Glamorous Life

グラマラスライフ 実川元子オフィシャルサイト おもしろい本、どきどきする試合や映画、わくわくする服に出会えたら最高に幸せ

2024年12月

 70歳になって1年目の今年。誕生祝いをしてくれた友人から「元子さんは自己評価が低すぎる。もっと自分を褒めなさい」と忠言をいただきました。自分でもそれは薄々感じていたので、70歳になったのを契機に自分を褒めることにしました。さあ、褒めるぞ〜。
 今年1年、私は本当によくがんばったと褒めたいです。何をがんばったかというと、まず毎日2食ご飯を作ったこと。何回も書いてしまうけれど、昨年秋に仕事から完全リタイアした同居人(夫)がほぼ24時間在宅するようになりました。いずれ来るとは覚悟していましたが、いざその日が近づくにつれて夫在宅ストレス症候群に陥りました。いまだに日々の生活の変化に慣れることになかなか苦労しています。
 まず憂鬱になったのは夫の食事問題。最初のころは夫の分も3食作ってましたが、それはストレスが倍増するばかりで無理と悟り、今年からは2食にしました。あと1食は同居人が自分でなんとかする、ということで無理やり同意を取り付けました。そして口約束でも取り交わした以上は、とほぼ毎日作り続けました。私が旅行に行くときにも、たとえ早朝家を出なければならないときでもその日の朝食ともう1食は盛り付けまでやって置いておき、冷蔵庫にその後の3日分くらいの調理済みの食事を入れておきました。
 それが苦痛だったのはほんの数日で、すぐに慣れました。というか楽しくなってきました。最近では1週間分の献立を考えて、食材を準備して、1汁2、3菜を手早く調理できる自分が誇らしい。自分で言うのもなんですが、献立作り→食材選び→調理→片付けの手際がよくなり、食材を余らせることがぐっと減りました。ここは自分を褒めたいところ。
 褒めたいところの2つ目が、自分を甘やかすことが少し上手くなったことかな。やりたくないことをやめたり、やりたいことを諦めたりすることが少なくなりました。今日は掃除やりたくない、と思ったら埃が目についてもやらない。この映画が見たい、ここに行ってみたい、と思ったら即腰をあげる。「やらなくちゃならないことがあるから、やりたいことを諦める」とか「やらなくちゃいけないと思うから、やりたくなくてもやる」とか、そんなことをやめました。
 おかげでサッカーの試合を近年になくたくさん観戦したし、泊まりがけの旅行にも青森から岡山まであちこち行ったし、思い立つと日帰りで東京近郊散歩に出かけました。
 以前はお楽しみのお出かけになんとなく後ろめたさがあって、まわりや自分に言い訳をしていましたが、今は少しずつ後ろめたさが消えつつあります。堂々と好きなことを好きなようにやれるまでにあと一歩。そこも褒めたいところ。
 ほかに褒めるところがないかと昨日から考えているのですが、これ以上思いつかないので「自分を褒める大作戦」はまだまだ道半ばですね。
 来年はもっと自分を褒められるところを増やしたいものです。
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先日はふと思い立って、皇后杯女子サッカー5回戦日テレベレーザvsジェフ千葉市原レディースを観戦しに平塚のレモンガススタジアムに出かけたら、なんと、富士山が夕日に照らされている姿を見て感激。お出かけするといいことがいっぱいです。


試合の続きを書くのがずいぶん遅くなりました。いささか賞味期限切れになりそうなので、最終節の試合&セレモニーについて書くのはやめておきます。

昨日にはJリーグアウォーズもあり、ベストイレブンにガンバからは中谷選手と宇佐美選手が選ばれました。ここ数年、アウォーズについて極力目に入れないようにしてきた私ですが、さすがに昨日の授賞式の模様はネットであちこち見まくりましたよ。
中谷選手、宇佐美選手、ベストイレブン選出おめでとうございます。
宇佐美選手はvs札幌戦のアディショナルタイムでの劇的逆転ゴールで、11月12月の月間ベストゴール賞も受賞。21歳以下の若い選手に贈られる11月12月の月刊ヤングプレイヤー賞は、坂本選手が今季2度目の受賞。年間のベストヤングプレイヤーに選ばれることをすごく期待していたけれど、それはかなわず。
優秀選手に一森選手、ウエルトン選手も選ばれており、今季のガンバのサッカーが評価されたのだと嬉しいです。

で、私が勝手に選出した2024年度ガンバのベストプレイヤーは、というと、ダワン選手です。
ダワン選手は70分くらいに脚がつって交代、が定番でしたが、今季はそんなこともぐっと減り、それと並行するように対昨シーズン比で今季終盤のダワンは2ランクくらいアップしている感じがしています。運動量が豊富、とか、対人に強い、とか、ヘディングがすごい、とかそういう特長はもちろんですが、ダワンがアップしている能力は、ほかの選手の活かし方がすごくうまくなったことではないかと。
先ほど宇佐美選手の今季のプレー集を見ていて、ダワンがいいところにポジションをとっていることやピンチの芽を確実に摘んでいることにあらためて気づきました。昨シーズンまでは、前半は活動量多いけれど、後半10分過ぎからガタンと落ちてアフターのタックルが多くなってイエローもらったりが多かったし、無理やりドリブルであがろうとしてボールロストしてピンチを招くこともよくありました。でも今季はボランチの相方が鈴木選手になったおかげで、ダワン選手の本来持っている能力がいっそう発揮できているのではないかと。
来季もぜひともダワン選手にはガンバで活躍してほしい。そして来季は是非、ベストイレブンに選ばれてください。

 J1リーグ、ホームで迎えた最終戦。対戦相手は優勝の可能性を残す2位広島。ガンバはエース宇佐美を怪我で欠くも、今季急成長の坂本が前日のプレビューコメントで「明日は2点とって勝ちます」と力強く宣言し、シーズン初めの目標としていた2桁得点の大台に乗せることを表明していました。
 チケットは完売。今季は38試合と前季よりも2試合多いとはいえ、パナソニックスタジアムは50万人を少し切る過去最高の入場者数を記録したそうです。私の記憶にあるかぎり、今季最高の入場者数はvsセレッソ戦ではなかったかと。来年もまた記録を書き換えられるように、大勢の観客がガンバの試合を見に集まれますように。
 試合は拮抗してはいましたが、どちらかというとガンバのほうに勢いがあったような。優勝の文字がちらついて、広島の選手は少しかたかったのかも。
 この試合で目立っていたのはウエルトンと山下という両翼サイドハーフ。とくにウエルトンはそこにいるだけで脅威(驚異)という存在で、広島の選手が2人ついても、跳ね飛ばして前にドリブルするその姿はまさに重戦車。ライン際ぎりぎりに張って、ときにはラインの外からボールをコントロールする姿にスタジアムは大盛り上がりでした。山下もいつも通りヨーイドンで走り出すと必ず走り勝ってボールを自分のものにして、チャンスを作ります。ウエルトンや山下にボールが出ると、思わず大声で「行け〜〜〜!」と叫びまくっていたらしく、試合後に喉が枯れました。
 そしてセットプレーの流れからウエルトンにボールがわたると力強いクロスを出し、坂本がちょんとさわって(ヒール?)先取点ゲット。うまい! すべてがうまいよ、坂本。ポジション取り、からだの向き、ボールをGKやDFから隠すようにするその技術。テクニックだけではなくこの1年間で積んだ経験を活かす頭のよさを感じさせました。
 その後も山田の身体能力の高さを感じさせるボールゲットやパスカット、鈴木徳真の攻守にわたってボールを散らしては運ぶエネルギッシュな展開力、ダワンのアジリティと対人能力の高さ、ピンチの芽をつんですぐに攻撃につなげる中谷、空中戦でまず負けない福岡、半田は山下と、黒川はウエルトンとの阿吽の呼吸で攻守をコントロール、そして今季何回見たかわからないほどの一森のスーパーセーブ。
 この試合には1年間ガンバが積み上げてきたものが詰まっていました。
 後半、攻勢を強める広島のすばやい攻撃に1点返された……と思ったら、VARが入り、オフサイド判定でゴール取り消しというラッキーもあり、その直後にセットプレーから中谷ゴール。リーグ戦4点目だそうです。決定的な得点ゲット、という点では中谷の得点力にはすごいものがあります。名古屋戦、京都戦、何よりも天皇杯準決勝の試合終盤まぎわの同点ゴールは忘れられません。
 そしてそして試合終盤に坂本の2点目。
(というところまで書いて外出せねばならないので、いったん中断します)
 

稲本潤一選手、イナが45歳でいよいよ引退を発表しました。
引退の記者会見の記事を読みながら、イナが17歳6ヶ月でプロデビューした試合(エムボマの頭でドリブルしながらのゴールとともにイナのデビューの走りが何回も放映された)、2000年AFCアジアカップでの勇姿(日本は優勝したのだけれど、決勝戦イナは累積で出場できずタッチライン際で水を運んだりしていた)、そしてもちろん2002年ワールドカップでのベルギー戦とロシア戦のゴールなんかを思い出していました。
私が稲本選手を初めて生で見た試合は、たしか2000年春のはじめ頃、改修前の万博記念競技場だったと思います。対戦相手はしかと覚えていませんが神戸だったと思います。万博バックスタンドのコンクリの席が冷たくて、おなかが冷えたのかトイレが近くなって困ったことのほうを試合内容よりよく覚えています。それとまだ芝生立ち見だったゴール裏の応援が分離していたことかな。万博でサッカーの試合を観戦したきっかけも、出張で関西に行ったとき、伊丹空港からモノレールで万博に行けると知って、それじゃ行ってみようかと思ったくらい。申し訳ないけれど、そのときはガンバのファンと胸を張れるほどではなく、試合もまったりとしてたしか引き分けだったのだけれどそれほど悔しくもなく、稲本選手の姿も「ああ、あれがガンバの希望の星か」くらいだったような。
その後まもなくアンダー世代の日本代表として稲本選手が大活躍するようになり、しだいに私はガンバにのめりこむようになりました。一応関西出身ではあるけれど、18歳からずっと関東で暮らしていた私がなぜにガンバのサポなのかとよく聞かれるのですが、一番といっていいくらい大きな理由は「稲本選手とともに成長していくガンバを見ていることに胸がわくわくしたから」だと思います。
あのころのガンバは本当に弱かったけれど、イナだけじゃなく左サイドをよく走っていた新井場選手(クロスあげたらそこでソックスを直して休んでいたりして、はよ戻らんかい、SBやろとかイライラしたけれど好きでした)、宮本選手、二川選手(10番になったときには3年連続ユニを書いましたね)、大黒選手、橋本選手といった若手の個性的な注目株がいっぱいいて、彼らが成長したらきっと優勝争いができるような強豪チームになるにちがいないと夢が見られました。そして実際夢はかなったしね。
引退会見でイナが印象深い試合としてあげていた2001年パリ、サンドニで開催されたフランスとの親善試合ですが、私は現地で生観戦したんですよ。サッカー雑誌の企画に応募して、ハガキにびっしりと日本代表とかJリーグのことをいっぱい書いて、そのときはもう「ガンバサポです」とかはっきり名乗って、一番に応援しているのは稲本選手と宣言しました。それが実ったのか、当選して招待でパリにいったわけです。ラッキー! 0−5で日本はボロ負けして世界に恥を晒した、とか言われましたけれど。
稲本選手がガンバに在籍していた期間は長くないけれど、私をガンバサポにした「張本人」のひとりであることはまちがいなく、私にとってイナは今もガンバの選手です。イナがいたからこそ私はガンバを知り、サッカーがますます好きになり、負け続けても、がっかりして腹が立つことが多いシーズンでも、なんとかガンバを応援し続けていられるのだと思います。
稲本潤一選手、お疲れさまでした。
またガンバでイナの姿が見られることを期待しています。

もう12月に入って3日も過ぎました。
11月はとにかく30日があっという間に過ぎ去っていきました。
11月にいったい私は何をやっていたのか、と脳内で振り返ってみたのですが、思い出せるのは
1)書道の公募展、創玄展の作品制作に励んだ(締切は12月26日なのでまだ書かなくちゃいけない)
2)出版社に振られ続けている本をなんとかしようと悪戦苦闘中(まだなんともできていない)
3)どうも何かからの逃避欲求が高まったせいでやたらと料理を作った
くらいしかない。

でも本はあれこれ読みました。
「いずれくる死にそなえない」名郷直樹著 生活の医療社
高齢者を診察している精神科医が説く「下り坂の哲学」。この本で著者が言いたいのは「(高齢になって病気になり、やがて死ぬことを)先送りにするかしないかとういことではなく、どんなに先送りにしても、やがてやってくる下り坂、そして死について、どう向き合い、どう下っていくか、どう死ぬかということなのである」。曰く死ぬことを恐れず、死をタブーにせず、死に方とか老い方の理想を追いかけない。寝たきりになってもそれを本人も周囲(介護者)も受け入れる、あじゃなくて寝たきりを「望む」こと……などなどが書かれていたのだけれど、ついつい「周囲に迷惑をかけないようにもっとがんばれ」とか思ってしまう健常者の私には、え? そうなの?と疑問に思うところと、まあそうだよな、と納得するところが半々。
患者の自己決定が優先されるこの時代に、どんな生き方死に方を選択するか、それについてはこの医師の迷いや経験を踏まえての「死にそなえない」心持ちは腑に落ちた。自分で選択して決定しているようで、実は周囲のことを考えて道を選んでいることがほとんど。子どもに迷惑かけたくないから、とか。それならどういう心持ちで自己決定すればいいのか? 
そういうことを著者が考えるようになったきっかけは「中動態の世界:意志と責任の考古学」(國分功一郎著 医学書院)だったというので、さっそく図書館で借りて読んでみました。副題のとおり、自分の意志で選んだのだから、そこには自己責任が生じる、ということになっているけれど、本当に私たちは自分の意志でたとえば生き方や死に方を選んでいるのか? もしくは選ばされた選択には自分に責任は生じないのか? ということを論じた本です。哲学の本なので、哲学者がこんなこと言った、こういう学説がある、ということもたくさん書かれているのですが、そこは國分さん、私たちの誰もが人生で出会う「意志と責任」の場面が具体的に書かれていて、とてもおもしろかったです。
この世の中は、自分の意志で選ぶことができる(能動)/周囲や他人に選ばされる(受動)だけでなく、死や老いなど意志によって選択することなどできない「中動態」がある、と國分さんは書いています。うーむ、これは納得ですね。
そこでまた國分功一郎さんと熊谷慎一郎さんの共著である「<責任>の生成—中動態と当事者研究」(新曜社)という本に出会い、これまたなーるほどとうなる本でした。来年、熊谷さんの講演を聞きにいくことにしたので、理解を深めたいと思います。
「テヘランのすてきな女」(金井真紀著 晶文社)は、「別れを告げない」(ノーベル文学賞受賞者、ハン・ガン著 斎藤真理子訳 白水社)と並んで2024年のトップにあげたい本でした。たたかう女、はたらく女、スポーツする女、居場所をさがす女たち、みてきた女、とテヘラン(とその近郊)で著者が出会った女たちは悩みを抱え、差別に怒りながらもはつらつとして魅力的。圧倒されました。
ほかにも読んだのだけれど、11月のメイン読書は中動態とテヘランの女たちでした。

ガーナに孤児院を作るための寄付集めを目的としたフットサル大会@味の素スタジアムで久しぶりにフットサルをやったり、いうまでもなく天皇杯決勝を観戦したり、サッカーも楽しんだかな。
とこう書いて振り返ると、何もやっていないとはいえない、というか結構充実した1ヶ月でしたね。
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11月も終わるころになると、冬の大三角がとてもきれいにみられるようになり、ウォーキングがいっそう楽しくなっています。


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