インタビューは通訳さんの力も大きく、録音を聞きなおして「なーるほどね」と感心することしきりでした。

どうか順調に日本代表チームが「成長」していくことを願っています。

 

 

 久々に読書話など。

 といっても、読書量はさほど多くなかった夏でした。イタリアに行くためのガイドブック、旅行記、歴史本などが多かったためかな。

 その中で一番役立ち、旅をいっそうおもしろくしてくれたのがこの本!

『物語 イタリアの歴史』 『物語 イタリアの歴史Ⅱ』 

藤沢道郎著 中公新書

 古代ローマから統一にいたるまでの歴史を、人物にスポットをあてて物語風に書く、というのは、たぶんモンタネッリの手法にならっているのかもしれませんが、藤沢先生が訳されたモンタネッリの歴史書よりも、ご自身でお書きになったほうがずーっとおもしろい!! この2冊でイタリアだけでなく、近代以前のヨーロッパの歴史がつかめます。

 ちなみに私は中公新書の「物語」歴史書シリーズが好きで、旅行に行く前には読むことにしているのですが、藤沢先生のこのイタリアの物語を越える本にはまだ出会っていません。

『背教者ユリアヌス』

辻邦夫著 中公文庫(上下)

上述の『物語 イタリアの歴史』でも登場するユリアヌス帝を主人公とする物語。紀元4世紀、355年にローマ皇帝に即位したユリアヌスは、ギリシャ、ローマの古代の神々に傾倒し、キリスト教の優遇をとりやめようとしたので「背教者」と呼ばれました。コンスタンティノープル(現イスタンブール)で生れ、アテネに留学して教育を受けた皇帝にとって、キリスト教こそ異教だったわけで、当時の(今もですが)宗教と政治の対立と葛藤が辻邦夫氏の筆力でぐいぐい読ませる小説になっています。

私は大学2年の時、フランス語科の先輩に借りて読みました。読み始めるとやめられなくなり、徹夜はもちろん、授業中も読み続けて目がはれたのを覚えています。

辻氏が亡くなられたあと、文庫本になったのをなつかしくて買っておいたのを今回の旅行を機に再読してみました。感動は当時i以上だったかな。昔は単に皇帝とその周囲の人物だけに集中していたのが、年取ってくると別の視点で読めるようになっておもしろいです。

『ナポリの肖像』

澤井繁男著 中公文庫

以前に神保町の古本屋で見つけて購入。ところが、購入したのをすっかり忘れていて、旅行前にあわててアマゾンでまた買っちゃった、という大バカ者です。旅行前にはカタカナの人名が頭に入ってこず、すらすらと読めなかったのだけれど、旅行後にはあっさり読めました。現地を知ると頭の中に地図と歴史が入りやすい。しかし、入ってきやすかったのはルネサンス以降ですな。その前の異民族が押し寄せていたころのイタリア半島の歴史はごちゃごちゃのまま整理されていません。

『ハドリアヌス帝の回想』

ユルスナール著 多田智満子訳 白水社

これも再読。以前にこの本を手に取ったのは、須賀敦子さんの『ユルスナールの靴』を読んだからなのだけれど、藤沢先生の本に取り上げられていたハドリアヌス帝の話を読んだあとに読むと、この皇帝の孤独と鬱が理解できて、文学書というよりも歴史人物としてのおもしろさがわかります。

と、ここでイタリアとはまったく関係のない本。

『コンニャク屋漂流記』

星野博美著 文藝春秋

これはおもしろい! 星野さんの本の中で一番好きかも。くすくす笑い、ほろっとして、読み終わったあとに本を閉じたとき、胸にあったかいものが湧き上がってきます。今年のベスト10には確実に入るな。

『景福宮の秘密コード』

イ・ジョンミョン著 河出書房新社

書評で取り上げましたけれど、ここでもご紹介。ハングルを制定した李氏朝鮮の世宗大王がおさめていたときを舞台にした歴史ミステリー。明の朝貢国家だった李朝が、漢字ではなく、自分たちがふだん使っている言葉をそのまま表現できる文字を持とうとしたときにおこる葛藤を、景福宮内で起こった連続殺人事件にからめて描いています。

韓国ではもうテレビドラマが始まっていて、私の好きなハン・ソッキュが出ているそうです。観たいなあ。

 

さて、今日から10月。私が一年のうちで一番好きな月です。気候がいいし、食べ物がおいしいから。

そして明日、ガンバはクラブ創設20周年記念試合と称して浦和レッズと対戦します。銘打った試合に限ってろくでもないことをしかねないガンバさん。もう今から胃が重いです。私ももう泣いたり怒らせたりしないでね。気持ちのいい月の始まりなのだから。

 

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