Glamorous Life

グラマラスライフ 実川元子オフィシャルサイト おもしろい本、どきどきする試合や映画、わくわくする服に出会えたら最高に幸せ

2013年04月

前半10分を過ぎたあたりから、いらいら、はらはら、ふつふつ、かっかっとくるものがちょうど丹田のあたりから湧き起こってきて、後半はiPodでショパンを聴いて気持ちをまぎらわせながら、やっと観戦している状態。 で、いまだにガンバのみなさんに対する怒りがおさまらないので、試合を振り返っての更新はあらためてここに加筆します。 ただ私は以下の居残り罰を命じたい。 丹羽くん、グラウンド30周。 家長くん、北摂地域2周(当然時速10キロで、時折ダッシュも入れること) 二川くん、家のランニングマシーンで1時間(ゆっくり休んで回復することもプロの仕事だよ)、 そして長谷川くん(今日はくん付け) 脳トレ2時間 ほかもいろいろ命じたいけれど、今日はこのあたりにしといたるわ。

4−0でガンバ圧勝。 圧勝、完勝と言っていい内容と結果だと思います。なんせ、4試合連続完封ですよ。電光掲示板に輝く相手チーム得点「0」の文字を穴のあくほど見つめてしまいます。しかも、昨日の試合に関しては「きゃー、あぶなーい」というシーンもまた「0」。相手側シュート数はガンバとほとんど変わらなかったのですが、枠内はなかったんじゃないかな。藤ヶ谷さん、お暇そうでした。 反対に、お尻がむずむずすることこの上ない試合。思わず座り直したのが、実況アナウンサーのお言葉。 「さあ、富山、ガンバの鉄壁の守備を崩せるでしょうか」 「ガンバの安定して落ち着いた守りに、富山はつけいる隙がありません」 この10年、いや、15年聞いたことがないお褒めのお言葉でござりまする。 「しゅびってどういう意味ですかぁ、せんせーい、いや、監督〜」という状態で過ごしてきたこの10数年あまり。「守備」を全部ひっくるめて、「攻撃」という紐でくくってリサイクルに出していたようなサッカーをしていたガンバさんに慣らされたサポとしては、今の完封勝ちがこそばゆい、落ち着かない。いや、落ち着こうよ、もとこさん、これが普通なんだって。 中でも私を落ち着かなくさせるのが、家長選手の守備です。最近では、「家長選手、守備で大いに貢献しています。家長選手の守備があるからこそ、レアンドロ選手や倉田選手が躍動できるんですよね」(by実況アナウンサー)というガンバサポなら誰もが耳を疑うような惨事、いや、賛辞を聞きます。 家長の守備。それは、のそのそ「しゃあないなあ、ほならボールとったるで、このへんで(ペナルティエリア外ぎりぎり)取らな、監督やヤットさんがうるさいからなぁ」という後出しジャンケンみたいなタックル(と言えるかどうかは私にはよくわからないボール奪取)から始まります。しかも相手どころか味方も、せわしなくステップを踏んで相手のパスコースだかシュートコースだかを消そうとしている集団の中で、ただ一人、家長さんだけ異次元、異空間のリズムで歩く(!)もしくは重心を地上から50センチのところに落として立っているだけ。どっしり根が生えたようにその場に立ったままなのに、なぜかボールは彼の足下へと移動......あれ? ボール、いつ取った? んでもって、相手どころか味方もあざむく独特のリズムのドリブルにフェイント。あわてて相手が2人がかりで囲んでも、なぜか家長さんの足下からボールは動きません。 わからないっ、誰か教えてください! あれは、あれは、何なんですか? 守備、じゃないよね? 少なくとも、サッカーの教科書に載っている「ディフェンス」の定石じゃないですよね? 一つ言えるのは、守備だけではなく、家長選手のプレイに「常識」は通用しないってことです。そしてそこに、対戦相手はものすごく苛立ち、腹が立つ。いやいや、対戦相手だけではない。ときには味方チームメイトも苛立ち、「もうちょっとなんとかならんのか、アキ。お前はもっとできるはずやろ」と言いたくなる。いやいや、チームメイトだけではなく、サポーターにも「アキ、お前は天才なのか天災なのかわからん」と言わせる(言ってるのは私だけかも)。 7月にはマジョルカに戻るとか言われています。私には正直、家長選手にとって今のガンバにいるのがいいのかどうかわからない。ただ一つ言えるのは、彼のプレイにもう少しイライラ、ハラハラ、ドキドキ、たまにワクワクしていたいってことかなぁ。 最後に。昨日、試合を見ながらふと気づきましたよ。 「も、もしかして、私、倉田秋に恋してるかも〜(はーとまーく)」 きゃーきゃーきゃー、おばはんに何告白させるねん、倉田シュウ! お礼はゴールでいいからねっ(はーとまーく×100)

4月17日(水)に万博で行なわれた松本山雅戦。 前半4分、藤春のクロスからレアンドロにつなごうとしたところで、相手がクリアをゴールに押し込む、というオウンゴール。これを守りきって1−0で勝利。 3戦連続完封って、それはもうなんというか......いや、どう言ったらいいのか......。得点力不足を嘆けばいいのか、それとも守備力向上を喜べばいいのかがわかりません。 そうこう言っているうちに、もう今日は富山戦。富山に行きたい! と思って何回もコースを探ったのですが、富山、えらく遠い! 16時からのゲームだと、どうやってもその日のうちに東京に帰ってこられないんです。せめて14時からにしてほしい、と思ったけれど、そうすると今度はたどりつけない、と。遠い。遠いよ、富山。 あきらめて今から出かけます。生テレビ観戦もかなわないので、またもや頼りは同志の実況メール。 勝て勝て勝て勝て、アウェイやぞ!



GILT本.jpeg
「GILTーITとファッションで世界を変える私たちの起業ストーリー」
アレクシス・メイバンク
アレクサンドラ・ウィルキス・ウィルソン著
実川元子訳
日経BP

 高級ブランドのファッション製品から、リッチなリゾート滞在やゴージャスなディナーまで、格安価格でネット販売するギルト。2007年創業以来、めざましい成長を遂げて、会員を500万人まで増やし、日本でも展開しているギルト・グループの起業ストーリーを、創業者の2人、アレクシスとアレクサンドラが語ります。
 ハーバード大学の同窓生だった2人が再会したのは、イーベイやメリルリンチなどで働いた後、人生を仕切り直したくてハーバード・ビジネススクールに入学したとき。アレクシスは学部時代にアルゼンチンに留学体験があり、アレクサンドラは中米をルーツとしている関係で何回もブラジルなどを旅行していたことから、2人は親しくなります。また2人ともファッション大好き。とくに高級ブランドのバーゲン漁りには、連れ立って何回も出かけました。
 卒業後、アレクシスはAOLを経てIT関連で起業をしようとし、アレクサンドラは大好きなファッション業界(ルイ・ヴィトンからブルガリ)へと別の進路を歩みます。でも、それぞれ挫折を味わっていたとき、共通の趣味だった高級ブランドのサンプルバーゲン巡りをネットで展開しようと起業します。
 最初は彼女たちに加えて、技術担当の男性2人と経営担当1人の5人だった会社は、2007年末の立ち上げから3年半後には従業員900人を抱える企業へと発展。大成功へのストーリーを、2人の女性たちがこれから起業したい人たちへのアドバイスとして語ります。
 才色兼備の2人ですが、成功を手にするまでには周到な下準備を積み重ねます。2007年当時、まだアメリカでもファッション製品のネット販売はほとんど展開されていませんでした。とくに、高級ブランドにはネットへの不信感が強く、価格を下げての販売を説得するためにはたいへんな苦労がありました。説得の決め手となったのは、アレクサンドラの人脈力と、2人の時代と市場を読む眼の確かさです。実際、2008年のリーマンショック時に彼女たちに救われたデザイナーブランドが多くありました。
 起業家だけでなく、日々の仕事にも活かせるヒントがたくさんあります。たとえば、顧客獲得のためのバイラル・マーケティングの手法、人脈作りの基本、資金調達の決め手となるタイミングとプレゼン方法などは、明日からでも役立つはず。
 また成功したビジネス・ウーマンとしてのキャリアの築き方と家庭との両立の仕方(2人とも結婚して子供がいる)も、女性たちはもちろん、イクメンたちにもヒントがたくさん見つかるでしょう。
 私はあまり好きではないお勧め文句ですが、とても「読みやすい」です。それは2人の語り口が、率直だから。奇をてらった表現をしないし、失敗は失敗として素直に書いています。自信があるからでしょうね。それに楽しく読める本です。気軽に手に取ってくださいませ。




GILT(ギルト)
アレクシス メイバンク
日経BP社
2013-08-12



オイル本.jpeg
  「エキストラバージンの嘘と真実」 
トム・ミューラー著  実川元子訳  日経BP

 

 昨年11月末に出た本なのですが、うまくアップできなかったためにあらためて記事をあげます。
 また、日本がTPP参加を表明した後、とくに農業製品について強い危惧を覚えたので、「人が口に入れる製品をグローバル化する上では、どんな覚悟が必要か」を問い直してもらいたくて、この時期に再度載せることにしました。こと食べるものに関して、価格が安ければいいじゃないか、という考え方では、社会は衰退するのではないか、とさえ思います。取り上げているのは、オリーブオイルという私たち日本人にはあまりなじみのない食品ではありますが、これはそのまま主食である米やパンにも通じる危機です。

 以下、本の紹介です。

 南欧の人々が浴びるようにオリーブオイルを摂取しているにもかかわらず、心臓疾患の罹患率が驚くほど低いことに気づいた米国の医師が、オリーブオイルの効能に着目して「地中海式食事法」を唱えてからすでに半世紀近く。同じアブラでも、バター等の動物性脂肪と違って、オリーブオイルには血液をサラサラにし、抗酸化作用があるために心臓病や脳卒中、がんを予防する効果があるだけでなく、老化を遅らせる効果もあること
が科学的に明らかになっています。
 ところが、オリーブオイルと表示されて販売されていれば、どんなものでも十分にそんな効能があるわけではありません。質の悪いオリーブオイルにはそんな健康効果は薄いし、それどころか摂りすぎると健康を害するリスクさえ高めかねません。
 イタリア、リグーリア州でオリーブ園を営むほどオリーブオイルに魅せられたジャーナリストである著者は、オリーブオイルをつくることがいかに手間ひまがかかり、オイルが製造して直後から品質が劣化し始めることを知って、なぜこれだけ多くの「エキストラバージン」が安価に世界中で売られているのかに疑問を持ちます。そして調べて行くうちにわかった驚愕の真実! 
 たとえば、イタリア産エキストラバージンと称するものの約6割はイタリアで生産されていないばかりか、エキストラバージンの規準をまったく充たしていない。それどころか、オリーブオイルでさえもないアブラ(たとえばヘーゼルナッツオイルや菜種油)に平気で「EXバージンオリーブオイル」とラベルがつけられ、私たちの近くにあるスーパーで安売りされているのです。
 品質がいくらよくても、価格競争に負ければ生産業者は廃業せざるを得ません。現在、イタリアでは価格競争に負けて廃業するオリーブオイル生産業者があとを絶ちません。企業努力が足りない? もちろんそれもあります。でも、潤沢な資金力を持ち、近代的設備を整え、しかも品質を守ろうとするする良心的な生産業者でも、現状では廃業の危機にあるのです。
 なぜなら、「価格競争」が公正に行なわれていないから。偽装という不正のもとでの「価格競争」で負けたとしたら、そのツケを支払うのは生産業者だけではなく、私たち消費者なのです。TPP参加を決めたというのであれば、日本政府はよくよくそのことを肝に銘じてほしい。譲れない品質基準がある、ということをはっきり示せるのか?(ちなみにアメリカの食品の品質基準と検査ほどいい加減なものはない、と本書にあります。そもそも検査も規準もロビイストの一声でいくらでもどうにもなる、らしい)。農薬をふんだんに使っている米や麦に「オーガニック」と平気で書いてあっても、それを見破り、輸入しないという覚悟はあるのか、と問いたい。本書は、オリーブオイルという一製品に限りません。「グローバル化」という競争の勝ち負けは、私たち消費者に露骨に跳ね返ってくるのです。

 という話はさておき、本書は、偽装問題に斬り込むだけではありません。
 なぜオリーブオイルが人体によいのかについての科学的研究についても詳述されています。少しややこしいけれど、簡単に言ってしまえば、正しいオリーブオイルを摂取することで、血液はサラサラになるし、心臓病や脳梗塞の予防になるし、癌も防げるということがわかります(それだけわかればいいよね)
 また、4000年以上前から人類が灯り用に、また薬や食用として珍重してきたオリーブオイルの歴史についての多くのページが割かれるだけでなく、聖書や文学作品の中でのオリーブオイルの扱われ方についてもふれられています。いわばオリーブオイルの文化史と言ってもよい。
 さらには、正しいオリーブオイルの選び方から、現在販売されているオリーブオイルのおすすめブランド、購入できる店まで紹介されているオリーブオイル事典でもあります。
(ちなみに、オリーブオイルは試飲すべきです。最近では、専門店で、また伊勢丹地下食品売場などに設けられたオリーブオイルコーナーでは試飲ができます。良いオリーブオイルは、においをかいだときに青くさい植物の香りがして、口に含むとべたついた感じがないかわりに苦みがあり、飲み込んだときに思わず咳き込むほどの刺激があります。甘くてまろやかなものは品質が悪い、と思ってまちがいない)
これを読めば、食生活はもっと健康に楽しくなること間違いなし!(ま、少し怖くなりますけれどね)



 
エキストラバージンの嘘と真実
トム ミューラー
日経BP社
2013-08-12

 

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