4月から我が家に海外からやってきた留学生がホームステイしています。留学生、だけでなく、旅行や研修でやってきた人たちが我が家にしばらく滞在する、ということを始めてからすでに20年以上が過ぎました。先日、「いったい何人がホームステイしたのかな?」と数えようとしましたが、30人まで数えたところで挫折。たぶん40人は超えています。国籍も数えたんだけれど、こちらも18カ国まではすぐに思い出せたけれど、それ以上数えるのが面倒になったのでやめました。
きっかけはなんだったのか、と記憶をたどっていて、思い出しました。下の娘は小学3年生から6年生まで、青山にあった「こどもの城」で開催されていたサンバ教室に通っていました。あるとき「カナダからやってくる子どものホームステイ先を探しています」というチラシをこどもの城から持って帰ってきて、「ねえねえ、泊めてあげて!!!」と熱心にせがむので、2人の娘さんを預かったのが最初でした。娘はもう大興奮で、一緒におりがみを折ったり、お互いに好きな歌を教えあったり、夜は畳の上で枕を並べて眠って、この上もなく楽しかったらしい。
その後、長女がAFSという高校生の交換留学機関でチリに留学し、そこでのホストファミリーの息子さんが日本に留学していたので学校が休みの間うちに泊まってもらったりしているうちに、「ホストファミリーをお願いできませんか?」と頼まれるようになり、今にいたっています。AFSだけでなく、娘の学校が提携している海外の学校の先生が研修で日本にやってきたときに宿を提供したり、私の仕事の関係者が「しばらく日本の大学に通うので泊めてほしい」と転がりこんできたり、と若者ばかりでなく社会人にも宿を提供してきました。
でも、こういうことをまったくの無償奉仕でやっているというと、なにかと言われます。「他人を家にいれるなんて、危なくないのか?」「食費くらいはもらっているんでしょ?」「人が泊まれるくらい広い家に住んでいるんだね」「よくご主人ががまんしているね」「英語がしゃべれるからできること。うちは無理だ」「ほんとに好きだよね〜〜」「えらいね〜〜(あきれている口調)」、そしてとどめが「なんのためにそんなことやってるんだ?」
一応言っておくと、たしかに海外からやってきた他人を泊めていますが、誰でもっていうわけではなく、よく知っている人から頼まれて素性がはっきりわかっている人にしています。履歴書をもらい、事前に本人とメールでやりとりをして「この人ならまあ大丈夫かな」という人を選ぶこともしています。ついでにいうと、子どもたちはもちろん、夫も海外の人たちと交流するのが好きで、私が食事や洗濯など日常生活の面倒をみる担当とすると、夫は張り切ってエンターテインメント(観光、外食など)を担当しています。
先週末、関西の母のところに行ったとき、「いまうちにまた留学生がホームステイしている」というと、母が「あんた、その歳でまだそんなことやっているの! 子どもも独立して、いまさら海外の人を泊めたって意味ないやろ。お金ももらわんで、他人に無償奉仕っていい加減にしなさいよ」とほぼ叱られる口調で言われました。
まさか自分の母親からそんな非難を受けるとは思っていなかったのでしばらく絶句し、帰り道で「いったいなんのために? どんな意味が?」といまさらながら考えてしまいました。
そして2日考えての結論。
20年もやってきたことについて、なんのために? とか、どんな意味が? なんていまさら考えることに意味はない。
人助けをしたいから、とか、海外の人との交流が好きだから、とか、頼まれるといやと言えない性格だから、とかいろいろと引き受ける理由を探しましたが、どれもあたっていない気がします。
強いて言えば、ただ「おもしろいから」なんですね。他人と暮らすと面倒なことがいっぱいあるし、疲れるし、むかっとして喧嘩することもある。人によってはありがとうという言葉もあまり期待できないことさえある。帰国したあと、掃除をしながら「やれやれ、せいせいした」とほっとすることも多い。
それでもおもしろいんですよ。異なる文化で育つとこんな考え方になるんだ、ということを身をもって知るのがおもしろい。反対に、異なる文化で育っても、人間ってつきつめていっくとみんな同じだな、と思うことも多い。それは寝食をともにして、かなりつっこんだ話をしないとなかなか肌身で感じられないことだとこのごろ思います。あ、意味づけをしちゃいましたね。
単におもしろいだけではやっていけない、という人もいるでしょう。余裕があるからできることだ、と言われるのももっともです。そして、我が母を含め「目に見える価値がないことにお金と労力と時間を費やすことはばかである」と考える人が多いことも認めます。
でもね、短い人生。おもしろいことをやって生きていけたら最高じゃないですか? でもって、私にとっては、異文化で生きている人たちと寝食をともにすることがすごくおもしろい! 
あとどれくらいこんなことができるかわからないけれど、体力と気力が続くかぎりは「うちにおいでよ! いいよ、しばらく泊まっていっても」と言う人たち(夫を含む)でいたいです。 

1974年フランスに留学していたとき、私も学校が休暇になるとあちこちの家にホームステイしていました。同級生で親友だったドイツ人の家には、のべ1ヶ月近くいたこともあります。
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