日本を出てから17日目。いよいよ今日帰国の飛行機に乗ります。まだリヨンにいて、空港まで直行の列車に乗り、飛行機に乗らなきゃいけないから、「無事に旅がおわりました〜」と宣言するわけにはいかないけれど、ほぼ全日程を終えたことになります。少なくともやろうと思っていたことはすべてやりつくしました。
2014年から「ひとりでできるもん」の海外一人旅を始めてから、 今年で6年目。毎年のように海外には出かけていますが、実はひとりで行動するのは2014年(スウェーデン)、2016年(フランス)と2回しかなくて、今年は3回目。2014年も16年もそして今年もまったくひとりで行動していたのは10日程度です。友人と一緒だったり、海外の友人宅でしばらく過ごしたり、CONIFAの大会後だったりと、全行程ひとり旅ということは実はやったことがありません。今回の旅も前半は友人に誘われて2人でギリシャの島バカンスを楽しんできました。アテネの空港で落ち合って、ベルリンにいくという友人とアテネの空港で分かれて私はフランスへ。ちょっとかっこいい? と2人で頷き合いましたよ。旅慣れている友人といっしょだと、気楽だし、心強いし、何がありがたいって「トイレに行ってくるから荷物見ていてくれる?」とか、レストランで多品種を注文してシェアできるのがとっても助かります。ひとりだとごはんが困る。定食を頼むのが一番安上がりなんだけれど、たいていスターターでおなかいっぱいになってしまって、メインに行きつかず(それでもデザートは入る)、無理に食べると翌日まで膨満感が残る。私も年をとったのです。
(レンヌでホテルの人に教えてもらったパン屋さんは、セルフサービスのワンプレートブランチをやっていて、サラダ、メイン、パン、ジュース、紅茶かコーヒー、スープ、デザートを好きなだけ選んで食べられます。これで15ユーロ。大満足でした。とくに右端のガスパチョがおいしかった!)
3回目の12日間ひとり旅となった今回、 自分の旅のしかたで気づいた変化がいくつかあります。
その1、認めたくないけれど、やはり毎年体力は落ちていく、ということにとくに今回は気付きました。以前のように、あれもしたい、これも見たいと詰めこむがむしゃらな日程はこなせなくなりました。 そんなことをすると必ず3日目くらいに息切れする。ひとり旅で何がいやって、体調を崩してしまうことです。からだが弱ると気持ちも弱る。ひとりだと辛いしこわい。なので、夜に劇場にいくとか、試合観戦があるときには、観光は午前中にして、午後の数時間をホテルの部屋でくつろいで過ごすことにしました。そしてごちそうを食べるのは3日に1回にして、あとはほどほどの腹八分目。もちろんお酒を控える。無理して控えているわけではなく、飲みたくない。レストランに入って「お飲み物は何になさいますか?」と 聞かれて「水。それだけでいいです」とふつうに答えてしまう。「まずはビールお願いします」とか言っていた昔がなつかしい(←半分嘘)
その2、ひとりでいることを恥じず、恐れなくなった自分に気付きました。3年前EURO観戦でリヨンにきたときには、東洋人の女性が、ひとりで、男子サッカーの試合を観戦している……物好きと思われているだろうなあ、なんで来ているんだと思われてるんだろうなあ、とかやたらと気にしていたのですが、昨晩、最後の観戦を終えてスタジアムから満員のトラムに乗っているときに、「あれ? 私ひとり観戦を別にたいして気にしていないんじゃないか」と気付きました。 周囲はカップルか家族づればかり、欧米人だらけ、しかも私、日本代表ユニとか着ちゃっている(爆)。そんな場違い感に帰る間際に気づくという。
レストランにひとりで入ってごはんを食べることにも、ずいぶんと余裕が持てるようになりました。やっぱりじろじろと見られるし、私がフランス語を解さないと思っているのか、「中国人かしら? でもひとりっていうのは変ね」「何を食べてるのかな?」とかひそひそ、じゃなく結構大声でしゃべっている隣のテーブルの会話が耳に入っても、そちらの方向ににっこり笑って「ボンジュール私は日本人」とか言えるようになりました。
(レンヌのスタジアムは運河沿いの公園の先にあります。家族づれとともに川沿いの道をのんびり歩いていくと、そこがスタジアム。行き帰りの道を歩くのさえも楽しかった!)
その3、わからないこと、知らないことは大声で聞けるようになりました。私はひどい方向音痴です。グーグルマップのおかげで最近はなんとか目的地に到着できるようにはなりましたが、そもそもグーグルさんが示している方向がわからなかったりもする。で、以前はスマホの画面をしばらく眺めたりしていたのですが、最近はひとを見定めてから「○○はこっちの方向ですよね」と聞いて確かめるようになりました。地下鉄やバスのチケットの買い方や改札の通り方がわからない、というときにもまず聞く。前は逡巡があったのだけれど、今回はまったく逡巡なしに「わからない」→「聞く」が脊髄反射でできるようになりました。グーグルさんより、ガイドブックよりも現地で暮らしている人の情報のほうが確かです。
この3点が改善(?)されたことにより、今回はずいぶんと気持ちにもからだにも余裕ができて、精神的にストレスが少なく、体力的に楽でした。
(パリの猛暑がひと落ち着きした日に、パリ在住のお友達のところでごはんをごちそうになりました。アパートの窓からは見事な夕焼けが)
だから歩くことが楽しかったです。まわりを観察しながら歩く余裕ができました。 旅の醍醐味って、たぶん歩く速度で周囲を観察することだと思います。おもしろいもの、知らないものがあれば、立ち止まって観察し、好奇心が抑えきれなくなったら「あの、それなんですか?」とか聞く。それが楽しい。異国の女がひとりで「それ何?」とか聞くと、たいていびくっとかされるけれど、こちらがニコニコ笑って、「もしかしてこれって〜?」とか聞くと、苦笑して「いやいや、ちがうよ」と教えてくれる。別に知ってどうかなるってことじゃないけれど、なんかそういうことが楽しい。歩いて観察し、ググるより前に人に聞く。そういうことができるから、ひとり旅は本当に楽しいです。
最後にパリで宿泊していたホテルのバルコニーから眺めていた風景。エッフェル塔って醜悪ってずっと思っていたけれど、なんだか親しみがわきました。バルコニーから部屋に入る窓をうっかり外からしめてしまって、部屋に入れなくなり、フロントに電話をかけてあけてもらったのは今回の旅の最大の失敗。フロントのお兄さんに「ほんとに気をつけてくださいよ」と怒られました。スマホとWiFiルーターを持って出ていてよかったー!
2014年から「ひとりでできるもん」の海外一人旅を始めてから、 今年で6年目。毎年のように海外には出かけていますが、実はひとりで行動するのは2014年(スウェーデン)、2016年(フランス)と2回しかなくて、今年は3回目。2014年も16年もそして今年もまったくひとりで行動していたのは10日程度です。友人と一緒だったり、海外の友人宅でしばらく過ごしたり、CONIFAの大会後だったりと、全行程ひとり旅ということは実はやったことがありません。今回の旅も前半は友人に誘われて2人でギリシャの島バカンスを楽しんできました。アテネの空港で落ち合って、ベルリンにいくという友人とアテネの空港で分かれて私はフランスへ。ちょっとかっこいい? と2人で頷き合いましたよ。旅慣れている友人といっしょだと、気楽だし、心強いし、何がありがたいって「トイレに行ってくるから荷物見ていてくれる?」とか、レストランで多品種を注文してシェアできるのがとっても助かります。ひとりだとごはんが困る。定食を頼むのが一番安上がりなんだけれど、たいていスターターでおなかいっぱいになってしまって、メインに行きつかず(それでもデザートは入る)、無理に食べると翌日まで膨満感が残る。私も年をとったのです。
(レンヌでホテルの人に教えてもらったパン屋さんは、セルフサービスのワンプレートブランチをやっていて、サラダ、メイン、パン、ジュース、紅茶かコーヒー、スープ、デザートを好きなだけ選んで食べられます。これで15ユーロ。大満足でした。とくに右端のガスパチョがおいしかった!)
3回目の12日間ひとり旅となった今回、 自分の旅のしかたで気づいた変化がいくつかあります。
その1、認めたくないけれど、やはり毎年体力は落ちていく、ということにとくに今回は気付きました。以前のように、あれもしたい、これも見たいと詰めこむがむしゃらな日程はこなせなくなりました。 そんなことをすると必ず3日目くらいに息切れする。ひとり旅で何がいやって、体調を崩してしまうことです。からだが弱ると気持ちも弱る。ひとりだと辛いしこわい。なので、夜に劇場にいくとか、試合観戦があるときには、観光は午前中にして、午後の数時間をホテルの部屋でくつろいで過ごすことにしました。そしてごちそうを食べるのは3日に1回にして、あとはほどほどの腹八分目。もちろんお酒を控える。無理して控えているわけではなく、飲みたくない。レストランに入って「お飲み物は何になさいますか?」と 聞かれて「水。それだけでいいです」とふつうに答えてしまう。「まずはビールお願いします」とか言っていた昔がなつかしい(←半分嘘)
その2、ひとりでいることを恥じず、恐れなくなった自分に気付きました。3年前EURO観戦でリヨンにきたときには、東洋人の女性が、ひとりで、男子サッカーの試合を観戦している……物好きと思われているだろうなあ、なんで来ているんだと思われてるんだろうなあ、とかやたらと気にしていたのですが、昨晩、最後の観戦を終えてスタジアムから満員のトラムに乗っているときに、「あれ? 私ひとり観戦を別にたいして気にしていないんじゃないか」と気付きました。 周囲はカップルか家族づればかり、欧米人だらけ、しかも私、日本代表ユニとか着ちゃっている(爆)。そんな場違い感に帰る間際に気づくという。
レストランにひとりで入ってごはんを食べることにも、ずいぶんと余裕が持てるようになりました。やっぱりじろじろと見られるし、私がフランス語を解さないと思っているのか、「中国人かしら? でもひとりっていうのは変ね」「何を食べてるのかな?」とかひそひそ、じゃなく結構大声でしゃべっている隣のテーブルの会話が耳に入っても、そちらの方向ににっこり笑って「ボンジュール私は日本人」とか言えるようになりました。
(レンヌのスタジアムは運河沿いの公園の先にあります。家族づれとともに川沿いの道をのんびり歩いていくと、そこがスタジアム。行き帰りの道を歩くのさえも楽しかった!)
その3、わからないこと、知らないことは大声で聞けるようになりました。私はひどい方向音痴です。グーグルマップのおかげで最近はなんとか目的地に到着できるようにはなりましたが、そもそもグーグルさんが示している方向がわからなかったりもする。で、以前はスマホの画面をしばらく眺めたりしていたのですが、最近はひとを見定めてから「○○はこっちの方向ですよね」と聞いて確かめるようになりました。地下鉄やバスのチケットの買い方や改札の通り方がわからない、というときにもまず聞く。前は逡巡があったのだけれど、今回はまったく逡巡なしに「わからない」→「聞く」が脊髄反射でできるようになりました。グーグルさんより、ガイドブックよりも現地で暮らしている人の情報のほうが確かです。
この3点が改善(?)されたことにより、今回はずいぶんと気持ちにもからだにも余裕ができて、精神的にストレスが少なく、体力的に楽でした。
(パリの猛暑がひと落ち着きした日に、パリ在住のお友達のところでごはんをごちそうになりました。アパートの窓からは見事な夕焼けが)
だから歩くことが楽しかったです。まわりを観察しながら歩く余裕ができました。 旅の醍醐味って、たぶん歩く速度で周囲を観察することだと思います。おもしろいもの、知らないものがあれば、立ち止まって観察し、好奇心が抑えきれなくなったら「あの、それなんですか?」とか聞く。それが楽しい。異国の女がひとりで「それ何?」とか聞くと、たいていびくっとかされるけれど、こちらがニコニコ笑って、「もしかしてこれって〜?」とか聞くと、苦笑して「いやいや、ちがうよ」と教えてくれる。別に知ってどうかなるってことじゃないけれど、なんかそういうことが楽しい。歩いて観察し、ググるより前に人に聞く。そういうことができるから、ひとり旅は本当に楽しいです。
最後にパリで宿泊していたホテルのバルコニーから眺めていた風景。エッフェル塔って醜悪ってずっと思っていたけれど、なんだか親しみがわきました。バルコニーから部屋に入る窓をうっかり外からしめてしまって、部屋に入れなくなり、フロントに電話をかけてあけてもらったのは今回の旅の最大の失敗。フロントのお兄さんに「ほんとに気をつけてくださいよ」と怒られました。スマホとWiFiルーターを持って出ていてよかったー!