Glamorous Life

グラマラスライフ 実川元子オフィシャルサイト おもしろい本、どきどきする試合や映画、わくわくする服に出会えたら最高に幸せ

2022年11月

気がつくと明日で11月はおしまい。
ふ〜〜ほんとにあわただしい1ヶ月でした。まだ終わってないけれど。
Jリーグがシーズン終了したかと思ったらすぐに始まった男子W杯。サッカーに、とくにいろいろ物議をかもしているカタール開催のワールドカップに正直興味が薄れている、と思っていたのですが、なんかね、開会式こそ見なかったけれど、FIFAのアプリを入れてダイジェスト映像を毎朝起き抜けにチェックし、テレビ録画で試合を見ちゃってます。ジャイアントキリング続きではあるけれど、グループリーグの第二試合ともなると順当に強いチームは持ち味を発揮して勝ち進んでますね。
私の推しは相変わらずクロアチア。初戦はモドリッチもさっぱりで、マンジュキッチがいないとやっぱりしんどいのかなと思ったけれど、第二戦では華麗なるパス回しが冴えて、カナダに先制されたもののすぐに取り返して4得点。やっぱりね、こういうサッカーが好きだわ。

さて、日本代表はどうなることやら。
恐れずにスペインに立ち向かってほしい。

「女子サッカー140年史 闘いはピッチとその外にもあり」
スザンヌ・ラック著 実川元子訳
白水社
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 今日、見本が届きました。書店にももうすぐ並ぶはず。
 タイトル通り、女性たちが挑んだサッカー競技の140年にわたる通史と、現在世界で女子サッカーがどう発展しているかを英国ガーディアン紙で女子サッカーを担当する記者が書いた本です。
 1881年にスコットランドで初めての女子サッカーの試合(イングランドVSスコットランド)が行なわれてから140年たったいまも、「女だてらにサッカーなんて……」「女子サッカーはスピードがなくてへたくそでつまらない」「 サッカーは男のものでしょ」というバッシングをネットやメディアで見かけます。一応、建前だけにしろ男女平等をめざすことが公に叫ばれるようになった今でも、女子サッカーに向けられる視線は全面的にポジティブとはいえない。
 それなら140年前はどうだったか? イングランドで最初にボールを蹴り始めた女性たちは、「男性のもの」とされるサッカーを自分たちもできると示すことで、参政権を勝ち取ろうとしました。最初は女性参政権運動(サフラジェッツ)と並行していたサッカーですが、権利獲得に関心がない女性たちも楽しみでボールを蹴るようになり、またたくうちに人気スポーツになっていきました。
 イングランドで女子サッカー競技が盛んになったのは、第一次世界大戦中に男性たちが戦争に駆り出され、女性たちが労働者として働くようになったことがきっかけでした。工場で働く女性たちは昼休みのレクリエーションにサッカーを楽しみ、そのうちに工場同士で対抗戦をするようになり、やがて試合は戦争による死傷者や家族を救済するための慈善興行へと発展します。
 戦後も女子サッカー人気は衰えず、1921年には5万3000人の観客を集めるまでになるのですが、これに危機感を覚えたのが イングランド・サッカー協会(FA)です。自分たちの管轄外で興行する女子チームが、男子リーグの観客を奪ってしまうのではないかと恐れ、その年に「女子の試合にグラウンドを貸すことは許さない」と禁止令を発令。それからなんと半世紀にわたって、イングランドのみならず世界各国で女子サッカー競技はFIFA傘下の各国協会から、またときには法律で禁止されてしまいます。
 暗黒の半世紀がすぎたころ、アメリカから起こった第二波フェミニズム運動に刺激を受けた女性たちは、またボールを蹴るようになり、たちまち人気を集めたことで、FAをはじめ各国のサッカー協会もようやく禁止令を解除しました。やっと1970年代になってからですが。
 その後も紆余曲折がありながら、1991年にはFIFA主催で実質的女子ワールドカップが中国で開催され(ワールドカップの名称は使わせなかったが)、1995年から参加チームも増えて45分ハーフ前後半990分と男子と同じルールで試合が行われるようになりました。
 現在アメリカやイングランドでは女子のプロリーグで試合が行なわれており、日本も2021年からWEリーグというプロリーグが発足しています。ただ世界のどこでも観客動員数は少なく、財政難にあえいでいるチームも少なくないのが現状で、それをどう乗り越えてより発展させていけばいいか、と著者はさまざまな提言をしています。
 女性参政権獲得運動、男女同一賃金を求める闘い、教育の機会均等、職場や家庭における性差別の禁止、性暴力への抗議……といった女性の人権を守る闘いと女子サッカーの発展は重なっている、と著者は繰り返し訴えます。女性たちがサッカーを楽しむ権利は、女性が自分の身体と精神を守る権利の延長線上にあるのです。
 来年7月下旬から8月上旬にかけて、オーストラリアとニュージーランドでFIFA女子ワールドカップが開催されます。ピッチに立つ選手や審判たちだけでなく、すべての女性たちを応援する大会になってほしいという気持ちが湧き起こってくる本だと思います。

 最後に。日本女子サッカーのレジェンド、澤穂希さんが推薦文を寄せてくださいました。心から感謝です。

鹿島戦終了後、他会場での結果を待っていた選手たちが残留決定を知って飛び上がって喜ぶ姿を見て、なんかもうね……はっきり言って喜びとか安堵感とか以上に、虚しさを感じました。違うだろう、と。
もちろん残留が決まってほっとしたし、もし降格とかPOとかにまわっていたら、怒りや悲しみがこみあげていたかもしれないけれど、でもなあ、残留決まって大喜びってなんか違わないですか? 違和感がある、という言い回しが大っ嫌いなのだけれど、胸にこみあげるこの複雑な気持ちはまさに「違和感がある」でした。

つぎの監督がどなたになるのか?
補強はどうするのか?
それ以上に、誰が来季もガンバのユニを着るのか?
シーズン終了とともにそんな情報を漁っていたのだけれど、今年はその気持ちがわいてこない。
なんだろう、胸にこみあげるこの喪失感と焦燥感。
降格した年もこんな気持ちにはならなかった。
2012年からここで書き続けた「ガンバは生まれ変わらなければならない」とか「新しいガンバをつくっていってほしい」とか、そんな言葉が今年はむなしく私の胸で響き渡ってしまいました。その残響がまだ続いている感じ。
 
来季はどうなるか……不安も期待もできるかぎり抑えて、できれば情報シャットアウトして、シーズン開幕を待とうと思います。 

ガンバ 2−0 ジュビロ
得点:食野選手、パトリック選手


ダイジェストを見ただけの感想です。
ゴールシーンは2点ともすばらしかったし、後半投入された食野選手の左足シュートも、パトリック選手の体幹の強さを証明するような170度くらい回転させてのバイシクルシュートもよかった。
2点目が決まったあとのゴール裏の歓喜あふれる「歌えクルヴァ」は、どなたかが録画してくださったのをTwitter で見て一緒に歌いました。チャントが歌えるスタジアムになってよかった。
松田監督と倉田選手の最後のあいさつも胸に染みました。

でもね、ここははっきりさせておかねばならないのだけれど、まだ何も決まっていないのですよ。
最後の1試合、全力をつくしてほしい。
残留できて来季もJ1で闘えるのか?
立て直しができるという希望が見えるのか?
それともこのままうやむやになってしまうのか?
何も決まっていません。
まずは鹿島戦。しっかり勝つことはもちろんですが、どのステージであっても来季はちゃんと闘うチームになれるという未来予想図を少しでも見せてほしいです。

最後に、ヤットさんがゴール裏に挨拶にやってきた姿に思わず泣きそうになりました。もしかしてヤットさんも涙ぐんでた? ヤットさんこそ、まだこれからです。フォルツァ、ヤット!!!

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