今、キリンチャレンジカップ VSジャマイカ戦を見ながら昨日の試合について書こうとしています。
岡崎→本田→柴崎のすばやいパスからオウンゴールが生まれたところ。その前にも香川のロングシュートなんかもあったり、で圧倒しそうです。うまさとスピードではそりゃもう日本でしょう! 新生日本代表はなかなか素敵です。対戦しているジャマイカがちょっと......ということはあっても、ブラジルW杯の惨敗の記憶をスパッと忘れさせるほどの小気味よい攻撃が見られて楽しいですね。特に柴崎がいいなあ。頭のよさを感じさせる!
さて、昨晩の大雨の中で行なわれたナビスコカップ準決勝1stレグです。
予習のつもりで日曜日に行なわれた新潟VS川崎をBSでチェックしていたのですが、新潟が素晴らしすぎて拍手しているうちに川崎に目が向けられず、川崎選手のプレイが何一つ記憶に残っていません。何でもレナトが欠場、中村憲剛選手は怪我をしたのか怪我をおして出場だったとか。ポゼッションのほとんどが新潟だったので、気がつきませんでした。
そして昨晩の試合。
後半にパトリックの3点目が入るまではもう完璧といってもいいほど。余裕さえ感じさせる内容でした。
でも、その後にいなそうとしたのかどうか、川崎に押されて危ないシーンが数回。
結局、終了間際に1点返されてしまいました。
あれほど「アウェイゴールは与えない」と言っていたのに!
あの1点で、等々力での2ndレグがぐっとしまった内容になる、と前向きに考えたいです。
それにしてもパトリック! 成長、というよりも、「進化」しています。どんどんバージョンアップ! 最新技能とパワーをそなえた最強マシンになりつつあります。
宇佐美やヤットという操縦士にうまく使われて、ますます強化してくださいな。
さて、2ndレグ、ドキドキしながら参戦します。
目の前に1戦を自信を持って、でも謙虚に、そして真剣に一戦必勝の心構えで戦っていってくださいな。
2014年10月
何を「代表」しているのだろう?
私は自他ともに認めるサッカー好きでガンバサポです。
そんな私が今、サッカー関連のニュースを見たり、人から「サッカーが好きなら......」とふられる話題でいらっとくることがあります。
それは「サッカーが好きで関心があるなら、サッカー日本代表が好きで関心があるはずだ」という世間の(主にメディアがつくった)思い込みです。
Jリーグの試合の解説や実況で、また新聞等の試合リポートでも、あまりに「代表ダイヒョー......」と報道するために、最近はもう「意地でも日本代表の試合を見てやるもんか!」とまで思うようになりました。(ま、見るんだけれどね、ヒマだったら)
サッカー日本代表監督がアギーレさんになってから、ガンバ大阪からは誰も代表に選出されていません。日本代表に選ばれるというのは名誉なことだし、レベルの高い試合が経験できるし、もっと言えば代表に一度でも選ばれたことで(一度しか選ばれなくても)サッカー選手としての「格」が上がるのだ、ということはわかります。それじゃ現在Jリーグ2位だけど、代表選手ゼロのガンバ大阪の選手たちの格が低くて質も悪いか、というと、それは違うと思うんですよね。それに海外のリーグに在籍していれば、たとえ試合に出場できていなくても日本代表に選出される可能性が高くなる、とメディアが書き立てるのも、どうなんでしょう? 海外に行くだけで、いきなりサッカーがうまくなるってわけじゃないでしょうに。
それに今、Jリーグの観客動員数が低迷しているのは、有望な選手がみんな海外リーグに移籍し、リーグのレベルが低下して試合がつまらなくなったからだ、と分析されています。いや、そのようにメディアが報道しています。
それ、どれくらいあたっています?
Jリーグの試合のレベルは決して低くない。TVはもちろん、PCでも簡単に各国リーグの試合が見られる今、見比べてみてもリーガエスパニョール、ブンデスリーガ、プレミアなどのトップリーグの上位チームの試合と比較すれば、スピードや技術、戦術などに差がある、と言えるけれど、フランスやオランダのリーグの試合や、トップリーグでも中位から下位のチームの試合を見ると「ん?」と思うことがよくあります。なんかしょうもないミスを連発するわ、頭の悪そうなプレイを見せるわ......。そんなチームの試合でも、地元のファンは大勢があつーく応援しています。ファンたちは地元のチームだからこそ応援するんですよね。Jリーグだってそこを目指していた(る)はず。
サッカー日本代表は、日本を代表するのにふさわしいレベルの高い選手たちが、サッカーの人気拡大と発展に貢献するような魅力的なプレイを随所に見せる好試合をすべきだ、と私も考えています。
でも、今のサッカー日本代表って、必ずしも日本の既存のサッカーファンが「ああ、日本の選手たちはみんなああいうサッカーをすべきだよね。あれこそが日本を代表するサッカーチームだ」と思うような試合をしているわけではない、ような気がします。少なくとも私は試合を見て、あれが日本を代表するサッカーであり、日本のサッカーのあるべき姿、進むべき道を示している、とは思わない。(ガンバの選手が選ばれていない、ということに関係なく)
だから、というのではないですが、サッカー日本代表に選ばれること「だけ」が、日本のサッカー選手のめざすべきところだ、とあおるような報道はやめてもらいたいんだな。
もう一度言うけれど、Jリーグの試合は(全部が全部とは言わないまでも)決してレベルは低くないし、Jリーグ所属の選手たちのレベルも(全員とは言わないまでも)低くないです。
サッカー日本代表は、日本におけるサッカー人気の拡大が使命のはずなのに、聖域化するほど持ち上げて、代表の試合こそサッカーだと決めつけることによって、Jリーグの評価を下げ、人気を減じて、ひいてはサッカーファンまで減らしてしまうことになるのは、本末転倒だと思うんですけれど。
ロシア旅行記 ロシア人観察編
成田からモスクワへは日本航空直行便が日曜、月曜、水曜、金曜の一週間に4便が飛んでいます。JAL以外では仁川経由大韓航空、フィンエアのヘルシンキ経由があって、どちらも直行便に比べると若干割安ですが、トランジットの時間を考えると断然日本航空直行便です。ちなみに9月の直行便往復は(帰りがペテルブルクからの国内便も入れて)6万円。ただし、燃油付加運賃や空港税が5万7千円もかかりました。サーチャージと航空運賃がほぼ同じって!
モスクワには2つ空港がありますが、JALが到着するのは新しいほうのドモジェドボ空港のほう。新しいしきれいですよ、と聞いていましたが、第一印象は「ショボい!」でした。
大国首都の空港の華やかさがありません。しょっちゅう利用する伊丹空港を少し大きくしたくらい。天気が悪かったせいもあって、よけいにみすぼらしく見えました。
(空港の写真撮影がむずかしかったので、これはモスクワのメインストリートにて。キャリアウーマン(死語)風のかっこいい女性を大勢見かけました。えてして女性はきれいでかっこよく、男性はあんまりかっこよくない。私だけでなく、ロシア人女性が口を揃えて言ってました)
さて、飛行機をおりてでっぷりとしたいかにもロシア風おばさんに誘導されるままにパスポートコントロールまでたどりつくと、わんさか込み合っていて、どこが列の最後かさっぱりわからず。おばさんに「ここでいいのですか?」聞こうと近づくと、えらい勢いで「ニエットニエット」としっしっと追い払われる。恐らく彼女が誘導したかったのは、ロシア語が話せるロシア人のみで、ひと目でロシア語不能と見抜かれた私などには「よけいなこと聞くなよ、こんにゃろ」視線。
だから「この人なら英語が話せるのではないか?」と目星をつけた若い美しい女性(ロシア人だかどうかは不明)に、英語で「これはパスポートコントロールの列ですよね?」と聞いたら、残念、英語通じず。呆然とした表情で私を見つめるばかり。
そしたら3人ほど前にいるビジネスマン風の男性が振り向いて「そうですよ、列になってないけれど、ここにいればいつかは順番がまわってくる」と英語で、肩をすくめながら返事をしてくれました。たぶん、ドイツ人だな、彼は。でも、彼のその皮肉な言葉に反応する人はほとんどなし。ロシア人、なんだかもの憂げで無表情だなあ。
と、ロシアでは英語が通じないことを、まずパスポートコントロールで思い知らされ、「アウェイの洗礼」という言葉がよぎりました。
雑然と群れている人々の間に入り、私のほうが先だよ、という意思表示を身振りと、ときには英語と片言のロシア語と周囲に示しながら待つこと30分。やっとめぐってきたパスポートコントロールのお役人様(若い男性)は、ビザとパスポートを受け取ると、3分以上かけて書類を凝視し(何を見ているのかさっぱりわからなかったが)、つぎに3分以上かけて私の顔とパスポートの写真を見比べ、その間にこりともしないので私も仏頂面のまま正面から彼を見据える、という緊迫の6分間を過ごしたのち、一言も発しないままパスポートと入国証を投げてよこしました。
そんな態度なのに、安堵のあまり「スパシーバ」と言ってしまう情けない日本人の私。
(モスクワは、首都ではなかった帝政時代、ソ連時代、ソ連崩壊後経済発展を遂げつつあるロシア時代の3つの時代が重層的に存在する都市、という印象。これはソ連時代を代表する外務省。この間で中国人観光客が大勢写真を撮っていました)
さて、パスポートコントロールに時間がかかったせいで、預けた荷物はすでに台の上になく、そこら中に散乱している状態。邪魔だからって、仮にもお客様のお荷物なんだから散乱させるなよ、と毒づきつつ探しまわって見つけ、送迎ハイヤーサービスのカウンターまでたどり着きました。
ところが、私が依頼している会社のカウンターには誰もいません。隣のカウンターに座っている「無愛想」という題名の彫像のようなおばさんに、最初は英語で、つぎにやむなくロシア語で「○○サービス、どこ?」と聞いたら、眼球と右手の中指だけを動かして、隣のカウンターを指差す。もう一度○○サービス、どこ?と大声で言ったら、奥の部屋からサービス会社のお兄ちゃんが出てきました。
んでもって、バウチャーを見せたんだけれど、なぜかそのお兄ちゃんは一言も発しないまま奥の部屋に戻り、ようやく英語が話せて仕事もできそうな女性を連れて戻ってきたのでした。
うーん、国際空港の送迎ハイヤーのカウンターに、まったく英語が話せないだけならまだしも、無愛想きわまりない人を座らせて大丈夫なんだろうか? せめて「少し待ってください」の身振りくらいしたって疲れないだろう、と自称おもてなしの国からやってきた私は思いましたよ。
(どんどんモダン都市に変わりつつあるモスクワのバブルっぽいレストラン、ホワイトラビット。マフィアっぽいスーツを着た男性と、飛びっきりの美女がシャンパングラスを傾ける横で、おのぼりさんよろしく私と娘ははしゃいで豪華ディナーを楽しみました。モスクワ市内は常に大渋滞なのが窓からも伺えます)
で、英語が話せる(といっても日本の大学生くらいだけれど)その女性に「そこで待っていて」と、椅子もなければ、空港職員の通路になっているような片隅を指差さされた私は、大量の荷物を引きずって20分ほども所在なげに待つはめに。
私の隣ではなぜか女性1人と男性3人がいきなりトランクを開けて免税で購入したらしいシーバスリーガルの箱を開け、プラスチックのコップに注いで宴会を始めて空港の警備員に注意されるし、窓のそばにしゃがんでいるおばあさんに何かしきりに聞かれるし(無視して聞こえないふりをしているのにしつこく。こちらが聞きたいことを聞いた人は無視するのに、なぜ聞きたくもない人は話しかける?)、挙げ句の果てには、若いずんぐりした男性に「トランクを見ていてくれ」とロシア語で言われ、私がそっぽを向いて知らん顔をしているのに、「ワンミヌート」と連呼して私のトランクのそばに自分のを置いて逃げるように走っていく始末。(ワンミヌートとは1分だとわかるまでに数秒を要しました)
緑色のそのトランクをにらみつけること3分。
「もしこのトランクに爆発物が仕掛けられていたらどうしよう? いや、麻薬が入っていて、麻薬犬がよってきて私のものだと思われたらどうしたらいい?」と恐怖におびえていたら、ようやくハイヤー会社の女性がやってきて、「車の準備ができたから行きましょう」と言ってくれました。
彼女が緑色のトランクを持っていこうとするので、「あ、それは私のじゃない。誰か知らない人が勝手に置いて行った」と言ったら、「え? ま、いいわ」と空港ロビーの真ん中にトランクを放置したまま、私の荷物を持って駐車場へと向かったのでした。
駐車場前でハイヤーに荷物を積んでいると、トランクの男性が走って来て「俺のトランクは? モイ・チマダン!」とか叫ぶので、空港内を指差して「あそこだよ」と一応言っておきました。
(ロシアの人々はパーティ大好き、らしいです。着飾ってパーティをしている集団を何回も見ました。これはモスクワ川の船上パーティのもよう)
モスクワの空港に到着してから1時間あまりで、もうこれだけやれやれ感満載のできごと。
あくまで個人的な狭い範囲での「ロシア人観」ではありますが、「ロシアの人たちは面倒なことが嫌い」なんだと思いました。
自分の慣れている職務の範囲のことしかやりたくないのは、それ以外のことをやるのが面倒くさいから。
後で面倒なことになるから、今面倒なことをしておく、という発想はない。
あと、今この一瞬がなんとかなればいい、未来なんて知ったこっちゃない、過去なんてもうとっくに記憶から消し去った、とかそういう考え方の人たちではないのか。
その印象が、どんどん確信に変わっていった10日間でありました。
J1 VS鹿島アントラーズ戦 雨風に打たれてカシスタで至福に包まれる
93分。リンスの、胸トラップから反転してのボレーシュートがほぼ直線の軌道でネットを揺らした瞬間、ずぶぬれのガンバサポたちで埋まったゴール裏は爆発しました。
私はその瞬間から頭が真っ白。周囲の人たちと抱き合い、ハイタッチして、なんか叫んでいたけれどなんと叫んでいたかはまったく記憶なし。
ゴール裏のすぐ前で出場選手全員が抱き合ってリンスを祝福し、ベンチの選手たちがタッチライン間際まで駆け寄って飛び跳ねていたのはちょっとだけ覚えています。いや、帰宅して録画を見て確認しただけか?
ベンチで長谷川監督が狂ったように走り回っていたり、選手はもちろんスタッフ全員が抱き合って飛び跳ねていたのも視野に入りました。いや、それも録画での記憶か?
そのときはもう雨なんだか涙なんだかわからない水で眼鏡がくもっちゃってもうぐちゃぐちゃ。
家に帰って雨を吸ってしぼれるほどの重い服を脱いでお風呂に入るまで、幸福感に包まれてぼーっとしていました。
でも、リーグ戦の1試合を勝っただけ。いくらガンバが苦手とする鹿島アントラーズに、ほとんど勝った記憶がないカシマスタジアムで逆転勝利したからって、浮かれていてはいけませんね。眼鏡の奥に流れていたのは、あれは雨です。涙はタイトルをとるまでとっておきます。
試合は期待通りのしまった内容でした。ガンバは先行されては追いつく展開。この試合では岩下選手が上ずっていて、挙動不審プレイ連発。いつもはCBでコンビを組む丹羽選手の落ち着きのなさにハラハラするのですが、この試合では岩下がちょっとなあ。
鹿島の2点はどちらもその岩下とオジェソクの間に鹿島の選手が入ってきたことで決められたもの。どちらも美しいゴールでした。柴崎、遠藤(康)、土居というアントラーズの誇る若手3選手はすばらしい。才能にあふれているだけでなく、力の出し惜しみのないチームプレイにとても好感を持ちました。しかもイケメンだもんね。
一方のガンバは、パトリック大作戦が今回も順調に機能。パトリックも受け方をいろいろ工夫して、単に落とすのではなく、相手に落とさせたボールをドリブルで運んだり、横パスしたり、いったん相手を外してからトラップで遠いところに落としたり、とすごいじゃん、パトリック! まるでブラジル名選手みたいだ。
この試合ではいつもより早めの時間で交代で入ったリンス選手は、決勝点をあげただけでも300点満点をあげたいくらいですが、それ以外に守備にも奔走。終了間際の、鹿島、山本選手のあわやゴールかというエリア内でのヘディングでも、ついていたのはなぜかリンス。山本選手は、オウンゴールにつながるヘディングから始まり、このヘディングシュートを外すところまで、ほんと一人舞台でさんざんだったけれど、高校生のときから知っている私としては、ひそかにエールを送っています。
今年のリーグ優勝はかなり厳しいし、ナビスコや天皇杯でのタイトル獲得のチャンスはあるといえど、そう簡単にいくとは思えません。(なにせJ2あがりのガンバですから、と謙虚に)でも、W杯中断開けの7月から、リーグ戦11勝1敗1分けのできすぎなほどの成績を支えているのは、監督を含めたチーム全員の「成長」ではないかと見ています。1点でもリードすると、70分過ぎに攻撃の選手をディフェンスの選手と交代させる「チキン采配」で一時は逆転され(倉田選手のスーパーゴールで同点に追いついた。振り返ると、あの倉田同点ゴールがガンバの今の状態を決定づける分岐点だったと思います)の苦い経験をした甲府戦以来、長谷川監督はリードしていても攻撃の手を緩めない強気采配に変わりました。変わった、というか、成長しました。そのおかげで、「仕上げのリンス」が功を奏し、きのうの劇的逆転劇につながったのだと見ています。
途中交代でもきっちり得点していくリンスも成長したし、パトリックもハットトリックするまでに成長して覚醒しているし、いろいろ叩かれがちな宇佐美選手もただの天才少年からは一皮も二皮もむけています。
何より、今野選手の成長ぶりがすさまじい。ときどき「え? 今野ってこんなすごい選手だったっけ?」と目を見張るときがあって、たとえ30歳過ぎた大ベテランでも階段を駆け上るような成長ができるんだな、と目頭が熱くなることが......(おばさ〜ん)
選手や監督はもちろん、チームとして急成長をとげつつあるガンバ。(成熟には遠いといえど)残り少なくなってきたシーズンを、どんな風に成長していくかをたっぷり楽しんで見守りです。
ああ、興奮がまだ醒めない。