昨日行われた遠藤保仁選手の期限つき移籍にあたっての記者会見のまとめを今朝読んで、ガンバ大阪への感謝を何度も口にし、「ここ以上のクラブはない」と言い切ったヤットさんの言葉で涙腺が決壊した私です。
ヤットさんの「もっと試合に出たい」「もっと成長できるはずだ」という言葉を、朝から噛み締めています。このままガンバでレジェンドとしてたいせつにされる(言い方は悪いけれど、祭り上げられるという感じでしょうか)よりも、J2中位でもがいているジュビロに行ってイチからやってみたい、というヤットさんの気持ちが伝わってきて、そこでも涙腺決壊。
以前もヤットさんが最多出場記録達成直前のインタビューで「今、目の前の試合に出たい」という言葉に刺激を受けた私ですが、この記者会見でも大いに励まされました。(あの、突っ込まないでね。ガンバの、という以上に日本の至宝といっていい遠藤選手と、還暦をはるかに過ぎてまだぐでぐでしている自分を比べてどうするんだって言いたくなるでしょうけれどね)
ちょうど今、私自身が悩んでいたことに対して、前に進むスイッチを押してもらいました。ブラジルW杯前のインタビューで、ヤットさんがテレビカメラの前で言った「明日やろうはバカやろう」にもスイッチを入れてもらいましたが、あのとき以上にこの会見には強く背中をどやされた感じです。

ここ数年、私は仕事で周囲からよく「集大成」という言葉をかけられます。
「これまでの集大成として、この仕事をやってみませんか?」「集大成としてこの役職を受けてください」というようなオファーをいただくことが多くなりました。
たいへんありがたくて、 もちろんいただいたオファーは全部受けているのですが、「集大成」という言葉には実はときどき疑問を感じています。
そりゃ年齢とキャリア年数(40年を超えている)を考えたら、「集大成」って言いたくなるのもよくわかります。
でも、私自身はどんな仕事でも「この仕事でまた成長していきたい」といつも思って取り組んでいるつもりなんです。これまで積み重ねてきたものもたいせつだけれど、そこに依存したくない。集大成にするなんて嫌だ。むしろ新境地を開くつもりで取り組みたい。これまでの実績(ってたいしたことないけれど)をもとに、これなら楽々できるなんていうナメてかかって仕事をしたくない。
というところでいきなり話が介護に飛びますが、母のことを相談した医師から「安心と安全ばかりを求めたら、一気に老化が進行しますよ」と言われたことがあります。ボケても子どもがなんとかしてくれるだろう、しっかりした子どもがいるから大丈夫だ、と安心している高齢者はボケる確率が高くなる。つまずいたり転んだりしないために住宅を完全なバリアフリーにしたら、高齢者は筋力が衰えてほかのところでつまずいて骨折しがち。風邪を引かないようにと厚着して家にこもっていたら、糖尿病と心臓病、高血圧になるリスクが高まる。というのです。
ボケないようにするには、何歳になろうと新しいことに挑戦する。
つまずいて骨折しないためには、何歳になろうと筋トレと有酸素運動を欠かさない。
風邪をひかない(糖尿病や高血圧にならない)ためには、食生活に気をつけて、外出してしっかりからだを動かす。
「〜〜しないため」に用心して、あれをやらない、これもやめておく、もうできない、とするのではなく、もっと成長しよう、まだまだ挑戦を続けよう、と活動することが、実は一番リスクを回避できる生き方だと医師から教えられました。

「そうだ、まだまだこれからだ! もっと成長していこう」という気持ちを思い出させてくれたヤットさん、ありがとう!!
これからまた大きく成長して、またガンバに戻ってきてください。そのときを待っています!