ガンバ大阪 2−1 コンサドーレ札幌

一夜明けてもまだ脳内でそのプレーがリプレイされている選手がいます。
相手にとってとても嫌だと思われるプレーをする。
攻撃でも守備でもチームを救ってチームメイトから信頼を得ている。
終了のホイッスルが吹かれるまで緊張感をもってプレーを続ける。
驚異のスタミナ。
神出鬼没。
一つ一つのプレーが、ボールを持っているときも、ランニングも、ポジショニングにいたるまで的確。
そう井手口選手です。
この試合の私のMOM。
井手口選手はこの半年でうまい選手、頼れる選手、強い選手から、圧倒的な存在感を持つ選手に成長した、と思います。 
この試合だけでなく、リーグが再開してから勝っても負けても井手口選手のプレーは変わらずすごい。
スプリント回数や走行距離がリーグトップになることは減ったけれど、それなのにものすごい運動量を感じさせます。
ヤットさんの後継者探し、とかよくメディアで書かれていますが、私はそんな選手はいない、いらないと思っていましたし今も思っています。
遠藤選手は遠藤選手であり、ガンバの絶頂期に欠かせない選手であったことはまちがいない。けれども遠藤選手が出場しなくても、在籍していなくても、ガンバはガンバです。
そして井手口選手は井手口選手です。これからどんな成長を遂げていくのか。ガンバにどんな歴史を刻んでいくのか。ガンバは井手口選手によってどんな時代を築いていくのか。
そんなことがとても楽しみに思えた札幌戦でした。
もちろん、ほかの選手もすばらしかった。福田選手のすっぽん守備(佐藤主審、福田選手に出したイエローはちがうと思います。イエローを出すのであれば、札幌の選手にも出して欲しかった)、高尾選手のドリブル独走(攻撃が好きなんやろなあと思いますよ、高尾選手。でも、サイドバックだからこそあのドリブルでの持ち上がりとクロスが生きる!)、山本選手の正確なFKやクレバーなパス、そして井手口選手を「放流」しているかのようなコントロール、どれも素晴らしかった。
この試合、やっとこさ勝てたという試合だったにもかかわらず、なんだか大きな期待がふくらみました。試合後の殊勲者パトリックのたどたどしいながら言いたいことが伝わる日本語でのインタビューを聞きながら、そうだ、ガンバはもっと大きく成長できる、なんて思ったのでした。