3月に父が亡くなり、同時に娘と孫の同居開始で、まわりから「今は気を張っているからいいけれど、近いうちに疲労がどっと襲ってくるから気をつけて」と警告されていました。
で、警告通り、暑さもあってハンパない疲労に襲われておりまする……って半分ウソ。疲労に襲われているんだよーを言い訳に、読書と映画鑑賞(ってWOWOWの放映がほとんどなんだけれど)に逃げております。
だから最近読んだ本と観た映画を記録しておくことにします。
まずは本から
「相田家のグッドバイ」森博嗣 幻灯社
実家の整理に追われている、という話をしたら、やはりお父様を亡くされて実家の後片付けに奔走しているという友人から勧められました。大学の先生の語り手とその妻の2人を軸に、家族の人間関係を淡々と書いているのだけれど、親子、夫婦の距離感の取り方がとても参考になりました。とくに主人公のお父さんがいい。見習いたい生き方です。

「喜嶋先生の静かな世界」 森博嗣 講談社
相田家の語り手の若い頃の話。大学工学部の研究がテーマになっていて、たぶんこれは著者(工学部の教授)の経験と考え方が反映されているのだと思います。私がぐっときたのは、「何か一つのことに一生懸命取り組んでいくうちに、高い山の頂まで登った感触を得ることできて、そうなると遠くまで見晴らすことができるし、もっと高い峰があることもわかる」というようなことが書かれた箇所。すごくわかる。よく「道を究めた」とかいう人がいるけれど、それは究めたわけじゃなくて、もっともっとすごい世界があることがわかった、というだけなんだと思う。しかし、ラストは衝撃だった。淡々と書かれているだけに衝撃の度合いは強かった。

「集団的自衛権と安全保障」
豊下楢彦 古関彰一著 岩波書店
お昼を食べながら国会中継を見ることが何回かあって、安保法案の審議を見ていたのだけれど、さっぱりわからなかったのでkindleでぽちりました。で、読み始めたらその日の午後はまったく仕事にならず一気読み。怒りと不安でいっぱいになり、翌週に国会前の集会に行きました。集団的自衛権と安全保障について初めてわかったような気になったのだけれど、1冊だけですませてはいけないなと思ったので、 

「平和のための戦争論」植木千可子著 ちくま新書
も読みました。これまたわかりやすく、かみくだいて「安全保障の環境は本当に大きく変わったのか?」「戦争を防ぐための戦争はありうるのか?」 について軍事データを出しながら論じています。
2冊ともかなり冷静に現在の世界の安全保障環境について論じていて、私の頭にはすんなり入ってきました。だからこそ憲法改正の前にはもっともっと議論が必要なんじゃないか、と思います。

「男はつらいらしい」 奥田祥子著 新潮新書
「男性漂流」 奥田祥子著 講談社α新書
同じ著者による、現在の日本社会における男性がおかれた状況と位置づけに迫った本。10年以上かけて対象者を追いかけ続けた渾身のルポで、何がいいって彼女(独身)が男性にとてもやさしいこと。彼女のようなやさしさを持っている男性を私は知らないなあ。2冊続けて読んで、別に現代でなくても男性ってほんと辛いんだなあ、しんどいんだなあ、と思いましたです。プライドとかさっさと捨てたらいいのに。
 
「黒い迷宮 ルーシー・ブラックマン事件15年目の真実」
リチャード・ロイド・バリー著 濱野大道訳 早川書房
元英国航空客室乗務員だったルーシー・ブラックマンが 、一稼ぎしてくるといって東京にやってきて、六本木のクラブで働いていたところ、こつ然と姿を消し、やがて織原という男性が容疑者として浮かぶ。捜査の末、ルーシーの遺体が発見され織原逮捕。だが、状況証拠だけでルーシー殺害容疑については有罪にできず、別の女性の傷害致死で有罪。という事件をタイムズ紙の東京支局長である著者が追いかけたルポルタージュ。日本の警察が無能だとか、司法制度がなっとらんとか、いろいろ批判もしているのはさておき、外国人、とくに金髪碧眼の西欧女性に対する日本人の反応というのが興味深かったです。それと、東京の裏社会の闇は深いなあ。

「 ロズウェルなんか知らない」 篠田節子著
観光資源が何にもないさびれた地方の町を、オカルトとUFOによって観光地化しようと奮闘した人たちの話。ディズニーランドだって作りモノ、幻想を売っている、ならなんでオカルトを作って観光資源にしちゃいけないんだ、というくだりにぐっときました。だいたいにおいて、世界遺産だってある意味作りものだもんね。ストーリーしだい。なんかね、これ読んだからじゃないけれど、観光地に観光に行くのがすごくアホらしくなりました。

そして、実川元子今年すでにNO1の呼び声が高い本があるのですが、そろそろ夕飯の支度をせねばならないのでまた明日にでも。