Glamorous Life

グラマラスライフ 実川元子オフィシャルサイト おもしろい本、どきどきする試合や映画、わくわくする服に出会えたら最高に幸せ

2013年10月

その3まで来たというのに、まだ旅行2日目の記録が終わっていません。はたして10日目まで行くのでしょうか? 9月21日、夕方にコルドバで車を借りたとき、当然ながらGPSもつけてもらいました。EuropCarのお姉さんに「GPSの使い方を教えて」と頼んだら、「私はまーったくGPSのことを知らないので聞かないで」という。「念のために高速道路に乗るまでの道を教えて」と頼んだら、「ここを右側に出て、街の外側を走る循環路を右側に曲がる。ぐるっと回ってロータリーがあるから、そこの標識をセビージャの方向に......」とか言う。夫が「地図を描いて」と頼んだら、「地図、無理」という手に無理やりペンを握らせると、四角(駅)と丸い大きな円(街を囲む外周循環道路)とバツ印(高速に乗るロータリーがあるところ)のみ。唖然。  仕方ない、行ってみよう、とGPSを設定して車を動かすと、なんとイタリア語をお話しになる。イタリア語だとわかるまでにどこかわからないところに進んでしまい、後ろからクラクションを鳴らされながら車をとめて必死に英語設定を試みるも失敗。このとき、この日二度目の冷や汗が全員の背中に......。 駅に戻って、タクシーの運転手を「助けて!」(→このスペイン語だけは完璧)と叫んで車まで呼び寄せ、言語設定をしてもらいました。ありがとう、グラシアス、ピンクのシャツの運転手さん。 ひたすら地平線を眺めながら、2時間高速道路を走り、2時間ほどでカルモナに到着。 th_DSC04523.jpg カルモナは小高い丘の上にある小さな城塞都市。宿泊先のパラドールは、城塞の西側の端にあり、すばらしく見晴らしのいいところです。 th_DSC04552.jpg th_DSC04544.jpg 城壁の隙間から、平原が望めます。 th_DSC04580.jpg パラドールは城塞を守った貴族の館で、イスラム風建築。建物は美しく、部屋は趣があり、窓からの景色はすばらしい。 th_DSC04551.jpg ディナーはパラドールのレストランでとりました。......うーん、イマイチだったかなあ。私はメインディッシュに魚を選んだのですが、家でつくる鯵のフライのほうがおいしかった。 th_DSC04535.jpg この日は中秋の名月......か? ディナーが終わって外のテラスに出ると、神々しいばかりの美しい月が輝いていました。ネオンもビルもない丘陵地帯に、銀色の月。こういう景色を見るために、旅に出ているのかもしれません。 th_DSC04540.jpg 9月22日、旅行3日目は日曜日。 ミサの時間を報せる教会の鐘が聞こえる中、朝食後にカルモナの街を散策しました。街は静かで、路地のような道を歩いている人はほとんど見かけません。みんなどこに行っているのかな? th_DSC04555.jpg 教会広場前にも誰もいません......。 th_DSC04558.jpg と思ったら、広場のベンチにはおしゃべりを楽しむアッパー60のおじさまたちが大勢。友人が数えたところ、25人中女性は4、5人しかいません。子ども4人をのぞくと、あとは全員おじ(い)さまたち。ものすごく一生懸命おしゃべりしているおじ(い)さまたちは、きっと孤独な老後、とか、ボケとかとも無縁なんでしょうね。 th_DSC04564.jpg 女性たちは何をしているかというと、中庭の手入れです。アンダルシアの家の構造は、入口から入ったところに中庭があり、そこに花や木を植えて美しさを競い合う、らしい。中庭は家と一続きと考えられ、暑い日中でもそこで涼みながらくつろぐ、とこれはガイドブックの受け売りですが、実際に熱心に手入れに励む家に行き当たり、Bonita! とほめると、シニョーラがGracias! と返してくれました。その間、家の中から夫らしき男性が電話でずーっとおしゃべりを楽しむ声も聞こえてきて、男はおしゃべり、女は庭仕事の分担を実感。 th_DSC04570.jpg カルモナ散策後、車で40分ほどでセビージャに到着。 セビージャまでは快適だったのですよ。でも、借りたアパルタメントスに行こうとしたら、道路があまりに狭すぎて、 GPSが指示する右折がとてもできず、ぐるぐる回ってやっと行き着いた、さあ、駐車場に入れようとしたら、前になぜか女性が立ちはだかって「ここは契約者じゃないとダメ。とにかくダメダメダメ」と言い張るので、またぐるぐる回り続けることに。住所近くの舗道に乗り上げて待ってもらっている間に、私がアパルタメントスに電話をかけ、駐車場に入る鍵をもらい、道を教えてもらって大騒ぎの挙げ句にやっと入ることができました。ふ〜。 アパート前の交差点、テンパ・ムセオ。奥に見えるのは現代美術の質の高い美術館だそうです。この前の狭い道路を、なんとバスが走り抜けていくのです。すごい! th_DSC04904.jpg アパート前の道路。狭い! th_DSC04902.jpg 荷物を置いて、午後から炎天下をセビージャ探検に出かけました。 セビージャ、新しさと旧さが入り交じったエキセントリックな街でした。 どれだけ面白いか、についてはつぎの記事で。

さてさて、9月21日朝9時に、マドリード、アトーチャ駅始発のAVEに乗ってコルドバに向かいました。 アトーチャ駅までプレシアド通りからどんなにかかっても20分で行く、とホテルの人はいうのですが、不安なので1時間前にタクシーを予約し、朝ご飯を食べようとロビーに下りて行ったら「朝食は8時からです」。え? 8時からって、そんな遅い時間に? と思ったけれどそこはスペインの生活時間なんでしょう。朝食分を引いてもらって清算し、タクシーに乗り込みました。 このときの私たちは、何でもかんでも疑心暗鬼。タクシーの運転手がえらく遠回りをしているような気がしてなりません。前日にアトーチャ駅の場所を確かめておいた私たちからすると、「なんでそこを右折しない?」「なんでトンネルに入る」と後部座席からうるさいうるさい! しかし、その後スペインのほかの街を車で走った結論として「一方通行が多いから、遠回りになる」「タクシーの運転手はぼっていない」......。というか、スペインはどこもチップがいらなくて、タクシーはぼらなくて、正直者が多いってわかりましたよ。これからスペインに行く人、信じてあげてね。

th_DSC04434.jpg
写真はAVEの車内から、途中駅を撮ったもの。車窓の景色は、まあまあでした。

清潔で、揺れも少なく、快適な1時間半の鉄道の旅を楽しみ、下りたコルドバ駅も建て替えられてあまりたっていないそうで、近代的。私たちが車を借りるレンタカー事務所は遠距離バスの発着所にある、といいます。それがわかるまで駅周辺を私は2周くらいランニングしましたよ(汗だく) スペインは店もオフィスも14時から16時、17時まで閉鎖します。まあ、それも無理はないほど暑い! この日も35度超えで、まさに酷暑。外を歩いているのは、観光客とそれを接待(?)するレストランのボーイたちくらいです。本当はもう少し早い時間にコルドバを出たかったけれど、レンタカーのオフィスが閉まっているのでは仕方ない。そこで、高速バス発着所の薄暗いコインロッカーに荷物を預けて、17時までコルドバを観光することにしました。
コインロッカーは売店でトークンを買い、それを入れて鍵をかけます。トランクが重かったので、私は入口付近のロッカーに預けたのですが、後で振り返ればその位置がまずかった。

それはさておき、コルドバ観光のメインスポットは「メスキータ」。それを中心にした旧市街のフデリア(ユダヤ人街)。イベリア半島を支配したローマ帝国属州の、また8世紀初めからは後ウマイヤ朝の首都が置かれたこの街は、ローマ、イスラムそれぞれの知と富の中心地として栄えたそうです。元は壮大なモスクだったメスキータは、13世紀のレコンキスタ後、バロック、ゴシック建築のカテドラルに改装されたのですが、全面改装とはいかず、今も当時のモスクの柱が残っています。

th_DSC04467.jpg
メスキータ入場料は8ユーロ。その前のしょぼい教会の見学に3ユーロとられたことがあり、私たちは口を揃えて「安い!」。1000円出す価値はありますぜ。
th_DSC04476.jpg 何せ広い! 野球グラウンドの2倍あり、そこに1200本の白と赤の柱が林立しているのは壮観。一見の価値があります。 th_DSC04496.jpg フデリアは人が2人並んで通っていっぱい、という路地が入り組んでいて、歩いているだけで楽しい。カテドラル周辺はお土産物屋やファストフードショップが軒を並べて、観光客であふれかえっていますが、少し離れると人が少なく、散策が楽しめます。 th_DSC04452.jpg でも、フデリア内にある謎の教会は、6畳くらいしかない内部に、修復中の壁画があるだけなのに3ユーロもとるので入る必要なし。入口にある巨大ヤシの木を眺めるだけで十分。 th_DSC04519.jpg
th_DSC04516.jpg 旧市街を出たところにあるカフェでビールと昼食をとり、近くのアルカサルを見学。アルカサルの塔の上からは、メスキータとコルドバの街、悠々と流れるグアダルキビル川の絶景が眺められます。行く価値あり。

駅に戻って、レンタカーを借り、宿泊先であるカルモナという小さな街のパラドール(国営ホテル)に出発することにしました。 夫が手続きをしている間、私たちはロッカーの荷物を出すことに。 ところが、私が鍵をあけると、中は空っぽ!!! 入ってすぐの一番下、と覚えやすい位置にあるロッカーだし、鍵の番号も合っている。なのに、荷物はない! 真っ青になり、駅員にすぐに言いに行こうと構内を走り出したら、向こうから警備員がやってきて"Easy, easy"と英語でなだめられました。 彼によれば、コインロッカーに荷物を預けようとした青年(警備員の横に立っていた)が、私のトランクとバッグが外に引きずり出されているのを発見し、すぐに警備員に知らせたとか。「鍵がちゃんとかかってなかったんだよ」と言うのですが、私はトークンが落ちる音も聞いたし、一応鍵がかかっているか確かめもした。そう言うと「簡単にあいちゃうロッカーもあるんだよね」という。「だからときどき見回っているんだ」......見回りよりも、ロッカーを修理するほうがよくないですか? 「全部ちゃんとあるかどうか確かめて」と言われたのですが、鍵のかかっていたトランクはこじあけられた様子はなく、また書類を入れていたバッグも中を引っ掻き回された様子はあったものの、金目のものが何も入っていなかったためか、取られたものはありませんでした。 教訓:駅のロッカーに荷物を預けるのは危険。 冷や汗をかいたものの、とにかくすべて無事だということで胸をなで下し、私たちはカルモナ目指して車を走らせたのでした。と言いたいところですが、到着までにまたひと騒動あり。それは次回。

th_DSC04915.jpg 画像はスペインの高速道路脇にときどきぬっと姿を現す黒い牛の看板。文字が何も書かれておらず、しかも不定期に現れるあれは何? と車内で議論になりました。 ①眠気覚ましのために道路管理局が立てている、②スペインいい国一度はおいで、という観光用宣伝(スペインの国を象徴する動物は牛だから)、③スペイン人なら誰でも知っているワインかオリーブオイルの企業の宣伝、さて、どれなんだろう? いまだに不明。

しばらくブログの更新をさぼっていたのは、9月下旬にスペインとモロッコを旅行していたためです。帰国してもう1週間になるのですが、当然のことながら10日間も留守にするといろいろやることがたまってなかなか更新までいきませんでした。 ことヨーロッパ旅行に関しては、ツアーではなく個人旅行というのでイチから自分で企画することにしていて、そのときに参考になる情報は個人旅行を経験した方々のブログです。今回のスペイン、アンダルシア地方とモロッコのタンジェをまわった記録が、どこかで誰かのお役に立てれば幸い、ということで書き残しておきます。といっても、これはあくまで私たちが経験した範囲に限られるので、個人で旅行して安全ですよー、楽しいですよー、と保証するものではないことはお含みおきくださいね。 9月20日午前1時羽田発→フランクフルト経由→マドリード着の全日空とルフトハンザ便を利用。初めて深夜便を使いましたが、これはおすすめ。ヨーロッパに行って時差ぼけいっさいなし、半日たっぷり得することを実感。 9月20日午前10時30分 マドリード着。車で30分ほどの市内のホテルへタクシーで。ホテルは今回すべてBooking.comで予約しました。マドリードのホテルの条件は、どこへ観光するのも便利なド真ん中。プレシアドス通りというカリャオ広場のすぐそばで、王宮、プエルタ・デル・ソル、マヨール広場、という名所のどこにも歩いて行けるし、地下鉄の駅も近い。便利でした。ビジネスホテル感は漂いましたが。 th_DSC04325.jpg マドリードの街は歩くのがとても楽しい。道路は狭いけれど、思いがけない店やら人やらが現れます。セグウェイで観光している人たちに出会ったり、疲れたらセルベッセリアというビヤホールで休んだり。暑かったので、ビールがうまい! th_DSC04362.jpg th_DSC04341.jpg 半日、マドリードのあちこちを観光し、ソフィア王妃芸術センターという現代美術館を見学。ピカソのゲルニカは見応えがありますが、現代美術に興味がない人はあまり楽しめないのか、来場者がいない! おかげで私たちはときに迷ってしまったり。それもまた面白かったのですが、時間の余裕がない人にはあまりおすすめできないかな。 th_DSC04391.jpg th_DSC04387.jpg 最後にサン・ミゲル市場という観光客向けの高級食材がその場でお味見できます、というメルカードで一杯やって夕飯にしました。うーん、今振り返ると、おいしくないとは言わないが、あまりにも混雑していて、食べた気、飲んだ気がしなかった。おまけに高かったし、落ち着いて楽しみたい人にはおすすめできないですね。 th_DSC04414.jpg 9月21日 マドリードからAVEというスペインの新幹線でコルドバへ。1時間半ほどの列車の旅です。AVEは快適です。私はRENFEというスペイン鉄道のHPでうまく予約ができなかったので(英語に変えるといきなりフリーズという......)、日本語版サイトから予約しました。そのために割高になってしまったのですが、次女がやったらRENFEで何の苦労もなく半額近く安く予約できたとか。言葉とPCに自信があれば、ぜひRENFEのサイトから予約してみてください。 スペイン鉄道予約 http://www.renfe.com/EN/viajeros/ うまくいかなかったら、ヨーロッパの鉄道チケットが日本語で予約できる以下のサイトへ。 http://www.raileurope-japan.com そうそう、スペインの鉄道に関しては2等でまーったく問題なし、です。清潔で快適なのは変わりなし。 コルドバでは血の気が引き、寿命が縮まる事件があったのですが、それはつぎの記事で。

↑このページのトップヘ