2004年に出版された拙訳書『ザ・ハウス・オブ・グッチ』(サラ・ゲイ・フォーデン著 講談社)が映画化され、来年1月14日から日本で公開されます。
このたび文庫化+電子書籍化されることになり、いま校正に励んでいるところです。単行本のときに翻訳原稿を入稿したら、編集者から「このままでは700ページ近くなる。なんとか削ってほしい」と言われて、四苦八苦して削り、著者の同意をもらってあらすじは変えないように整えたのですが、このたび映画化、文庫化にあたって、削った箇所を少し戻し、かつ17年前から大きく変わった業界と世界を踏まえて修正を入れています。うーん、なんというか、ただ翻訳するよりも苦労しているかも(愚痴です)。削った箇所を戻したからというだけでなく、やはりかなりボリューミーで、結局上下巻となりました。
でも、訳者の私が言うのもなんですが、非常におもしろいです。ノンフィクションだけれど、極上エンターテインメント。映画化されて当然だと思う。今までも何回も映画化の話が持ち上がっては、殺人事件が絡んでいるのでむずかしかったと聞いていますが、結審して服役して、すべて一応かたがついたから映画化できたんでしょうね。

そしてその映画。
リドリー・スコット監督で、主演はなんとレディ・ガガ。もう一人の主人公を演じるのはアダム・ドライバー。グッチ家の面々を演じるのは、アル・パチーノ、ジェレミー・アイアン、ジャレット・レト(怪優ですわ、相変わらず)。それにサルマ・ハエックなどいまをときめく名優ずらりでゴージャス! さすがグッチ。
音楽はBlondieの”Heart of Glass"。うーん、70年代ですね。(これ歌ったとき、デボラ・ハリーは33歳だったって知ってました? で、70代後半のいまも現役で歌ってるって。すごいわ)
映画のTrailerを貼りつけておきます。Blondieが響き渡るので要注意です。

ああ、この機会にダナ・トーマスが書いた"Gods and Kings: The Rise and Fall of Alexander McQueen and John Galliano"も映画化されないかなあ。
https://www.amazon.co.jp/Gods-Kings-Alexander-McQueen-Galliano/dp/1594204942 
アレクサンダー・マクウィーンとジョン・ガリアーノの盛衰を描いたすごくおもしろいノンフィクションなんだけれどな。 とさりげなく売り込んでみる。