Glamorous Life

グラマラスライフ 実川元子オフィシャルサイト おもしろい本、どきどきする試合や映画、わくわくする服に出会えたら最高に幸せ

2016年09月

9月24日(日)に行なわれたvsFC東京戦は、負け試合を奇跡的に引き分けに持ち込んだ、ということで自分を納得させています。それにしても、なんで先制点を奪われないと目が覚めないんだろう? 殴られて初めて覚醒する? そういう仕様なんですか、ガンバさまは?


そして明日は首位、浦和さまとの決戦です。
ガンバvs浦和戦は、特に埼玉スタジアムで数々の「劇的試合」が記録されています。それについてはもう以前にも書いたけれど、私の中で一番は変わらず2008年ACL vs準決勝2ndレグだなあ。なんといっても、3点目のルーカス→ハッシー→ヤットの得点は、恐らく私は一生忘れないと思う。というか、具合が悪くなって入院したら、あの試合の録画を見直していくらかでも元気を得たい。そういう試合でした。
2014年のリーグ戦、佐藤選手と倉田選手のゴールも忘れられない。とくに倉田選手のゴールが決まったとき、なんか涙がにじんだもの。
現地に行かれなかったけれど、何回も録画を見直したのが昨年のチャンピオンシップでの冗談みたいな決勝ゴール。丹羽選手のとんでもないバックパス(あ、そうそう、フットボールチャンネルでの「サッカー用語の基礎知識」という連載で、次回は『バックパス」を取り上げます。宣伝です)を東口選手が奇跡のクリア、オジェソク→パト→ヤット→ヨネ→藤春のボレー!! わずか20秒ほどに、地獄に落ちかかって、いきなり極楽ですよ。あれも劇的だったけれど、死ぬ前に見たいとは思わないなw

さて、明日はどんな試合になるでしょうか?
またドラマが待っているでしょうか?
はっきり言って、今年の浦和は優勝するのにふさわしい力があるし、それをあらわした成績です。
ガンバはあやうく降格圏に沈みそうになったのを、なんとかここまで立て直してきました。
それを謙虚に認めて、「胸を借りる」つもりでいい試合をしてほしいです。 

今、岩波ホールでジョージア(旧グルジア。ジョージアという言い方がどうしても慣れない)とアブハジアの紛争を取り上げた2本の映画が公開されています。初日の昨日、2本とも見てきました。
「とうもろこしの島」
2014年 ギオルギ・オヴァシュヴィリ監督 作品
「みかんの丘」
2013年 ザザ・ウルシャゼ監督作品

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 今年5月〜6月にかけて行ってきたアブハジアの紛争をめぐる映画がこの時期に日本で公開されるとは! 何という偶然……なのか?
1992年、アブハジアがジョージアから独立宣言してからジョージアとの間に大規模な軍事衝突が勃発。アブハジアにロシアがついたことで対立は激化。1994年に停戦合意が成立した後も、対立は続いている、とのこと。ジョージア、アブハジア双方に「民族浄化」が起こり、一説では3万人が死亡、25万人が難民になったとか。特にアブハジアで暮らしていたジョージア人が難民化した、と聞きました。当地に10日ほど滞在しただけでは紛争の実態はわからなかったし、ロシアとアブハジア側からしか見えなかったので、映画を観て、特にジョージア側からの見方が少しだけうかがえました。
 あらすじを書くとネタばれになってしまうのであらましだけを紹介しておきます。

「とうもろこしの島」
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現在、ジョージアとアブハジアの「国境」(もちろんジョージアは今もアブハジアを自分たちの領土だと見なしているので「国境」とは認めていませんが、ジョージア側とアブハジア側には検問があります)近くを流れるエングリ川。コーカサス山脈から黒海へと注ぎ込む川は、春の雪解け時に山々から流れてくる大量の肥沃な土砂により、河口付近にいくつもの中州ができていました。周辺の住民は春になると中州にとうもろこしの種を撒き、秋に収穫してそれを冬場の食糧にしていたそうです。現在はエングリ川上流にダムができたので、とうもろこし畑ができるほどの中州がなくなり、その習慣は失われたとか。
それはさておき、川をはさんでアブハジアとジョージアの兵士たちがにらみあい、ときおり軍事衝突を繰り返して時期に、アブハズ人の老人が孫娘をともなって中州に小屋を建て、とうもろこしを栽培します。セリフがほとんどなく、聞こえてくるのは鳥や獣の鳴き声、風と雨の音、川が流れる音、ボートを漕ぐ音、そしてときおりの銃声のみ。老人と十代前半の孫娘はほとんどしゃべらず、2人でもくもくと畑を耕し、川で魚をとり、それをさばいて焼いて食事する。
季節は春から秋へと移り変わり、 その間にいろいろなことが起こるのですが、何が起こったかは映画を観る人たちが想像しなくてはならない。
少女の両親はどうしたのか? 
老人たちはどこに住んで、何を生業にしているのか?
少女は祖父のことをどう思っているのか?
アブハズ人とジョージア人はどこが違って、なぜアブハズ人は独立を求めているのか?
そんなことを小さな中州から360度見渡す水と空と山々の映像と、音だけで想像しながら考える。 
想像しているうちに、ストーリーが浮かび上がってくる。スクリーンにはあらわれない情景、語られない感情、ひと言もふれられない主人公2人の過去と未来、それが見えて、聞こえて。わかってくる。
映像の一コマ一コマが実に雄弁。少女から大人へと踏み出す少女の性の目覚め。死を身近にして、少女の将来を案じる老人の不安とあせり。そんなすべてが煌煌と畑を照らす月や、突然襲ってくる豪雨が語るのです。
35ミリで撮られた映像は、妙な言い方ですが「真実」を写し取っている、という印象を与えました。忘れられない映画になりそうです。

「みかんの島」
アブハジア西部に100年前からエストニア人が住む集落があったそうです。紛争勃発でその大半がエストニアに帰国したのですが、残った2人のエストニア人が、戦闘で負傷したロシア側傭兵のチェチェン人とジョージア人を救ったことからストーリーは思わぬ展開を見せます。
と、これ以上は書けない。ネタばれだから。
ただ、私は「とうもろこしの島」ほど感動しませんでした。「なぜアブハジアとジョージアが戦うのか?」「紛争に意味があるのか?」という問いに対する答えが、あまりに饒舌に語られ過ぎる。紛争当事者同士にはそれぞれ言い分があるだろうし、言い分とは別に個人的に戦う理由、戦わない理由がある。それを全部語ってしまっては、その先はないんじゃないかと思いました。

チェチェン人が出てきたことで、もう1本、少し前に観た映画についても紹介しておきます。
「あの日の声を探して」
2014年 ミシェル・アザナビシウス監督
ロシアのチェチェン弾圧を、チェチェン人の一家、無理やり兵士に駆り出されるロシア人の若者、EUの人権委員会から派遣されたフランス人、国際赤十字でボランティア活動にあたるアメリカ人の4つの視点から描いた映画です。親を殺されたチェチェン人の少年が主人公なので、お涙頂戴のメロドラマになってしまうのを、ロシア人の若い兵士の視点が斬り込んでいます。が、所詮はフランスやアメリカの「西欧的視点」による切り口であることは否めない。ストーリーもロシアやチェチェンに対してちょっと上から目線すぎないか、とか思ってしまいました。
それに比較すると(比較できるものではないけれど)、「とうもろこしの島」については紛争と弾圧についての斬新な描き方を感じました。紛争と弾圧に巻き込まれた人々を描く、というのは、巻き込まれた理不尽と悲惨だけに焦点を当てればいいってもんじゃないと思います。銃弾が行き交う中でも、過酷な自然に対峙して生活を営んでいく(いかねばならない)人々の精神的な強靭さと、簡単に殺し合い傷つけ合う人々の脆さを対比させることで、見えてくるものがある。銃弾ではなく、人間を映しとらないと、紛争は描けないのではないか、と思いました。
 

どうもすみませんすみません、と心の中で頭を下げるしかないほどブログの更新がとどこおっております。実は今、サッカーとはまったく関係のない本を執筆中。4月に企画を立ち上げ、6月末から取材を始めて、7月いっぱいで取材を終わらせ、8月いっぱいで書き終わる、という予定でした……まだ仕上げまとめ中です。晩秋には刊行予定なので、もうそろそろ終わらせなくちゃ。
ガンバやサッカーと違うところに頭と気持ちが行ってしまっていたこの夏。その間に、ガンバはめきめきとよくなって、「絶対残留」から「もしかすると2ndステージの☆☆が(→あえて書きませんよ)」なんてところまで持ち直しています。長期に日本を留守にしたことと、、本のための取材と執筆に自分を追い込むために、スカパーの契約を一時中断していたのですが、9月から再開してオンデマンド観戦しております。あ、そうそう、6−3で爆勝した9月4日のYBCルヴァンカップ準々決勝第2戦、vsサンフレッチェ広島戦@吹田スタジアムは生観戦しました。それも含めて8月以降のガンバについて書いておこうと思います。
①パトリック選手について
「パトが精彩を欠いていて、最近はベンチスタート」というのは情報として得ていましたが、実際に自分の目で見るまでは「いつもの絶好機外しまくりのパト仕様なんだろう」くらいにしか思っていませんでした。
だから9月4日の試合、後半途中でパトが長沢に代わって出場したとき、思わず「パト、がんばれ〜〜」とか叫んでしまったのですが、その声が届かなかったのか、まったく見せ場なし。GKや最終ラインからの放り込みボールを受けることさえできない姿にあぜんとしました。パトがおさめられずに相手カウンターの起点になってしまうことから、大森や倉田がフォローに走ってくると、それも目に入らないのか、味方と衝突してボールを失う、なんて失態まで。
2014年後半、ガンバが盛り返して3冠達成できたのはパトの加入がとても大きかった、と思います。昨年CLから天皇杯の活躍もすばらしかった。そのときの記憶が残っているためか、今のパトリックに対し、歯がゆさを通り越して腹立ちさえ覚えます。「パト、もっとまじめにサッカーやって!」とか言いたくなる。見ていませんが、スタメン起用されたJ3vs長野戦でも酷かったとか。輝く宇佐美あってのパトだったのか。思えば今季1stステージの不振は、宇佐美パトコンビの旬の終焉からの過渡期だったかも。来季契約解除、という報道が飛び交っていますが、それも無理はないかな、と今は思っています。

②長沢選手の台頭
代わって輝いているのが長沢選手です。昨年、シーズン途中で清水からガンバに移籍してきたとき、正直「え? 長谷川監督、清水時代に自分がかわいがっていたという理由で引っ張ってきているのか?」なんて思いました。ガンバサポ仲間なんて、昨年秋、スタジアムで20番ユニを着て応援している人を見つけたとき「20番? 誰? え! 長沢!!! あのユニの人、長沢選手の親戚かなあ」なんて驚いていたくらいです。
それが今季はこの活躍! 8月の月間MVPとベストゴール@湘南戦のダブル受賞ですよ。 身長190センチ超という自分の武器を活かしたヘディングばかりでなく、足元のうまさで相手DFを翻弄してのシュートもあり、湘南戦のようなジャンピングボレーまで打てる。しかも結構スピードがあり、ハーフカウンターで試合を決定づけるゴールも生んでいます。昨日の名古屋戦はゴールはできなかったのですが、相手DFを引き連れて流れてくれるおかげで、アデミウソンや大森、倉田の前にスペースができる、という働きも見逃せません。
パトや宇佐美に放り込んであとは2人でなんとかして、というサッカーから、長沢をまじえた大森、倉田、アデミウソンの連携でゴールする、というサッカーへ。長沢の旬はまだまだ続きそうです。

③井手口選手の成長っぷりがこわいほど
ついこないだまで「井手口の守備はこわいよね。間合いの取り方がおかしい。すぐに飛び込んで抜かれるのはやめてもらいたい」とかさんざん悪口言っていたのがウソみたいです。
今野が怪我で離脱してからスタメン起用されるようになると、めきめきと成長していて目を見張る活躍。ボール奪取からのつなぎ(やっとバックパスを第一選択肢にするのをやめたみたい)、体を張った守備(やっと安易に飛び込むのをやめたいみたい)、終盤になっても落ちない運動量。昨日は遠藤が怪我で今野と交代した後、1アシスト1ゴールの活躍で文句なしのMOM。もしかすると遠藤よりも今野とボランチでコンビを組んだほうが、井手口の良さが生きるのかもしれません。一見、破天荒そうだけれど、根は堅実でまじめなところも今野とあいそうです。ともあれ、期待の20歳、21番!!

まだまだ伸びしろはありそうだよ、と思わせる最近のガンバ。タイトルはもちろん欲しいけれど、このサッカーが成熟していくところが見たいです。

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