ガンバの大きな意味での一時代が終わったな、というのが宮本さんの監督契約解除の報を聞いて思ったことです。
 前も書いたけれど、私は宮本さんが選手としても監督としても決して器用で突出した才能をもともと持っている人ではなく、むしろ努力型で先を見通して自分に何が足りないかを地道につぶしていくタイプなのだと思っています。監督としても、自分の色を出そうというよりは、状況に応じて地道に監督がやるべきことを教科書のようにやろうとしてきたのではないか。
 宮本さんは、1990年代後半から2000年にかけて、ガンバがまだ「お荷物」とか蔑まれ(💢)、「持っていてできる戦術はカウンターだけ」「でもそれが強みですよね」とかジュビロ戦でバカにされ(そしてチンチンにやられ)ていた時代に、ガンバをもう一ランク上のステージにあげるための「若手ホープ」として多くを期待されてトップチームに入団した選手でした。
 でも正直、私は宮本さんがJリーグ優勝チーム時のキャプテンで、ワールドカップに出場するまでの選手となるとは入団時には思っていなかったのです。ごめんなさい、見誤っていました。
 なぜ見誤ったかというと、シロート目にはプレーが地味だったからかもしれません。CBとして体格でやや劣る面を、読みの正確さと速さで補っていくタイプは、屈強CBとは見えません。シジクレイ選手と組むことで屈強部分はお任せし、自分は前に出てボールを狩る、シュートコースを切る、という頭脳面を担う。また最終ラインをぐーんと高く上げて、攻撃の圧を高める、という西野流も、ある意味1対1ではフィジカル負けする宮本さんのマイナス面を補うだけでなく、戦術の読みと落とし込みができる能力を発揮させたのだと思います。
 思えば西野さんがガンバの監督になる前、宮本さんがトップ昇格し、遠藤さん、山口さんが移籍してきたあたりから、ガンバは「栄光への道」(苦笑)を歩み始め、リーグ優勝し、ACLでも優勝し、その後にJ2降格を経て三冠達成した後まで、ガンバはずっとその「栄光(苦笑の自乗)」の時代の余韻を生きてきたのだと思うのです。その余韻というか残影だったのが、遠藤選手であり、宮本監督であり、そして山口ヘッドコーチだった。
 昨年遠藤さんが移籍し、今年は宮本さんが監督契約解除。
 もうそろそろ「栄光の残影」を追いかけるのはやめて欲しいし、レジェンド監督の解任が新生ガンバを築くための英断だった、と私は信じたいです。
 そして私も残影を振り払って、本当の意味でのガンバの新規出直しに期待しようと思います。
 
 ガンバフロントの方々、どうかガンバイズムだとか、超攻撃だとか、ガンバらしさだとか、そんなものをぜーーーんぶ振り払って、新しいガンバを一から作ってくれる方に監督をお願いしてください。
 道は険しいです。
 たとえどんなにすばらしい監督でも、今季は降格するかもしれない。
 でも、いま、安易にまた「栄光の時代の余韻」を追いかける監督を選んだら、今度こそ本当にガンバは再生できないまま終わってしまうかもしれないのです。
 そのことを肝に銘じて、年齢や国籍に関係なく、できればガンバとこれまで縁がなく、ガンバイズムなんてものにまったくとらわれない方を監督に選んでくださることを強く強く願います。