スタメンを見た瞬間、悪寒がしました。グループステージ突破のためには、勝つしかない試合のはず。大宮戦の良い流れをつなげよう、という気持ちはなかったのか。
大宮戦のとき、一緒に観戦していた人が言いました。
「ジョンヤはメンタル弱いんや。ミスをしたら、ずっとそれを引きずってボロボロになる」
2点リードで迎えながら、最終ラインのジョンヤが何ということのないロングボールをクリアしようとして足を滑らせ、失点。そこで流れが変わりました。
ジョンヤのプレーはかばいようがない。でも、前半その前からジョンヤは小さなミスを繰り返していて、私はハラハラしていました。今日はジョンヤがあかん日。メンタルがボロボロの日。だから、腹は立ったけれど、まあ、ジョンヤだから仕方ないね、とどこかで諦めがありました。それはもうすんだこと。
私が許せない、と頭に血が上ったのは、長谷川監督です。なぜヤットさんをスタメンに戻した? いや、理由はわかりすぎるくらい分かっています。なぜなら、長谷川監督だから。
私が「また遠藤スタメンか!」と落胆と怒りのメールを送ったら、同志から「今日はヤットのメーターが上がるはず」とポジティブなメールが来ました。同志、いつもながら超ポジポジ。私が「もうあかん、今日はあかん」というときにも、どこかにいいところを見つけようとする。偉い! サポの鏡。
しっかし、いくら気持ちのメーターが上がっても、もはや身体がついていかない37歳のヤットさんがピッチにいました。
ガンバが9つもタイトルを獲れたのは、ヤットさんの功績が大きいです。
長年、日本代表でも中心選手だったおかげで、ガンバの知名度は上がったし、クラブの評価も高まりました。
遠藤保仁選手はガンバのレジェンドです。ヤットさんがガンバの選手であることが、私は本当に誇らしい。今でも「どのクラブのサポーターか?」と聞かれると、「遠藤保仁選手がいるガンバ大阪です」と胸を張って答えますよ。そんなガンバサポは決して私だけじゃないはず。
だから、ヤットさんを大事にしてほしい。敬意を払ってほしい。遠藤シフトみたいな3バックは決して敬意を払っていませんよ。ヤットさんが輝けるような使い方をしてほしい。
ヤットさんがPKを外したとき、チームは誰も慰めにいきませんでした。ヤットさんの肩を叩きにいける選手は、せいぜい今野選手くらい。あとの選手たちは偉大なレジェンドにふれようともしない。みんなビクビク、顔色をうかがいながら、窮屈そうにプレーしていました。大宮戦であれだけ躍動していた井手口選手も鳴りを潜めていた感じ。さすがに倉田選手はあまり変わらないプレーではあったけれど、チームの采配をふるう役割を譲ったせいか、大人しかったです。
ジョンヤが足を滑らせたのはミスだけれど、ヤットさんのボールロストやプレッシングの弱さはミスではない。ミスは監督にあります。勝利のために、チームのためにヤットさんをどう起用するかを考えることをせず、チームの足を引っ張るような形でACLグループリーグほぼ敗退へと導いてしまった監督は、遠藤保仁というレジェンドに対する敬意はもちろん、遠藤保仁を誇りに思い、愛しているサポーターに対する敬意も著しく欠いている、と私は思いました。
ロスタイム、同点に追いつかれた後、呆然としてしばらく同志にメールが送れないほどでしたが、そのあとに泣きたくなるほど哀しくなりました。
また、おもしろく刺激的なサッカーで輝くガンバが見たいです。そんなガンバサッカーの輝きの中心にいるのは、たぶんヤットさんではないでしょう。でも、若い選手たちを輝かせる側にいてほしい。
まちがっても、ガンバをブラックホールに落としていく中心にレジェンドを置かないでほしい。