1月29日から英国に移動しました。
UK BorderのNON-EUは長蛇の列。恐らく3分の2はChineseパスポートを握りしめた人たち、若い子が多かったのは、正月休暇を利用しての旅行かな?
 
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(ハイドパークのヘンリー・ムーアの彫刻作品の前でも中国人観光客が記念撮影していました)

ほかの人がみんなパスポートに書類をはさんでいたので、にわかに不安になって後ろに並んでいた中国人らしき学生さんに、書類を指差しながら「这是什么? 要不要这件文件为入境检查?(→もちろん辞書を引いて入国審査を調べました」と聞きました。後ろの中学生くらいの女の子たち、怯えたように飛び退いて手を振る。え?もしかして私の中国語、まったく通じてない? 女の子たち、くすくす笑うばかりで、あきらかに私と話すのを嫌がっていたので、しかたなく前に並んでいたご婦人(50歳くらい。中欧系の顔立ち)に聞いたら、彼女は「機上で配られたのよ。もらってない? 入国審査には必要だと思う。後でもらえるわよ」と親切に教えてくれました。
何とか書類をもらって書き込み、入国審査までこぎつけました。審査官は2人。ベールをかぶった若い女性と指導官らしき男性。どんなことを聞くかを彼女に指導しているみたいでした。そのせいかどうか、質問は「え? なんでそんなことまで聞く?」というところまでつっこむつっこむ。
英国にやってきた目的を聞かれて、面倒なので「観光」というと、「何を観光するつもりか?」「いろいろ」「具体的に何を見たいか?」というから、しかたなく「美術館と博物館」というと、「具体的にどこに行きたいのか?」ともっと食い下がる、男性のほうが。そして私が答えるたびに「ほら、こうやって会話をするんだよ」とかベールをかぶった女性に指導する。
女性のほうが、それならとばかり「さまざまな外国に行っていますね」というので「はい」と答えると、男性審査官「だめだめ、そういう聞き方では」と言うと「ロシアに何回か行っているみたいだけれど、目的は?」と聞かれました。娘が働いていたから、とか言うとなんかとんでもなく突っ込まれそうだったので、私はフットボールのライターをしていて、ロシアワールドカップの事前取材があって……云々とウソ八百を並べました。そしたら「英国滞在もライターの仕事ではないか?」と墓穴を掘ることに。「いや、フットボールの取材を通じて知り合った友人に会うけれど、仕事はしない」とまたウソの上塗りをするはめになりました。そのほかにも「英国は初めてか?」「いや、30年ぶり」と答えると、「30年前とはロンドンは様変わりだよ。あそこも変わった、ここも変わった」とか言うから「そう、世紀も変わったけれど、女王は変わっていない」というと、やっと笑ってくれました。
ま、結局ゆうに10分近く引き止められましたよ。ふ〜〜〜私は要注意人物か?
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(宿泊しているホテルの窓から。思わず♫chim chimeney chim chimney chim chimcheree♫と歌ってしまいました。傘を片手にメリーポピンズおりてくる、と)

 30年前にはなかったヒースロー・エクスプレスに乗れば、わずか15分でパディントン駅到着。ホテルは駅から歩いて6分とあったけれど、夜で雨が降っていて大荷物だったので、タクシーに乗りました。
もしかすると30年前にもタクシー運転手だったのではないか、というほどのおじいさまが運転手で、耳が遠い。大声で住所を連呼し、iPadの地図を見せると、弱々しくうなずいて連れていってくれました。当然、荷物の出し入れも自分です。
ホテルは駅からも近い上に、ハイドパークまでも歩いて5、6分。静かな住宅地の中にあります。でも、周囲はホテルだらけ。単なる想像(妄想)ですが、高級住宅地ながら家賃の高さで住民は居着かず、ホテルに改装したところが多いのでは? 


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(ベン・リトルトンの新著。サッカーを通じて子どもに数学、生物から国際関係まで説明する、というおもしろい内容です)

 さて、到着した翌日からインタビューを始めました。まずは拙訳書『PK〜最も簡単なはずのゴールはなぜ決まらないのか?』の著者、ベン・リトルトンから。ベンさんの新著『Football School〜Where Football Explains Rules the World』を贈呈いただき、今年8月に出版されるという新刊についての話を聞きました。私のプロジェクトについてもお話し、いろいろとアドバイスをもらえてよかったです。1時間半なら時間がとれる、と言ってもらったのだけれど、結局2時間半にわたるインタビューとなり、話題はフットボールにとどまらず、Brexitからトランプまで政治や国際情勢に及びました。
 それはともかく、ガンバサポということは言っていなかったのに、ベンさんから「いま、欧州でプレーしている日本人選手で一番期待していて好きなのは、宇佐美だ」と言ってもらって、私、大興奮。ベンさん、ええ人やわー!! と、株急上昇。
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(男性下着は赤が人気だったそうです。赤は活力を与えて健康にいいと思われていたとか)
 フットボールとは関係ないのだけれど、ロンドンでぜひとも観ようと思っていたのがヴィクトリア&アルバート美術館で開催中の"Undressed"という企画展でした。インタビューの合間を縫って、なんてことをしていたら見逃すので、スケジュールを組んで行ってきました。
 下着についての歴史、機能、役割をまとめた展示だったのですが、私が長年追いかけている「身体」についての広く深い考察がなされていて、とてもよかった。下着というとつい女性のセクシーなものを考えてしまうかもしれないけれど、展示は男性の下着、それも軍隊、労働者、スポーツ選手の下着についても展示されていて、興味深かったです。
そして今回、英国の地方も見てみたいと思っていて、ご縁があって取材もかねて中部の町、ラフバラに行ってきました。それについては次のエントリーで。

 
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(ヴィクトリア&アルバート美術館の中庭。月曜日の午後、大勢の小中高生が見学に訪れていました)