先日、月に1回通っている歯医者に行ったとき、医師から「60歳でぽろぽろ歯が抜けてしまうだろうと思っていたら、予想外に長持ちしていますね。これも月に1回必ず通院し、日々の手入れを怠らずに続けてこられたからです」とお褒めの言葉をもらいました。
猛烈な歯痛と顎関節症に悩まされて歯医者に駆け込んだのは、49歳の時でした。それから歯茎が腫れて(しょっちゅう腫れた)ウミを出してもらったり、歯茎と歯の隙間を切開して消毒して薬を入れてもらったり(保険がきかない高額治療で泣いた)、マウスピースを作ったり、10年間はまあいろいろと治療に明け暮れました。治療を受けるたびに「また歯茎が下がった」「歯がぐらぐらしている」などいろいろと言われて医師と一緒にため息をつき、60歳になろうとするとき「今後、もしも歯が抜けてしまったらどうするか?」を真剣に話し合ったりしていたのです。
と・こ・ろ・が、、、、この7年間ほどは、いわゆる「治療」は一度もしないですんでいます。それでも診察と口内の清掃のために月1回通院することは続けています。「歯がぼろぼろ抜けてしまうだろう」という呪いの言葉に縛られて(まさに呪縛ですね)、どんな仕事よりも優先して歯医者です。痛みもなく、不調もなく、行ったところで医師に診てもらって「どうですか?」「はい、別に何もありません」という会話(?)をかわし、診察して清掃してもらうだけですが、それでも月に1回、あの椅子に座らないとかえって不安。食べたら歯を磨かないと不安。
話変わって。2018年9月からほぼ毎日太極拳をしています。仕事が忙しくなると週に1、2回になったりしたこともありますが、基本的に毎日、少なくとも八段錦という準備体操みたいなのや一部だけでもやっています。今年はコロナ禍で外出ができずに少し余裕ができたこともあり、3〜6月は毎日全コース、7、8月は暑さでまた一部になりましたが、9月からはまた全コースやっています。太極拳もまた、毎日やらないと不安になってしまうのです。
いったい何が不安なのか? 自立した生活が送れなくなるかもしれない、という不安です。歯が悪くなると、認知症になる確率がものすごく高くなることは、身近なところでも何例も見てきました。足腰が弱くなると、転んで骨折して、そのまま寝たきりという例もいくつも見てきました。
いくらがんばったところで、あと20年もしたら、いや20年もしないうちに歯がぼろぼろ抜けて、足腰が弱くなって外出できなくなる日が来る可能性は高いです。やったって無駄かもしれない。何はさておいても歯医者の予定を優先し、食べたら強迫的に歯を磨き、毎朝汗水たらして太極拳をして、いったいそれが何の役に立つのか、と思うこともしばしばです。
「いったいなんのために?」と思うたびに、「でもやらないと、もっとひどいことになるかもよ」とささやく不安さまの声が聞こえてきて、やっぱりやるのです。
続けていくことに意味がある。続けていけば、なんかいいことがあるはず。そう信じて。