このところ、締め切りが続きます。締め切りが明日、というとき、私は逃避の読書に走ってしまうとってもいけない性癖があります。
いま、目の前にある仕事とはまったく関係のない本に逃避して、なかなか戻ってこない。
この本読むことで、目が疲れて、体力が奪われて原稿が書けなくなるだろう?(自分に言い聞かせている)
ただただ時間がずるずるすぎていくだけで、 ますます自分の首を絞めることになるだろう?
わかってる、わかっているけれどね、あともう1ページだけ許して!(100%、あと100ページ読み終わるまで本を閉じないことは目に見えている)
この章を読み終わったら、ぜったいに本を閉じる、と言い聞かせているのに、気づくともうつぎの章に入っている。
(登場人物の)この人がどうなるか見えてきたらやめよう……読み終わるまで見えてこないことが自分でもわかっている。
だから長編はダメだ。短編小説だけにしよう……でも結局1冊読み終えるまで本は閉じられない。
で、ここんところの逃避で読んじゃった本をあげておきます(いや、そんなことしている場合じゃないだろう?>自分)
「老後の資金がありません」垣谷美雨(垣谷さんの本はどれも逃避中には決してページを開いてはいけない、とよーくよーくわかっているのに)
「アフリカを見る、アフリカから見る」白戸圭一(新書だし、ビジネスと政治の話だし、きっとこれなら大丈夫、数ページ読んだら仕事に戻れると思ったのに、予想外のおもしろさで結局読み終わってしまった。あーーーアフリカ行きたーい!!! あ、いかんいかん、アフリカの本をポチりかねない)
「東大で文学を学ぶ ドストエフスキーから谷崎潤一郎へ」辻原登(これまたきっとすぐに本を閉じられる、と思って読み始めたら、なに、これ、終わらないじゃない! 辻原さん、文学論も小説並みにおもしろいのか。本棚にずらっとならぶ谷崎(→大ファン)の文庫本に目がいかないようにするのに苦労した)
でもって今朝は「ボーダー 二つの世界」ヨン アイヴィ デリンドクヴィストをさっき読み終わったところ。もうね、書評しますよ、この本は。すごい本でしたよ、すごい小説でしたよ、すごい世界観でしたよ、これは。映画がいま公開中なんだけれど、ぜひとも見なくちゃ。ひさびさに出会った興奮の本でした。

というわけで、まだ原稿がぜーーんぜん進んでいない。
締め切りは目の前だ。