本格的(?)に外での活動を再開してからというもの、ばたばたと日々が過ぎていき、巣篭もり期間中と比較するとじっくり自分と世界に向き合う時間が減ってきてしまいました。いかんいかん。
だから日記も一週間ぶり。「巣立ち日記」では、あれしたこれした、という「活動」をできれば書きたくない、できればこんなことを考えたということを中心に書きたいと考えているのですが、そうすると考えていることを言葉に凝縮させる時間がとれないうちに日が過ぎていきます。
と、ここで気持ちを取り直して、初心に戻り、凝縮まではいっていなくても、その日考えたことをメモを元に書き記していくことにします。一週間分、とは行かないかもしれませんが。

6月3日(水)
 久しぶりに英文でややこそしい案件のメールをやりとりした。基本、ややこしいことを伝えることは日本語でも英語でもむずかしい。最初っから相手を敵対視した書き出しだと、怒りと非難の応酬になってしまって 、話がぐちゃぐちゃになる。でも、やんわり伝えようなんて思って書いたら、まーーーったくこちらの意図が伝わらないどころか、相手をつけ上がらせて(なんて言い方は悪いけれど)もっといいっていいのかと攻撃の度合いが増す。
 日本語だろうが、英語だろうが、相手から言われたことに対してこちらの反論なり、望む落とし所を伝えるのは本当にむずかしい。どういう感情が私の中にわき起こったかをまず冷静になって分析し……なんてやっていると、言いたいことの半分も言えないうちに終わってしまう。そもそも相手とこれからも付き合っていきたいのか、それともこれで切れてしまっても後悔はないか……と書き出す前から悶々と悩む。
 書いては消し、消しては書き、を繰り返しているうちに、やっと頭が英語モードに戻って、かなりストレートに怒りをぶつける言葉を並べて、ええい、もうこれでいく! と返信したときには、最初に書いた分量の3分の1まで減っていた。その後、相手からは返信なし。私のメールを読んで怒りがふつふつとわいているのかもしれないけれど、私のほうは言いたいことを言えた、という達成感でこの件は忘れることにした。それにしても……たった1通のメールを書くのに丸一日かかってしまったよ、とほほ。

6月4日(木)
 昨晩、はじめてオンライン読書会というのに参加してみた。下北沢にある「好奇心の森ダーウィンルーム」が毎週水曜日に開催している読書会で、コロナウィルス 感染防止のために、いまはオンラインのみの開催になっている。
 緊急事態宣言の外出自主規制中に、たまたまダーウィウンルームに入ったら、たまたま探していた本(『給食の歴史』藤原辰史著 岩波新書)あとで感想を書きます)を見つけて購入した。すると「読書会をやっています」とお知らせをいただき、たまたま関心を持って読みたいなと思っていた山本太郎著『感染症と文明』(岩波新書)をたまたま次回の会で取り上げるというのでさっそく本を購入し、一気読みしてものすごくおもしろかったので申し込んだわけだ。
「たまたま」を連発したが、「予期したことが実現するとか、実現してよかった気持ちをあらわす」(日本国語大辞典)という意味が一番近い。おもしろそうな店で、私好みの本がありそうと思って入ったら、案の定見つけることができ、この本を取り上げるのならきっといい話が聞けそうだと思ったらその通りだった、というわけ。この場合の「たまたま」は、偶然起こった出来事を意味しない。予期していた通りのことが実現した、という意味だ。
 キュレーターの鶴田想人さんの本の紹介と進行もツボを押さえていたし、参加した方たちの感想や視点もたいへんに刺激的だった。またぜひ参加してみたい。

6月5日(金)
 髪を切って、カラリングした。昨年10月から伸ばしっぱなしで、髪型どうしようどうしようと思っているうちに8ヶ月。髪がかなり傷んだこともあり、思い切ってショートにした。あ〜すっきり〜〜〜。手入れが楽です。
 カラーもどうしようどうしようと思っているうちにごま塩になってしまい、いっそこのまま白髪にして近藤サトさんをめざすか……と考えたりもしたのだが、まだ肌と髪につやがある50代ならともかく、お肌がまがってからすでにン十年たっていて、白髪にしわしわじゃ単なる「かまわないおばあさん」になってしまう。おばあさんになる勇気はまだない。年齢はおばあさんだとしても、ですよ。だからやっぱりカラリングした上に、部分メッシュまで入れてしまった。
 私はどうしても「おしゃれの業(ルビ:ごう)」が解脱できない。「もうファッションにとらわれないで生きていく」「人からどう見られるかではなく、自分が気持ちのいい外見でいい」といさぎよく思いきれない。それどころか、「出かけてはいけない」と言われながらも、おしゃれをしてどこかに出かけたくてたまらない。外出自粛期間中も時間があるとファッションサイトをぐるぐる巡って、この服にはあの靴が合うよね、ピアスはこれにしようかなと一人脳内ファッションショー。最近では服にマスクを合わせて……なんてコーディネイトを考えたりして、いったいどこまでおしゃれ業(ごう)が深いんだ。

観た映画(WOWOW):『ガリーボーイ』。実話を下敷きにした音楽映画。ポリウッドらしく予定調和のあらすじなんだけれど、ラップの歌詞の風刺がきいていて面白かった。

夕飯は鯵の刺身サラダ(魚屋さんで新鮮で大きな鯵が安価で売られているのを見つけ、3枚におろして刺身にしてみました。ヘタクソだから身がぼろぼろになったので、塩と酢でしめてお刺身サラダに)、牛ヒレステーキ、3色ピーマン炒め。金曜だから豪華ディナー
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6月6日(土)
 今年は梅が豊作なんだとか。ご近所から大量に分けていただき、今年も梅しごと。
 昨年は梅が不作だったのと、欧州に遊びに行ったりしていたので、梅しごとをしなかった。
 今年は初めてジップロックを使う方式でやってみた。これは便利で手早くできる。朝晩、重石を外して、保存容器をあおって塩を馴染ませる手間は必要もないし。
 6キロの下漬けしごとが2時間かからないで終わった。ジップロック万歳!

6月7日(日)
 北海道の遊牧舎という牧畜業者さんが、豚オーナーの募集をしていたので、半頭分のお肉を1年に分けて送ってもらうように注文をした。遊牧舎さんでは、豚を近隣農家の野菜と草を餌にし、一年中屋外で放牧して育てているとか。雪の中でも豚さんが元気に走り回っている画像を見て、これは健康そうで、何より美味しそう! とすぐに申し込んだのだ。
 先月末につぶして解体された分から、今月はロース肉2キロが送られてきた。チルドで届いた肉を、届いてから一週間は寝かせてください、ということだったので、ちょうど今日が食べ頃。
 できるだけ厚手に切って、とんかつかトンテキでお召し上がりください、決して火を通しすぎないように気をつけて、という注意書き通り、2.5センチの厚さに切って、低めの油で5分揚げてトンカツにした。一緒に届いたスペアリブは、下茹でしてからじっくり弱火で1時間半オーブンで蒸し焼き。
 元気に遊び回って育った豚さんの肉は、みずみずしく、脂身までもがさっぱりしていて、「美味! 滋味!」という表現がぴったりだった。招待した娘たち一家も堪能し、大満足の豚曜日だった。
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観たドラマ:娘から『椿の咲く頃』という韓国ドラマを勧められたのだけれど、検索をかけているときについ見始めた『トッケビ』にはまってしまった。主演のコン・ユも素敵だけれど、同じく主演のキム・ゴウンがたまらなくかわいい。何よりもこのドラマがヒットしたポイントは、脚本にあると思う。といっても、まだ2話しか観ていないのだけれど。

6月8日(月)
 今年3月に予定されていた創玄書道展は中止になり、私の初受賞作品は展示されないで終わった。受賞の感慨はそのせいかほとんどなく。自分が何を書いたのかの記憶も薄れつつあった今日、作品が返却されてきたので、広げて写真を撮影した。
 疾風勁草—苦境や厳しい試練にあるとき、意志や節操が堅固な人であることがわかる、というたとえ(gooより)この意味よりも、ぴゅーっと音を立てて吹く風に、根元から倒れながらも折れないで立ち上がる草の感じを表現したいと考えて書いた作品。私の記憶では最後の錬成会で、最後のほうに書いたものを提出したはず。なぜなら「艸」の字にばっちり墨が入っているのは、「そろそろ終ろう、でも墨を使い切ってからにしたい」とかケチくさいことを考えたおかげのような気がするから。
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読んだ本:『給食の歴史』藤原辰史著 岩波新書
こんなに私の関心のツボ(食、子ども、食育、政治)を押しまくってくれる本を今まで見逃していたなんて! これはもう別立てで感想を書かねばなりません。