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(今回の食べた中で一番おいしかったもの、それはサラエヴォの川縁のレストランで食べた子牛炭火蒸し焼き。地域ごとに呼び名が違うそうですが、ここではこの調理法をイスポッド・サッチャと呼ぶとか。焼き方は豪快だけれど、味はこれまで食べた牛肉とはまったくちがうコクのある味わいでした)

バルカン半島を地図で見ればわかるように、エーゲ海をはさんで東にトルコ、アドリア海をはさんで西にイタリア半島、北にはハンガリーにオーストリアと「大国」に囲まれた東西の分岐点みたいなところです。一番南にギリシャ、現在では南から北にむかってアルバニア、マケドニア、ブルガリア、コソヴォ、モンテネグロ、ボスニア・ヘルツェゴビナ、セルビア、クロアチアという多様な国(何をもって国とするかはともかく)がひしめいています。
私が今回訪ねたボスニア・ヘルツェゴビナとセルビアは、バルカン半島のほぼ中央に位置しています。地図を見ると、現在のトルコ(アジア大陸)からオーストリア、ハンガリー(欧州大陸)へと抜ける通り道。
 この地域には6世紀に南下してきたスラブ人が住み着きましたが、セルビアは1389年にセルビア王国が、1527年にはボスニア・ヘルツェゴビナ全土がオスマン朝に敗れて支配下に入りました。その後、セルビアは500年近く、ボスニア・ヘルツェゴビナは400年もの長い間トルコに支配され、その後はロシアやオーストリア=ハンガリー帝国の支配下に組み込まれるなど、東西南北のさまざまな大国からの支配を受けまくり。まさに紛争の火種の地域だったわけです。今も火種はくすぶり続けているといっていい。
 と、歴史はさておき、「東西南北の文化が交わっているところでは 飯が旨い!」というのが経験からくる私の意見です。トルコ料理、ギリシャ料理、ペルシャ料理のいいとこどりをしている上に、海あり山ありで流れる川の水量豊か。素材にも恵まれているのですから、バルカンの飯がうまいのは当然なのかも。
 といっても、素材がいいだけに手が込んだ料理はありませんでした。
 調味料は塩(なぜか塩にこくがあった)とせいぜい胡椒くらい。
 でも調理法は、炭火焼、蒸し焼き、煮込み、揚げ物とバラエティがある。
 チーズやハム、ソーセージ類も種類が多い。パンも地域ごと、いや、レストランごとに異なる形、味、歯ごたえのものが出てきて、「これはウチのオリジナル」と自慢げに出してくれます。
 飲み物は地ビール、南に行くとワイン。どちらもアルコール度数は日本と変わらないものの、風味豊かでした。 
 では画像で行ってみましょう!
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サラエヴォビールです。余談ですが、PIVOピヴォ=ビールと知って興奮。なぜってロシア語と同じですから。スラヴを感じた瞬間でした。
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トマトやキュウリなど野菜を切った上にチーズをドレッシング代わりにかぶせたサラダ、ショプスカ・サラタ。チーズのやわらかい塩味が濃厚な味の生トマトやキュウリによくあいます。
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ムスカリツァ。トマトと牛肉のトマト煮込みにサワークリームがのっかっています。
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牛肉と野菜のスープ、テレチャウレム・チョルバ。チョルバはスープのことで、食欲のないときも、疲れたときも、一杯のチョルバが癒してくれました。ただし、チョルバだけでおなかがいっぱいになるので、メインまで行こうと思ったらチョルバはパス、です。

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南のモスタルのほうに下っていくと、羊の炭火串丸焼きが名物料理。
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木のプレートにのっかっているのは、四角いのがチーズ、真ん中の白いのがカイマックという牛乳の上澄みを固めたもの、右がプロシュートです。籠に入っているのはほくほくで表面がぱりっとした香ばしいパン。カイマックは店ごとに作っているホームメイドオリジナルで、全部味が違いました.

 
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最初に載せたイスポッド・サーチャで焼いた子牛牛肉。皮がぱりっとしていて、脂があまりなく、歯ごたえがありながらジューシーでした。

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VRANACというブランドの地元ワイン。フルーティでした。
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バルカン半島はアイスクリームも(が)おいしい! と言われたので挑戦しました。とろーりとしたこの食感、あ、これトルコアイスクリームだ! トルコで食べたのよりもフレーバーがきいていておいしかったです。
 
ほかにもおいしいものがいっぱいでしたが、まずはここまで。