1975年から1年間フランスに留学していたのをふくめて、フランスを訪れるのはこれが9回目になります。9回が多いか少ないかわからないし、それほど思い入れを持ってフランスを観察してきたわけではないのですが、1975ー76、1978、2000、2002、2004、2011、2013、2016、2019と訪れてみて、この国もやはり大きく変わったなあと思います。とくに大きな変化を感じたのは、EUROに加盟したあと、そして今回でした。
昔はよかった、とかは全然思いませんが、70年代に留学していたときに私が持っていたフランスに対するイメージは、いまやまったく通じないなあ。根幹にあるものは変わらないのでしょうが、根幹の10センチくらい上のところにあるくらいの文化だの気質だのはずいぶん変わったように思えます。
移民が増えた、とか、パリの観光地にはシーズンもあって大量の中国人観光客が団体で歩いていて、でも日本人にはついに出会わなかったとか、街中にふつうにマクドナルドとかスターバックスがあるとか、本屋に並んでいるベストセラーがフランスの作家以上にアメリカものとかアフリカ、アジアの作家ものが多くなっているとか、街行く人の服装がこれでもかというくらいカジュアル化しているとか、一旅行者にはそんなことが目につきます。
2016年にはあまり気づかなかったけれど、今回はシェア自転車とキックボードが異様な勢いで増えていて、とくにキックボードは自転車と並ぶ移動手段として定着してきている感があります。自動車がステイタスシンボルではなくなっていることを感じさせました。
また以前には肥満の人があまり目につかなかったのだけれど、今回は地方にいったせいかもしれませんが、歩くのさえもたいへんそうなほど肥満した人たちが目につきました。テレビでお菓子やスナックのCMが流れると、必ず下に「健康のために食べすぎに注意しましょう」とかいうテロップが流れるのですよ。2004年に訪れたときには、パリの知り合いのマダムが「最近は健康志向とかで、猫も杓子もジムに通っている」とか言いながら、自分も週3回トレーニングしていましたが、そういう人たちがいる一方で、不健康に太っている人も増えているのではないか。健康に関しても、二極化が進行している印象を持ちました。
そして私がフランス語で話しかけると、いきなり英語で答える人たちが増えました。っていうかそんな人たちばかりだった。しかも英語で教えてくれる情報が、英語力のせいなのか、それとも情報不足か、まちがっていることが多くって、英語で答えてくれたことをもう一度フランス語で確認しなければならない。その昔、英語をあれほど嫌っていたフランス人はどこにいってしまったのでしょうか。でも、実は私もややこしい話のときには英語のほうが楽なので、助かっちゃったりするんですけれどね。
というようなことを、シャルル・ド・ゴール空港で書いています。
そろそろ搭乗かな。
家に帰るまでが遠足。まだ気を引き締めていきます。

(追記)無事帰国しました。いま帰国後の洗濯、掃除、そして旅行経費精算を終えたところ。フランス、物価が高かったなあ。ポーランドに比べるとぎょっとする高さでした。ハイシーズンとはいえ、ホテル代とか3倍。フランスではろくなものを食べなかったけれど、それでも高い。ホテル近くのパン屋さんで聞いたら、お惣菜パン(小さいものでも3〜5ユーロくらいする)はあまり売れなくて、バゲット1本1ユーロが1番売れるのだとか。