乳房文化文化研究会の運営委員になってはや20年以上がすぎました。研究活動にほとんど何も貢献していない運営委員でありますが、10年ほど前に北海道大学で中国の文化、文学、芸術を研究しておられる武田雅哉先生が書かれた「楊貴妃になりたかった男たち〜<衣服の妖怪>の文化史」(講談社選書メチエ)という本を読んですごくおもしろかったので、研究会にお呼びして講演をしていただきました。
武田先生としても、乳房文化なんてものを研究している会があることに刺激を受けられたようで、その後、ご自身でも中国だけでなくロシアや日本の乳房の図像から、歴史、文化、社会を 探っていく研究会を立ち上げられました。
研究会に呼んでいただき、日本のバストについてお話ししたことがきっかけに、中国文学、演劇を専門に研究しておられる田村容子先生に乳房文化研究会でお話しいただいたり、ご縁が深まりました。
そんな長年にわたる研究成果の集大成が、このたび岩波書店から発刊された「ゆれるおっぱい、ふくらむおっぱい〜乳房の図像と記憶」です。
私は「日本のバスト70年〜「身だしなみ」から「自分らしさ」へ」という総論を書いています。
研究、というよりも、私的なバスト観、自分のバストに寄せる愛憎半ばする思いを書きました。身体測定データや統計は極力省き(最初は入れていたのですが、限られた枚数では数字を入れると流れがさえぎられてわずらわしかったのです)、バストを意識しはじめてから50年以上の記憶と、20年以上にわたって乳房文化研究会で聞いてきたいろいろな先生たちのお話を折り込みながら書きました。
私の原稿はともかく、22人の共著者たちが「乳房」をさまざまな視点から取り上げたことにより、乳房の奥行きと幅がぐっと広がった本になっています。乳房というと、つい女性の胸のふくらみを考えてしまいますが、男性にも乳房はあります。それなら男性は自分の乳房をどう見ているのか? 女形の役者はどうなのか? LGBTの人たちにとっての乳房は? とどんどん広がっていく乳房をとことん追いかけまくったのがこの本なのです。
日本での呼び方ひとつとっても、ちぶさ、にゅうぼう、ちち、むね、おっぱいとなんと多様なことか。 それなら中国では? ロシアでは? 政治体制が変わると乳房の見方や呼び方も変わるのか? 興味のある方はぜひ書店で手にとってください。豊富な図版を見ているだけでも、きっとくらくらしてくるはず。
「ゆれるおっぱい、ふくらむおっぱい〜乳房の図像と記憶」
武田雅哉編
岩波書店(2800円+税)
武田先生としても、乳房文化なんてものを研究している会があることに刺激を受けられたようで、その後、ご自身でも中国だけでなくロシアや日本の乳房の図像から、歴史、文化、社会を 探っていく研究会を立ち上げられました。
研究会に呼んでいただき、日本のバストについてお話ししたことがきっかけに、中国文学、演劇を専門に研究しておられる田村容子先生に乳房文化研究会でお話しいただいたり、ご縁が深まりました。
そんな長年にわたる研究成果の集大成が、このたび岩波書店から発刊された「ゆれるおっぱい、ふくらむおっぱい〜乳房の図像と記憶」です。
私は「日本のバスト70年〜「身だしなみ」から「自分らしさ」へ」という総論を書いています。
研究、というよりも、私的なバスト観、自分のバストに寄せる愛憎半ばする思いを書きました。身体測定データや統計は極力省き(最初は入れていたのですが、限られた枚数では数字を入れると流れがさえぎられてわずらわしかったのです)、バストを意識しはじめてから50年以上の記憶と、20年以上にわたって乳房文化研究会で聞いてきたいろいろな先生たちのお話を折り込みながら書きました。
私の原稿はともかく、22人の共著者たちが「乳房」をさまざまな視点から取り上げたことにより、乳房の奥行きと幅がぐっと広がった本になっています。乳房というと、つい女性の胸のふくらみを考えてしまいますが、男性にも乳房はあります。それなら男性は自分の乳房をどう見ているのか? 女形の役者はどうなのか? LGBTの人たちにとっての乳房は? とどんどん広がっていく乳房をとことん追いかけまくったのがこの本なのです。
日本での呼び方ひとつとっても、ちぶさ、にゅうぼう、ちち、むね、おっぱいとなんと多様なことか。 それなら中国では? ロシアでは? 政治体制が変わると乳房の見方や呼び方も変わるのか? 興味のある方はぜひ書店で手にとってください。豊富な図版を見ているだけでも、きっとくらくらしてくるはず。
「ゆれるおっぱい、ふくらむおっぱい〜乳房の図像と記憶」
武田雅哉編
岩波書店(2800円+税)