試合前からドキドキしていました。
一つは、同志から「ヤットが先発を外れるらしい」とメールが来たこと。そして「堂安がFWで先発らしい」とも。わ、遠藤、今野、アデミウソンという中心選手を欠いて、いったいどんな試合になるんだろう? でも、このドキドキは楽しみな胸の高まりでした。
もう一つは、ガンバのサポーターグループがナチス親衛隊SSのシンボルマークに酷似したマークを使用し、その旗をセレッソとのダービーマッチで降っていた、というとんでもない出来事を受け、ホームでもアウェイでもスタジアムで当分の間フラッグや弾幕の掲出を禁止する、とクラブ側が通達を出したことによるドキドキです。ゴール裏の雰囲気はどうなのだろう? お客さんは入るだろうか? こちらは不安のドキドキでスタジアム入りしました。
試合結果はご存知の通り。キックオフ直後から、全員が躍動し前線は藤本を中心に前から追い込んでプレスをかけ、ボールを奪うとほぼ瞬時に前を向いてゴールを目指す、といういいときのガンバの攻撃が機能していました。レフティが3人もいるって(藤本、藤春、堂安)いいもんですね。
守っては井手口が躍動。ちょっと早めに飛び込みすぎなところはあるし、ボールの奪い方も明神さんよりせいてはいたけれど、すばやく奪って、即座に攻撃に移る姿勢は、ガンバのサッカーの進化形を体現していました。先取点はその姿勢が実ってまずは井手口。
そして攻守のバランスをとり、前線とディフェンスラインのつなぎ役として倉田が非常によく効いていた。 いつもの運動量をキープしながら、試合運びの緩急をうまくつけている姿を見てうるうる来ましたよ。4年前に「ガンバの未来は倉田にかかっている」と書いた記憶があるのですが、やっと、やっと、やっと、倉田の時代が来たな、と心震わせました。
この試合は全員にMOMをあげたいところだけれど、私の目に光ったのは泉澤でした。ドリブルで仕掛ける選手が倉田くらいしかいなくてもどかしかったのですが、そうか、倉田とは違うタイプで仕掛ける選手が現れた! と興奮しました。ボールを持つと、何かやってくれそうな期待感がふくらむ選手です。6−0とした後半残り10分。いつものガンバだったら押し込まれているうちにポロっと失点してサポをがっくりさせてしまうのですが、最後の最後までクリアボールを拾ってドリブルしていき、前線に繋げる泉澤に危うく惚れてしまいそうでした。いや、惚れたっていいんだけれどね。
そして翌日にもう一度試合を見直したら、藤本が攻守にものすごく効いていた! ポジショニングよし、パスの展開よし、プレースキックの選択肢もヤットさんにはないものを持っていて、さすが! の一言。移籍して1年半。藤本の進化と真価を見ましたよ。
ほかの選手もみ〜んなよかった。スタメンデビューでJ1初得点の堂安、やはりガンバでのスタメンデビューで精力的に走り回った赤崎。「超惜しい!」チャンスをつぎは決めよう! J1初得点で無失点に押さえた三浦、ほぼノーミスで攻撃参加やフォローもすごくよかったジョンヤ、驚くほどパス精度が上がっていたジェソク、囮になる技も出してきた藤春、 もちろん神セーブ2回の東口。(交代選手は割愛)
ガンバ6得点の平均年齢は21.8歳(20+25+28+18+2+18➗6)。若いですね〜〜〜 世代交代の光が少しだけ見えてきました。
さて、もう一つのドキドキについても書かねばなりません。それはガンバサポであることを公にしているものの義務だから。
今回SS酷似マークを使用したサポーターグループについて、その存在はもちろん知っていました。スキンヘッドにグラサンのリーダーは目立つし、グループの人数も多くてそろって目立つ外見なので存在は目に入ります。ただ、言い訳に過ぎませんが、問題の旗にもエンブレムにもまったく気づいていませんでした。気づいていないからといって、ガンバサポの一人としてゴル裏にそんな旗が掲出されたことを「私は知らなかった」で済ませてしまうわけにはいかない。
もちろん、恥じています。ガンバサポとしても、そしてJリーグファンとしても、サッカーファンとしても、本当に恥ずかしく忌むべきことだと思っています。だから、6得点で盛り上がった試合後もどこか「わーい!」と手放しで喜べませんでした。
今回の件への対応で、私が違和感を覚えたことが2つあります。
1つはクラブ側からの「掲出したサポーターグループに「い政治的意図はなかった」というコメントです。
え? どういうこと? と目を疑いました。メディアでも、ナチスがどんなことをやったのか知らないという無知ゆえの愚行、とか書いているところがあって、おいおいおい、ちょっと待て、あのマークをエンブレムや旗に使って振り回している時点で、政治的意図もあれば歴史の知識も十分あるでしょ。ナチス親衛隊を「かっこいい」と思って、あのマークを使った。その時点で十分すぎるくらいの政治的意図があり、意図を表明してのあのシンボル使用でしょ。だから「無知ゆえの愚行」では決してない。意図的な犯行です。しかも、クラブ側から再三注意を受けてきたにもかかわらず、使い続けた、とのこと(メディア情報だけれど)。もうどんな言い訳も通用しないし、許されることではありません。
単に人を不愉快にさせた、騒がれてクラブやチームや他サポに迷惑をかけた、罰金や罰則、わーたいへん、とか、そういう次元で話を終わらせないでほしい。今回の事件は「スポーツと差別と政治」の今後を、ガンバだけでなく、またサッカーだけでなく、スポーツファンだけでなく、日本社会全体が話し合って考えていくべき大問題だと思います。
2つ目の違和感は、応援旗や弾幕、ゲーフラがなくなったガンバゴル裏の風景が「さびしい限り」と書いているメディアが多かったこと。枕詞ですか? というくらい「さびしい」の連発。いやいやいやいや、現場にいた私は思いましたよ。「なんだ、旗とかなくても十分に盛り上がるじゃないか」
もちろん応援旗もゲーフラも大好きで、スタジアムを彩るし、選手も励みになるだろう、と思っています。でも、だからと言って、それがスポーツの応援のすべてではない。というか、応援のほんの一部だと思います。ゴル裏は手拍子とチャントで大いに盛り上がったし、とても楽しめました。スタジアムの一体感も少しも薄れていなかった。むしろ、メインやバックのお客さんとの一体感をよけいに感じました。
これまた、応援旗や弾幕を掲出するかしないか、という次元に止めることなく、スポーツ観戦のあり方自体を考えるきっかけとなってほしいです。
よく「スポーツと政治を切り離さねばならない」と言われます。それはスポーツの現場において政治について語らない、ということではないのです。スポーツと政治がどういう関係であれば、スポーツをする人も、見る人も、気持ちよく楽しめるか。そのためにスポーツと政治の関係の「負」の側面についても表に出して、口に出して、議論をしなくてはならない、と私は強く思っています。コアサポ(→なんだよ、その言い方、といつも思う)のやったことだから、ガンバのサポーターって本当によく問題起こすよね、とそんな風に矮小化して、我存ぜぬで済ませていいことじゃない。
今回の「事件」を、一サッカークラブの問題として片付けることなく、深いところまで掘り下げて考え、話し合うことが、これからのスポーツ界、そして大げさかもしれませんが日本社会にとって必要なことではないでしょうか。
事件がガンバ史に汚点を残したことは間違いありませんが、それを少しでもプラス(正)の方向に変えるために、1サポーター、1サッカーファンとして以上の頑張りが必要だな、と心しています。
ガンバクラップもいつも通り。ヤットさん、見えてますよー、そのやる気なしなしのクラップが。
一つは、同志から「ヤットが先発を外れるらしい」とメールが来たこと。そして「堂安がFWで先発らしい」とも。わ、遠藤、今野、アデミウソンという中心選手を欠いて、いったいどんな試合になるんだろう? でも、このドキドキは楽しみな胸の高まりでした。
もう一つは、ガンバのサポーターグループがナチス親衛隊SSのシンボルマークに酷似したマークを使用し、その旗をセレッソとのダービーマッチで降っていた、というとんでもない出来事を受け、ホームでもアウェイでもスタジアムで当分の間フラッグや弾幕の掲出を禁止する、とクラブ側が通達を出したことによるドキドキです。ゴール裏の雰囲気はどうなのだろう? お客さんは入るだろうか? こちらは不安のドキドキでスタジアム入りしました。
試合結果はご存知の通り。キックオフ直後から、全員が躍動し前線は藤本を中心に前から追い込んでプレスをかけ、ボールを奪うとほぼ瞬時に前を向いてゴールを目指す、といういいときのガンバの攻撃が機能していました。レフティが3人もいるって(藤本、藤春、堂安)いいもんですね。
守っては井手口が躍動。ちょっと早めに飛び込みすぎなところはあるし、ボールの奪い方も明神さんよりせいてはいたけれど、すばやく奪って、即座に攻撃に移る姿勢は、ガンバのサッカーの進化形を体現していました。先取点はその姿勢が実ってまずは井手口。
そして攻守のバランスをとり、前線とディフェンスラインのつなぎ役として倉田が非常によく効いていた。 いつもの運動量をキープしながら、試合運びの緩急をうまくつけている姿を見てうるうる来ましたよ。4年前に「ガンバの未来は倉田にかかっている」と書いた記憶があるのですが、やっと、やっと、やっと、倉田の時代が来たな、と心震わせました。
この試合は全員にMOMをあげたいところだけれど、私の目に光ったのは泉澤でした。ドリブルで仕掛ける選手が倉田くらいしかいなくてもどかしかったのですが、そうか、倉田とは違うタイプで仕掛ける選手が現れた! と興奮しました。ボールを持つと、何かやってくれそうな期待感がふくらむ選手です。6−0とした後半残り10分。いつものガンバだったら押し込まれているうちにポロっと失点してサポをがっくりさせてしまうのですが、最後の最後までクリアボールを拾ってドリブルしていき、前線に繋げる泉澤に危うく惚れてしまいそうでした。いや、惚れたっていいんだけれどね。
そして翌日にもう一度試合を見直したら、藤本が攻守にものすごく効いていた! ポジショニングよし、パスの展開よし、プレースキックの選択肢もヤットさんにはないものを持っていて、さすが! の一言。移籍して1年半。藤本の進化と真価を見ましたよ。
ほかの選手もみ〜んなよかった。スタメンデビューでJ1初得点の堂安、やはりガンバでのスタメンデビューで精力的に走り回った赤崎。「超惜しい!」チャンスをつぎは決めよう! J1初得点で無失点に押さえた三浦、ほぼノーミスで攻撃参加やフォローもすごくよかったジョンヤ、驚くほどパス精度が上がっていたジェソク、囮になる技も出してきた藤春、 もちろん神セーブ2回の東口。(交代選手は割愛)
ガンバ6得点の平均年齢は21.8歳(20+25+28+18+2+18➗6)。若いですね〜〜〜 世代交代の光が少しだけ見えてきました。
さて、もう一つのドキドキについても書かねばなりません。それはガンバサポであることを公にしているものの義務だから。
今回SS酷似マークを使用したサポーターグループについて、その存在はもちろん知っていました。スキンヘッドにグラサンのリーダーは目立つし、グループの人数も多くてそろって目立つ外見なので存在は目に入ります。ただ、言い訳に過ぎませんが、問題の旗にもエンブレムにもまったく気づいていませんでした。気づいていないからといって、ガンバサポの一人としてゴル裏にそんな旗が掲出されたことを「私は知らなかった」で済ませてしまうわけにはいかない。
もちろん、恥じています。ガンバサポとしても、そしてJリーグファンとしても、サッカーファンとしても、本当に恥ずかしく忌むべきことだと思っています。だから、6得点で盛り上がった試合後もどこか「わーい!」と手放しで喜べませんでした。
今回の件への対応で、私が違和感を覚えたことが2つあります。
1つはクラブ側からの「掲出したサポーターグループに「い政治的意図はなかった」というコメントです。
え? どういうこと? と目を疑いました。メディアでも、ナチスがどんなことをやったのか知らないという無知ゆえの愚行、とか書いているところがあって、おいおいおい、ちょっと待て、あのマークをエンブレムや旗に使って振り回している時点で、政治的意図もあれば歴史の知識も十分あるでしょ。ナチス親衛隊を「かっこいい」と思って、あのマークを使った。その時点で十分すぎるくらいの政治的意図があり、意図を表明してのあのシンボル使用でしょ。だから「無知ゆえの愚行」では決してない。意図的な犯行です。しかも、クラブ側から再三注意を受けてきたにもかかわらず、使い続けた、とのこと(メディア情報だけれど)。もうどんな言い訳も通用しないし、許されることではありません。
単に人を不愉快にさせた、騒がれてクラブやチームや他サポに迷惑をかけた、罰金や罰則、わーたいへん、とか、そういう次元で話を終わらせないでほしい。今回の事件は「スポーツと差別と政治」の今後を、ガンバだけでなく、またサッカーだけでなく、スポーツファンだけでなく、日本社会全体が話し合って考えていくべき大問題だと思います。
2つ目の違和感は、応援旗や弾幕、ゲーフラがなくなったガンバゴル裏の風景が「さびしい限り」と書いているメディアが多かったこと。枕詞ですか? というくらい「さびしい」の連発。いやいやいやいや、現場にいた私は思いましたよ。「なんだ、旗とかなくても十分に盛り上がるじゃないか」
もちろん応援旗もゲーフラも大好きで、スタジアムを彩るし、選手も励みになるだろう、と思っています。でも、だからと言って、それがスポーツの応援のすべてではない。というか、応援のほんの一部だと思います。ゴル裏は手拍子とチャントで大いに盛り上がったし、とても楽しめました。スタジアムの一体感も少しも薄れていなかった。むしろ、メインやバックのお客さんとの一体感をよけいに感じました。
これまた、応援旗や弾幕を掲出するかしないか、という次元に止めることなく、スポーツ観戦のあり方自体を考えるきっかけとなってほしいです。
よく「スポーツと政治を切り離さねばならない」と言われます。それはスポーツの現場において政治について語らない、ということではないのです。スポーツと政治がどういう関係であれば、スポーツをする人も、見る人も、気持ちよく楽しめるか。そのためにスポーツと政治の関係の「負」の側面についても表に出して、口に出して、議論をしなくてはならない、と私は強く思っています。コアサポ(→なんだよ、その言い方、といつも思う)のやったことだから、ガンバのサポーターって本当によく問題起こすよね、とそんな風に矮小化して、我存ぜぬで済ませていいことじゃない。
今回の「事件」を、一サッカークラブの問題として片付けることなく、深いところまで掘り下げて考え、話し合うことが、これからのスポーツ界、そして大げさかもしれませんが日本社会にとって必要なことではないでしょうか。
事件がガンバ史に汚点を残したことは間違いありませんが、それを少しでもプラス(正)の方向に変えるために、1サポーター、1サッカーファンとして以上の頑張りが必要だな、と心しています。
ガンバクラップもいつも通り。ヤットさん、見えてますよー、そのやる気なしなしのクラップが。
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