2014年5月末からスウェーデン北部、ウステルシュンドで開催されたCONIFA第一回ワールドフットボールカップを取材に出かけたとき、ダルフールユナイテッドの選手やスタッフから話を聞きました。
2003年スーダン西部ダルフール地方で、スーダン政府に支援されたアラブ系組織のジャンジャウィード が非アラブ系住民を大虐殺する紛争が起こりました。まさに民族浄化ともいうべき虐殺で、正確な数はわからないものの少なくとも40万人が殺害され、60万人が難民となって周辺の国々に逃げたと言われています。
スーダンと国境を接するチャドに逃げてきたダルフール難民のキャンプが築かれ、その数は現在にいたるまで増えはしても減ってはいません。私が会ったダルフールユナイテッドの選手の一人は、紛争が起こった直後に父親を殺され、母親と兄弟で必死に逃げてキャンプにたどり着き、以後一度も鉄条柵で囲われたキャンプの外に出たことがなかったそうです。キャンプのインフラ整備から子供の教育まで支援を続けているiACTというアメリカ、ロサンゼルスにある非営利ボランティア団体が、キャンプ内の子どもたちの教育と娯楽をかねてサッカー教室を始め、CONIFAのメンバーとなってチームをスウェーデンに送り出したのでした。地元の村からキャンプにやってきて以来、初めてキャンプの外に出るチャンスを得た息子にすがって、お母さんが嬉し泣きした話も聞きました。「僕がこのまま一生キャンプの生活しか知らないで終わるのではないかと、お母さんは本当に心配していたから。サッカーのおかげで、僕は外の世界を知るチャンスを得た」と言っていました。
そのとき出会ったiACTのケイティとジェイとは、その後も何かと情報交換をしていました。2016年のCONIFAの総会でも会い、ダルフール難民キャンプの状況が少しも改善されていないこと、でもCONIFAの大会に出場することで、自分たちも外に出るチャンスがもらえるかもしれない、とみんな熱心にサッカーに励んでいること、といった話も聞きました。
そして先週、2人から「ダルフール難民女性チームを結成した」というすてきなプレスリリースが送られて来たのです。 要約します。
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2018年8月21日 米国ロサンゼルス/Djabal チャド東部ダルフール難民キャンプ
来たる10月に、iACTは初のダルフールユナイテッド女子チーム(DUWT)を立ち上げる。 メンバーはスーダン、ダルフール地方出身で、精力的にコミュニティとその未来を支えている難民の女性たちの代表である。男子チームの成功を見た女子たちは、自分たちも共に練習し、競い合い、フィールドで代表として闘うチャンスを得ることで、コミュニティにいる女性や少女たちみんなに新しい可能性が示せると考えるようになった。未来への可能性は、現在の難民キャンプにはほとんど存在していない。
2018年10月に開催する初のトレーニングキャンプがチームの立ち上げとなる。チャド東部にある8つの難民キャンプ内で、現在難民ユナイテッドサッカーアカデミーのコーチとして指導にあたっている女子選手たちと、サッカーに興味があり少しでも経験がある若い女性たちが1週間にわたり、iACTが派遣するコーチやトレーナーとともに合宿する。
ダルフールユナイテッド男子チームは2012年に結成され、同年にVivaワールドカップ(CONIFAの前身)に参加、2014年にはCONIFAワールドフットボールカップに出場した。現在男子チームの選手の何人かはチャド東部、スウェーデン、米国でサッカーをしている。
ダルフール難民女子チーム発足の重要性について、iACT創設理事であるガブリエル・スタウリングはこう話す。「男子チーム結成のためのトライアウトを行なった時、キャンプの女性たちが私に『私たちのチームはできないの?』と聞きました。DUWTは、ダルフール、難民、そして世界中の女性たちを代表するチームとなるすばらしい機会です。世界を変えるといってもいいほどです」
ダルフールユナイテッドは、ダルフールの人たちに希望、感動と喜びを与えてくれます。
iACTはこのすばらしいプロジェクトのスポンサー、パートナー、ボランティアを求めています。物理的なサポートだけでなく、メディアでの情報拡散やシューズやユニフォームの提供などの協力もよろしくお願いします。
DUWTのホームページをぜひクリックしてください。
https://darfurunited.com/darfur-united-womens-team/
**************
このプレスリリースに心を躍らせた数日後、フランスで行われたFIFA U20女子サッカーワールドカップで女子日本代表チーム(ヤングなでしこ、という呼び方がどうも好きではない私です)が優勝しました。強豪スペインを3−1でやぶっての優勝でしたが、優勝したこと以上に私は彼女たち(スペイン代表選手も含む)の戦いぶりに感動しました。
サッカーが美しい! からだを張り、最後まで諦めずに走り抜き、フェアに戦い、テクニックも戦術も優れている。そして力強い!!
サッカー(だけでなく、スポーツ)は女子に力を与えてくれる、とあらためて思いました。
どうぞ女子たちが力をつけるためのチャンスを与えてあげてください。
2003年スーダン西部ダルフール地方で、スーダン政府に支援されたアラブ系組織のジャンジャウィード が非アラブ系住民を大虐殺する紛争が起こりました。まさに民族浄化ともいうべき虐殺で、正確な数はわからないものの少なくとも40万人が殺害され、60万人が難民となって周辺の国々に逃げたと言われています。
スーダンと国境を接するチャドに逃げてきたダルフール難民のキャンプが築かれ、その数は現在にいたるまで増えはしても減ってはいません。私が会ったダルフールユナイテッドの選手の一人は、紛争が起こった直後に父親を殺され、母親と兄弟で必死に逃げてキャンプにたどり着き、以後一度も鉄条柵で囲われたキャンプの外に出たことがなかったそうです。キャンプのインフラ整備から子供の教育まで支援を続けているiACTというアメリカ、ロサンゼルスにある非営利ボランティア団体が、キャンプ内の子どもたちの教育と娯楽をかねてサッカー教室を始め、CONIFAのメンバーとなってチームをスウェーデンに送り出したのでした。地元の村からキャンプにやってきて以来、初めてキャンプの外に出るチャンスを得た息子にすがって、お母さんが嬉し泣きした話も聞きました。「僕がこのまま一生キャンプの生活しか知らないで終わるのではないかと、お母さんは本当に心配していたから。サッカーのおかげで、僕は外の世界を知るチャンスを得た」と言っていました。
そのとき出会ったiACTのケイティとジェイとは、その後も何かと情報交換をしていました。2016年のCONIFAの総会でも会い、ダルフール難民キャンプの状況が少しも改善されていないこと、でもCONIFAの大会に出場することで、自分たちも外に出るチャンスがもらえるかもしれない、とみんな熱心にサッカーに励んでいること、といった話も聞きました。
そして先週、2人から「ダルフール難民女性チームを結成した」というすてきなプレスリリースが送られて来たのです。 要約します。
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2018年8月21日 米国ロサンゼルス/Djabal チャド東部ダルフール難民キャンプ
来たる10月に、iACTは初のダルフールユナイテッド女子チーム(DUWT)を立ち上げる。 メンバーはスーダン、ダルフール地方出身で、精力的にコミュニティとその未来を支えている難民の女性たちの代表である。男子チームの成功を見た女子たちは、自分たちも共に練習し、競い合い、フィールドで代表として闘うチャンスを得ることで、コミュニティにいる女性や少女たちみんなに新しい可能性が示せると考えるようになった。未来への可能性は、現在の難民キャンプにはほとんど存在していない。
2018年10月に開催する初のトレーニングキャンプがチームの立ち上げとなる。チャド東部にある8つの難民キャンプ内で、現在難民ユナイテッドサッカーアカデミーのコーチとして指導にあたっている女子選手たちと、サッカーに興味があり少しでも経験がある若い女性たちが1週間にわたり、iACTが派遣するコーチやトレーナーとともに合宿する。
ダルフールユナイテッド男子チームは2012年に結成され、同年にVivaワールドカップ(CONIFAの前身)に参加、2014年にはCONIFAワールドフットボールカップに出場した。現在男子チームの選手の何人かはチャド東部、スウェーデン、米国でサッカーをしている。
ダルフール難民女子チーム発足の重要性について、iACT創設理事であるガブリエル・スタウリングはこう話す。「男子チーム結成のためのトライアウトを行なった時、キャンプの女性たちが私に『私たちのチームはできないの?』と聞きました。DUWTは、ダルフール、難民、そして世界中の女性たちを代表するチームとなるすばらしい機会です。世界を変えるといってもいいほどです」
ダルフールユナイテッドは、ダルフールの人たちに希望、感動と喜びを与えてくれます。
iACTはこのすばらしいプロジェクトのスポンサー、パートナー、ボランティアを求めています。物理的なサポートだけでなく、メディアでの情報拡散やシューズやユニフォームの提供などの協力もよろしくお願いします。
DUWTのホームページをぜひクリックしてください。
https://darfurunited.com/darfur-united-womens-team/
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このプレスリリースに心を躍らせた数日後、フランスで行われたFIFA U20女子サッカーワールドカップで女子日本代表チーム(ヤングなでしこ、という呼び方がどうも好きではない私です)が優勝しました。強豪スペインを3−1でやぶっての優勝でしたが、優勝したこと以上に私は彼女たち(スペイン代表選手も含む)の戦いぶりに感動しました。
サッカーが美しい! からだを張り、最後まで諦めずに走り抜き、フェアに戦い、テクニックも戦術も優れている。そして力強い!!
サッカー(だけでなく、スポーツ)は女子に力を与えてくれる、とあらためて思いました。
どうぞ女子たちが力をつけるためのチャンスを与えてあげてください。